0001 JUNLE CULT TITLE 『突然変異』
DATE 2001/12/11 (Tue) SUB 青山正明のミニコミを解剖する!

突然変異 Vol.3 突然変異 Vol.4

青山正明こと大塚雅美というマイノリストを地で行きぬいたジャンキー兼ライター兼編者がいた。
残念なことに40の若さにして首をくくりあげてしまったが、オイラが青山正明から受けた影響は計り知れないものがある。

自らモルモットと化し、あらゆるイリーガルドラッグの試用記をまとめて単行本にした『危ない薬』は、出版界初のドラスティックな事件だったし、東京公司という編集プロダクションを立ち上げて作り上げた『危ない1号』は、出版界最後のテロリズムだった。
ドラッグ・屍体・畸形・ネット・幼女売買・タトゥー・SM・殺人鬼・セックス・オナニー・キチガイ・テクノ・盗聴・トランス・・・・・
いまでこそネットで難なく手に入る情報だが、1995年当初、タブーに挑戦するがごとく出版されたそれらの記事はエグく刺激的で、反骨精神に満ち溢れたものだった。
サブカルな別冊宝島系、テクニカルな三才ブックス系、ハイソな南原企画系、エロ本の歴史は赤田祐一氏にまかせるとして、あらゆるサブカルの汚点とエロ本の流れとしてのコアを抜き出し、再編して一冊の本にまとめあげるかたちで作られた『危ない1号』は、一部のマニア達に大いに支持され評価された。
後には情報の分散である「インターネットブーム」が控えていたし、アンダーグラウンドのちゃんこ鍋を書籍のカタチで押し売りするには、時期的にもグットタイミングだったのだ。
鬼畜系という流行語や屍体ブームも生みだし、のちに二番煎じの本までもが乱立。いまでは、逆にネットをソースにして再編していくかたちの『危ない28号』として、そのバットテイストは受け継がれている。


ぼくは青山氏に問いた。


「危ない一号出版したとき、抗議はなかったんですか?」


「それが案外にもなかったんですよ、ぼくもはじめはどうなるかと思ってたんですけど、案外抗議ってないもんですよ、ははは」


ここで紹介する『突然変異』は、その青山正明が慶応を出て間もない頃に作っていたミニコミである。
内容がおバカすぎるためすべてを公開することはできないが、どのようなミニコミだったのか雰囲気だけでも伝わってもらえればと思う。

世界で最初に電気椅子の死刑を法律で定めたのは、アメリカのニューヨーク州である。一八八九年のことだった。そして一八九〇年八月、初の電気椅子による死刑が執行され、1700万ボルトの交流電気が死刑囚ケムラーに流された。ケムラーはなかなか死なず、八分間も電流を流さなければならなかった。
 それか一世紀近くたった一九八二年五月、ニューヨーク川は再び世界にさきがけて新しい法律を定めた。「これからは太陽熱電気椅子を使うべし」という条文が州法に明記されたのである。犯罪者を処刑するのに、残り少ない石油を燃やして作った電気を使うなんてもったいないということらしい。この法律が制定されるにはNASAが蔭で動いたようだ。さて、そのソーラーシステムによる電気椅子だが、直射日光がふりそそいていないと使えないという欠点がある。死刑が雨天・雲天順延″となるわけだ。薄日の時に使ったら生焼けになる。それにしても、テクノ感覚の死刑とはさすがアメリカだ。




■ああ「黄金の左腕」純正左手一本しごき
青山 ギャッハッハッハッー! 楽な企画だぜ!! 三人でゴチャゴチャ話してりゃあそれでページ埋まるんだもんな。
谷地 それでいて外注原稿なんかよりずっとおもしろい。
緒形 まあまあ、雑談形式でも構わないが、対談としてページを組んだんだから読まれる事を意識して順序立てて話していこう。ジャン・ジュネは「オナニーとは主体と客体の一体化した至高の喜び」と言っていたが、まず、僕たちは何故オナニーに固執するのか?
青山 だって自分のチンポなんだぜ。どうやれば一番気持ちいいかってのは、自分が一番知っている……。
谷地 今まで、いろんな女とやってきたけど、僕の黄金の左腕以上のものには、ついぞお目にかからなかったなあ。
緒形 時をえらばずにかけるってのがオナニーの醍醐味だね。僕なんか、毎日かいてるもんだから、ホラッ、この手を見てよ。
谷地 すごい豆だね。鉄棒かなんか?
緒形 いえいえ、オナニ豆です。この通り右手にはできない。
青山 やったね! 話聞いてると、みんな左手じゃん。俺もそうなんだよね。混じりっ気無しの左手一本。かき始めてから丸10年、一回の右手も入っていない純正左手一本しごきだもんね。
緒形 はほう、でも君、今時それは古いよ。僕なんか右手でも左手でもかける。
谷地 それ、もしかしてスイッチマスターベーターとか言う……。
緒形 そうです。その場の状況にあわせてどっちの手でもかく。そんな僕を人はスイッチマスターベーターと呼びます。それはそれとしてオナニーの定義を実隙の女性の肉体との接触なしに行なわれる意識的な射精″ということにして話を進めて行こう。まずは、青山君。君は過に何回ぐらいマスをかく?
青山 恥ずかしいけど、今は週に2回ぐらいかなあ。僕さあ、女ができてからペース崩れちゃったんだよね。その前までは週10回ペースでずっときてたんだぜ。おかしなもんでさ、人間の体って順応性があるだろ?ほら、毎日かいてたもんで一目でキンタマが脹れ上がるようになっちまっててさあ。俺のって、そんなだから毎日かいてりゃ濃いのが出るのに、2日おいてかくと出ねえんだよ。薄いのしか。でさあ、美智代(注=青山の妻)は毎日やらせてくれないんだよね。谷地の女はいいよな、女高生でおまけに淫乱なんだもんな。
谷地 いやいや、君なんていいさ。過に2日女とやったら、あと4日はマスがかける。僕なんか、たまったと思ったらすぐしどき出される。マスかく畷もない。
緒形 青山君。ちょっと君の論点はずれちゃいないか?今はオナニー賛美の対談なんだよ。初めてできた女をすぐ嫁にしちまうような節操のなさは改めるべきだよ。まるで杉森昌武じゃないか。実際、女にチンポをしごかれるのはそう気持ちいいもんでもない。フェラチオもね。ま、女性に触れてもらって一番気持ちいいのほキンクマ袋と肛門かな。あっ、ごめん。話を元にもどそう。つまり、淫乱な女をもった谷地は、その分オナニーが出来ないのだから、同情こそすれ羨ましがるべきじゃない。

■秒単位でこき倒す
青山 わりい、わりい。ところで谷地さん。あんたどんなセンズリしてんの?
谷地 僕なんかよく歌謡番組でジャリタレ見ながらかいてるよ。ジャリタレって一コーラスしか歌わせてもらえないだろ、なもんで、30秒でかき出す癖がついちゃって……。ジャリタレテレビ見せんずりってのは早漏を生むね。しごき初めの青少年には勧められない。むしろ禁止すべき所業だね。テレビ局の方も、こういう弊害を生まないように、タイトルバックに「このまだ売れるか売れないかわからんジャリタレは、一コーラスしか歌わわせませんので、これ見てセンズリをかくと早漏になりますからおやめ下さい」ぐらいは入れるペきだね。
緒形 同感同感。僕もひところはジャリタレテレビ見せんずり″にこって、オナニーというと秒単位でこき倒すもの″という悪癖がついてしまった事がある。オナニーとは、本来、一日の仕事が終りブランデーグラスなど嘗めつつ一時間以上かけて、しこりしこりと楽しみながら体の疲れをいやすものだ。
青山 俺は、そういう経験はないなあ。カワイコちゃん歌手でだったらさあ。今は無きヘッドロックに載ってた女の顔のアップがあったろう。あれ切り取って、口の所に穴あけてさ、裏にオナニーマシンを付けてね、ジャリタレ、フェラチオ気分でやってた事があるよ。
緒形 僕なんかは、紙を細かく切ってね女の子の水着グラビアの水着部分に置くんだ。すると目の錯覚でヌードに見える僕はこの手で松田聖子でも河合奈保子でも簡単に脱がすことができる。
谷地 あと、風呂場にグラビア持って入って、水をつけて壁に貼るんだよね。そうして、胸とかの後ろに空気を入れて立体感をもたせる……。口に穴あけてタバコをくわえさせたり……。
青山 あんたらチマチマしてるねえ。そんなのより、糸電話の応用で、松田聖子かなんかのレコードかけて、そのスピーカーの振動を糸でチンポに伝えるんだ。すげえぜ。赤いスイートピ〜 なんて声が、じかに亀頭に響いてさ。スイートピッピッピーツなんてね。俺、そのためにスーパーウーハーを自作した。
谷地 くだらん。そういうリアリティーのない発言は慎んでくれよ。どうせ言うなら「自分の守護霊を呼び出してフェラチオさせる」くらいの迫力なら許すけど。
青山 そんなこと言うけどねえ谷地さん。俺なんて、実際、本当に自分尺八できるんだぜ、こうやってさあ。
緒形 やめろやめろ! 気味わるい!!

■バチが当たろが気持ちイイ・・・・・
谷地 ところで、マスかいた後って、手を洗う?
青山 とんでもない。洗ったことなんてないよ。マスかいて、そのまま神棚に相手打って寝ちゃうもんね。
結形 バチ当たりだな。
青山 バチ当たりっていえば、地蔵の頭に精液かき飛ばしたり、創価学会の御本尊様の上にまき散らせたり……。バチ当たりオナニーつてのが最高にイマいんじゃないの。
谷地 それとかさ、突然変異の企画で考えたんだけど「京都カク名所案内」ってのがあるんだ。たとえば、金閣寺を見ながら、こくりこくりとマスをかく。チンポもつ手に五百年の歴史の重みを感じつつ、足利義政の遺命に思いをはせる……アンノン風に、京都カク名所、神社プツカクを紹介し、オナニー紀行の一助たらんと。
緒形 エグい企画だなあ。
谷地 今までやった中で、一番壮大だったのは、石川県の内灘砂丘で満天の星の下、日本海に向かって射精したのは気分よかったなあ。海の中に夜光虫がいてね。ちょっとした刺激でキラキラ光るんだ。飛び散る精液に刺激されてキラめく夜光虫……最高だね。
青山 パラシュートで落下しながらかくなんて壮大だろうな。あと、水上スキーしながらチンポを水面でこするとか。プチ・ブルしかできないオナニーとしてはカレーレース製の五万円のハンカチーフでセンズリの後始末をするとか・・・・・。
谷地 もう話も飽きちゃったし、それより、あれやろうよ。スワッピング・オナニー。

■スワッピング! 俺のオフクロ貸してやる
緒形 ああ、あれね。男同士で互いに相手の恋人の名前を叫びながらかくやつだろ。一番気色の悪い……。
青山 どうせやるなら、もっとすごいのやろうよ。相手の母親の名を叫びながらかく友人母子相姦オナニー″とか、相手の父親の名を叫びながらかく友人父子相姦オナニー″とかさ。
緒形 エグいなあ。
青山 やろうよ。
谷地 へっへっへ一つ。そんなことだと思って、ちゃんと用意してきた。ホラッ。
 −谷地、山中湖のオパケコンニャクを取り出す−
結形 よし、一発いくか!!
青山 良江(注=緒形の母親)、かわいいぜ、おまえ。実にいい尻だ。
結形 お、おくさんの乳首、バラ色ですね。まだまだ若い。こんなにツンとして谷地エイゾー(青山の父親)
青山 うお〜〜、美奈子〜! 出るぞー!! お前のおまんこの中に出るぞ! うお〜〜!!


「人生の目的について考えたことはありますか?」
と、いきなり声をかけられたので、立ち止まって顔を上けてみると、浅黒顔をした男が真剣!! に立っていた。彼は黄土色の(汚れが自立たない、つまりどれくらい汚れているか量り知れない)トックリセーターを着ていたが、そのトックリ襟はだらしなく伸びて胸に垂れ下がり、内側のワイシャツの襟が顔を出しかけていた。また 歎抄研究会の奴に会ってしまったってわけだ。ちぇっ! 今日はこれで五十回目だ。
 ちなみに、原理研には二十回、モルモン教には十回会っているが、歎異抄は他を引き離してダントツ(省略型の俗語を言ってしまった直後に、安易に俗世間に堕してしまった自分を恥じて、言い残した音節をつけ足して尻拭いするやり方−例、「ナペサダワタオ」「代ゼミ代ギナール」)だ。しかしまあ、一日にこれだけ宗教家とぷつかるなんて、僕はよっぽど間が抜けてるか、ついてないか、特異体質か、聖者にちがいない。
 ところで、原理かモルモンか見分けるのは、これは簡単だ(字余り)。モルモンはもちろん折目正しい外人さん(たまには日本人もいるが)だから別として、原理はダサいという感じだし、歎異はむしろ(前述のトックリセーターに象徴されろように)イモい! からだ。
 さて、さっきの質問に対して僕は(魔がさしたとでも言おうか)「あります」と答えてしまった。しかもかもしか、(ついふらっとでも言おうか)力強く繰り返したりしてしま
ったのだ。「あります、あります!」
 すると歎異抄君は、今日初めて心ある学生さんに出会えたうれしさを隠し切れぬ様子で目を輝かせながら(あ、「心ある」というのは、路上で持しかけられてもそれに応じられるだけの暇のある、というぐらいの暮味だが)、こう言った。
「では人生の目的とは、いったい何ですか?」
 僕はというとまだ心の準備もできてないし、彼は依然として真剣! な顔つきなので、何と答えていいものやら、何と宥めていいものやら、すっかり困ってしまった。しかし、彼は僕の返事を待たずに、存外にあっさり正解を教えてくれた。
「人生の目的、それは幸福です。」
 わ、なんて意外な答えなんだ、あたり前すぎて。でも彼の表情からは相当の自信がうかかえたので、とりあえずなるほどとうなずいてみせたが、彼はまだ不満そうに、「じゃあ、幸福とは何ですか?」と僕を問い詰めて、さっきの答えをすっかり僕の責任にしてしまったのだ。
「さ、さあ……。」と考えるふりをしてごまかそうとするかしないかのうちに歎異抄君は、「金ですか? それとも地位ですか?」と僕を責める。
シンラン聖人の救えにしたがって、それらを「ソータイの幸福」と呼んで区別しています。」
「ソータイ!?」
「ソータイです。」
「総体ですか?」
「いいえソータイです。わかりませんか!?」
 彼は、こんな専門用語、素人にはわからんのも無理はなかろうと言わんばかりの顔で僕を見た。
「もしかしたら……、相対的ってことですか?」
「そうです。ソータイの幸福です。わかるでしょう?」
 相対的な幸福のことを「ソータイの幸福」と呼ぶと、どうやら被らの専門用語になるらしいと感心してしまった。
「性的な満足のあとには空しさが残り、金や地位も手に入れてしまった途端にそれ以上のものを食欲に求めてしまうのが人間です。だからそれらの物質的な快楽は真の幸福などではなく、ソータイの幸福なのです。」
 もしかしたらこいつ、伊藤強(ニューユー・ミュージック評論家)のまねでもしてるんじゃないかと、本気で思ってしまった。彼もこんなふうに、ごく一般的で常識的な、スナックのママか若いもんにたれる説教みたいなことを、あたかも自分の独自の意見のように言うのだ。
ああ、びっくりした。
「さては絶対的な幸福が別にあるのですね。」と僕が言うと、すごい洞察力、素人のくせによくわかったなという反応を見せた。
「そうですよ。へえ、よくわかったな。「ゼッタイに幸福」こそ人生の真の目的です。そして僕たちはこの「ゼッタイの幸福」に至る道について学んできた結果、仏教という手段にたどりついたわけです。」
「へーえ? 仏教は幸福を得るための手段だったんですか。」
「そうです。仏教が浮世離れした我々と縁遠いものだと考えていた人たちにここを強調したいのです。」
「僕はてっきり仏教の窮極の目的はニルヴァーナだとばかり思ってましたよ。なんだっけ・・・・あ、輪廻からの解脱だと。」
 僕は言ってはならないこと言ってしまったらしい。なせなら彼は急にむきになったのだ。
「それぐらいもちろん知ってますよ。こっちは勉強してるんですからね。解脱でしょう? 輪廻でしょう? ちゃんと知ってますよ。要するにプッダの教えを我々の日常生活に置き換えると、仏教は幸福への手段なのです。」
「へ〜え? 手段にすぎないのか。へ〜え?へ〜え? 手段にすぎな・い・のか。」
「もちろん手段にすぎないなんて、そんなこと言ってるわけではありませんよ。仏教もある意味では手段だって、そう言ってるだけです僕は。」
 なんのことはない、要するに彼は僕に説教したかっただけなんだ。だから僕はただ大人しく相槌を打つことだけを望まれていたのであって、僕が変に口答えすると彼は調子を狂わせてしまうのだ。きっと先輩から一つの説教バターンしか救わってないのだろう。
「ところで仏教といってもいろいろですが、あなたはどの宗派に属しているんですか?」
「はっ? 僕ですか? 一応シンシューってことになってます。」
 彼は、僕の友人が「はい、一応東大に行ってます」ってゆーときを連想させるような、「照れちゃうな」って顔でこう言ってのけた。でもシンシューって何だ?
「浄土真宗ですよ。知ってるでしょう?」
「なるほど、だからシンシューですか。僕はてっさり信州かと思いましたよ。いやなにね友達が信州大学の農学部に行ってたもんで……。」
 だいたい「シンシュー」で通じるのか、当事者以外の人に、たとえばこうだ。
「えへへ、突然変異ですよ。ま、まいったなあ。はら、あの書名な…。」
 「ほお、ダーウィンですか? おっとメンデルだったかな。」
 今まで書いてきたことは、全て真実へのアレンジである。そして以下のことも。
僕「初めに僕が言ったことは、あ、話を中断して申し訳ありません、実は嘘なんです。というのはですね、僕は人生の目的については現象学的エポケー、つまり判析停止という態度を採っているわけなんです(どーだ、難しそうだろ)。」
彼「困るなあ、こっちがまだ解説を終えてないっていうのに・・・・・・。」
僕「(ふん、今度はこっちがしゃペ番だ)言い換えれば人生の目的については問わないということなんですね(すごい詭弁)。その方が自由でしょ? 人生の目的が何かあるという思想も日的なんかないという思想も、一見反対のようでいて実は、人生の日的という問題にしばられているという点で、等しく卑小なんですね。」
被「あなたそんなこと言ってると、いすれ世間から相手にされなくなりますよ。だいたい人生の目的もなしに生さていけろもんですか。」
僕「目的がないとは言ってませんよ(馬鹿め)。ただ目的については問わないだけですよ。(ちゃんと聞け)。」
彼「目的も考えずにだらしなく生さているような人は、はっきり言って真に生さてるとは言えませんね。人生じゃありませんよ、はっきり言ってて、真に。」
僕「なるほど。じゃあ人生じゃないんでしょう。」
彼「何だと!? 自分で認めちゃうのか?あなた正気ですか?」
僕「ほら、そのへん言語って恣意的だって、ソシュールも言ってたでしょう。だからこのさい特に「人生と呼ばなくても構わないじゃありませんか。」
彼「そうだ、あなたのは人生なんかじゃない。人生であるわけがない。人生はもっとトートイはすだ!」
僕「よほど人生に愛着があるんでしょうな、あなたは。」
彼「人生なんかじゃない! だからあんたは人間じゃない!」
僕「(なんか飛躍してるな)ミッシェル・フーコーは「人間の終焉」なんて言ってるくらいだから、ある意味ではそれもスルドイんじゃない?」
彼「お前は人間じゃない! 豚と同じだ。何も考えすにただ生きている豚と同じだ! プープー!」
僕「唾を飛ばさないで下さいよ。(こう言いながらなるべくゆっくり、ハンカチで顔を拭って見せた)豚とおっしゃいましたね? それは悪い意味でですか? そうでしょう。今の比喩において最も重要な点は、あなたが豚を悪いことの象徴として使ったという点ですね。だとすれば、あなたは僕を非難したわけだ。でも比喩に頼ったところが失敗でしたね。なせなら、比喩による非難は言葉に備わった価値に依存するところか大きいのに、相手か自分と同じ価値を所有しているとは限らないからです。(ど−だ、降参しろ!)」
彼「あんたの言ってることはみんな観念の遊びでしかない! みんな空論だ! 詭弁だ!」
僕「(ギクッ!)」
彼「あんたは甘い! 人生を知らないんだ。いいかい、あんたは学生だから金にも苦労してないし(自分だって学生だろ)、社会的地位で人からとやかく言われないで済んでるから、そーゆー呑気なこと言ってられんだよ。世の中そんな甘いもんじゃないよ。大学出たらわかるよ。あんたも絶対もっと金が欲しいもっと金が欲しいって苦しむようになるよ。絶対だよ! ああ、もうあんたなんかに関わってらんないよ。」
 とののしり捨てると、歎異抄の学生さんはとっとと消えうせてった。

 分析
 欺異抄君は路上で会った見知らぬストレンジャーに自分の思想を説かなければならなかった。すなわち見知らぬ「一般の」人に、自分の「独自の」思想を伝えたかった。
 そのためには見知らぬ相手は必ず一般的な人、つまり「ソータイの幸福」にとらわれた人でなければならない。そうでなければ相手に対して力強い説得力を発揮できない、仏教の偉大さを示すことかできない(あるいは単に、自分の知ってる説教パターンからはすれてしまう)。
 だから、彼は路上で説得の相手をつかまえるたびに、その相手か一般的な人間であることを無意識に期待し、その期待はついには相手を一般的な人間であるとキメツケるという行為になるのだ。
 彼は僕のこともキメツケようとした。そこで僕は自分の特殊性を出張(おっと誤植だ、誤字ではなく)したのに、彼は乱暴に僕をそのカテゴリーに押し込めようとした。
 だいたい鼻もちならないのは、奴の優越感だよ。なにしろ悩める子羊をボンノーの世界から救い出してやろうってんだから、頼みもしないのに、いやはや、自分を何様だと思ってんだ、って気分にもなるのである。
 歎異君は人間を階級化する。ソータイの幸福に迷うあわれな大衆と、絶対の手相に目ざめた人。もちろん前者より後者の方かえらいってわけだ。その階級に基づいて、会う人毎に誰彼構わず下の階級にキメツケて、軽蔑的に扱うんだから、相手はたまんないよ(時余り)。
 そいで、相手が自分の階級化からはずれたら、軽蔑しはぐった、優越感を持ちはぐったって、相手に対して非難するんだよ。で、ひとりで腹立ててんの。
どお? まるで乞食に千円あげたら、「どうして一万円くれないんだ!」ってかえっておこられるみたいな話じゃねーか、である、いやはや。


 早熟な女の子というのは、我々のようなその手の趣味を持つ者にとっては何にもましてこたえられない代物である。近年、栄養摂取の欧米化に伴い、こうした発達した女の子″を日にすることはめすらしくない。しかし、この早熟″も病的なものになると、そうめったにはお目にかかれない。そして、そんな病的な早熟のほとんどは記録という資料の世界に存在する。公衆の面前で性交していたというマルケサス郡島の8歳の少女たち。キンゼイにより報告された9歳でメンスの始まった女の子。日本にも7歳で出産した女児の記録か残っている。しかしながら、これらの記録というのはとかく文書中心で、関心の的である女児の姿は、専門書でさえ公にしていないことがほとんどである。早熟女児をめぐるそんな状況の許で、極めて貴重な写真をおめにかけよう。写真の女の子の年令は4歳。彼女に付けられた病名は真性性早熟症(sexual precocity)。女子で8歳以前に二次性徴が出現することで定義される病気である。また、それらの女児のうち大部分(80%)は器質的疾患は認められないそうである。
 一方、早熟もここまでくると、もはや早熟とは呼ばれない。これは早老症(プロゲリア)と呼ばれる。写真の患者は、女性自身などにもとりあけられた9歳の男の子である。全身を写したヌードは、ここに紹介されるのが日本では初めてではないだろうか。
 憲法第二七集第三項に「児童は、これを酷使してはならない」という条文があります。酷使を禁止しているのはなにも児童に限ったことではなく、労働基準法第六九条により、大人の酷使も禁止されています。それでは、文字通り、酷使でなければ児童を働かせてよいかということも考えられますが、どっこいそうはいきません。現在の法解釈では、この条文の酷使とは、労働と同意語です。児童は、働かせてはいけないのです。また、児童福祉法第三四条第四項にはこう書かれています。「満十五歳に満たない児童に戸戸について、又は道路その他これに準する場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為」。
これを児律法は禁止しています。つまり、「女子小学生が汗を流して働いている姿を見てマスをかきたい」とか「一度でいいから女子中学生にコーヒーを運ばせたい。足などひっかけてころばせて、「さっさとかたずけろ」などとわめきちらして、泣かしてやりたい」とかいう私たちの願いは、かなわぬ事ということなのです。
 ところが、この法が全く無視され、適用を免れている世界があります。ご存じ、それは芸能界です。ジャリタレ、子役……。ロケや地方巡業に日々追われ、やっと家庭に戻ってくると、それも束の間、こんどはレッスンと台本暗妃が彼女たちを待ちかまえています。これでは、労働を通り越して酷使です。子供服のモデルだって水商売″と大差ないでしょう。本誌に再三登場する杉田かおるちゃん(16才)も、13の歳に、「しあわせ色をあなたに」でレコードデビューした時、北海道から博多迄、8ケ月近くもキャンペーンをやら
されたといいます。その間、中学を休むこともしばしば。これでは、義務教育を受ける権利の仕事です。これはパーぺキに奴隷です。でも、使った人達は何の法的なお咎めも受けていません。
 それでは、同様にして、子供を喫茶店の給仕として使う事は許されるでしょうか。これは児福法にひっかかるんですね。雇えるのは中学三年から、それも15の誕生日を迎えた子でなくちゃいけないのです。まあ、お手伝い程度に、近所の女の子か身内の子を1日1時
間ぐらい使って、小遣いをやるなんていうのは許されるでしょうが。それでも、10人の女子小学生をとっかえひっかえ店に出し、営業時間中フルに子供が給仕をするなんていうインターバル経営は考えもんですな。
 で、結局、私は何が青いたいのか。「子役は違憲だ」とか「ジャリタレ駆逐」なんて、自らの楽しみを奪うような主張はいたしません。「女子小学生を工場で使おう」「女子中学生に体操服(胸の所に「熱海中学バレー部」なんて縫い取りしてるのがよい)とブルマーをはかせ、茶店で使おう」と言いたいのです。その論法はと申しますと、ます、「タレントが許されてなせ女子中学生ウエイトレスが許されんのだ! 汲怒!」なんていうのは、冷厳な法の世界には通用しません。ではどうするか。働いている女の子を映画に撮るのです。カメラに収めるのです。そうです、今、私たちは「子供が働いている」という架空の世界の出来事を撮っているのです。設定は未来社会でも秘密クラブでもかまいません。女の子たちは働いているのではないのです。働いている役を演じているのです。画面に、より一層リアリティーを出すために、お客は素人を使います。喫茶店の天井などに、常時、8m/mを吊るしておきましょう。もしくは、店のマスターは、常に首にカメラを掛けておきましょう。さあ、今日もまた、喫茶店のシーンを撮影します。徹夜になるかもしれません。メチタシ、メテクシ。ペドフィリアック・ワールド。

男が女をその気にさせる
意外なパンツの脱ぎ方

ホモの男性が、男性を喜ばす手法も、普通の男性が女性を喜ばす手法もたいして変わらないんじゃないかな。モノがパンツに限っての事だけど……。してい特異性をあげれば、女性っていうのは、会話においても「出だしの意外性」に弱いから、素叫らしいSEXに導くためには、やはり、「意外なパンツの脱ぎ万」ってのが重要なんだね。
 ぱっと思いつくのが、パンツを破り捨てるという方法。野性味満点。変態チックに迫ろうという御仁は、あらかじめパンツの繕い目をほどいておき、勃起した己れのチンポでパンツを内局から裂くってのもよいのでは?その他、パンツの中に花吹雪を入れておくとかチンポに「4人目の女」等と染め抜いた垂れ幕を付けておくとか、田中泯風に包帯を巻いといて、彼女にほどいてもらうとか?外人コンプレックスの彼女を喜ばせるために、性毛を金色に染めておくとか、パンツの中にたくさんおみくじを入れておき、彼女にひかせ、それにょってその日の体位を決めるとか、チンポを下の方にしまっておいて、かわりにソーセージを入れておき、彼女の目前で「俺はこ〜なにお前を愛してるんだ。こんなに、こんなに……」って叫びながら、パンツの上にナイフを突き立てろとか‥‥‥。
 パンツをSEXの小道具として使用しようという向きは、お互いのパンツを誉め合いな
がらやるとか、いつも寝る時、2人の枕の間にパソツを置いて臭いをかぎながら寝入ると
か、パンツの裏に文字を書いておいて読み合うとか・・・・・
変態キライ!! って人は、やっぱし、独り部屋で鏡の前に立ち、WASでもBGMに踊りながら、「いかに美しくパンツを脱ぐか」っていう振り付けを考えるしかないんじゃない?

チンポとパンツの臭い匂いを克服する法

テンポは臭い されどもチンポは出さなきゃ女は抱けない。包茎チンポはもっと臭い。されどもチンポむかなさや女に笑われる。この臭さを君はいかに克服するか?パンツに活性炭を詰めたり、オーデコロンをふりかけたりチンポをむいてよく石けんで洗うなどというのは面倒で、長続きしそうもない。ましてや抜本的な解決策ではない。それならとうすろか?視点を、180度変えればいいのだ。臭いチンポは臭いままでいい。彼女の方に匂いに慣れさせるのだ。有名なパブロフの犬を想い出して欲しい。つまり、条件反射を利用するのだ。臭い匂いが,蒲団の中から鼻許につき上げてくる毎に、彼女の耳許で甘い台詞をささやく。プーン……「もう絶対離さないからね」プーン……「好きだよ」。そして匂いがする毎に、彼女の一番敏感な部分を刺激する。恥垢もたまり、特に匂いの強い日はいつになく丹念に愛撫を施す。こうしているうちに、彼女は匂いなくしては興奮出来なくなり、臭い匂いを嗅いだだけで、乳首は硬直し、小陰唇は脹張し、膣口は潤う……。
 まっ、一回限りの女性とやる場合は、事前にトイレでも行って、よーく洗っとくしかないだろうけどね。

オナニー禁断症状

大正時代に小倉清三郎という学問一筋に生き、しかも三十七まで童貞を守った大人がいた。「自慰」という言葉は彼の発明である。小倉はセンズリを断つといかなる症状が人体に起こるかを、白からの肉体を使って三年間にもわたり詳細なデーターをとった。小倉の偉大な業績は近頃のすぐ射精したがる若者に、堪えるほうがキモチよい、というコぺ転を起こさせるに十分な税得力をもっている。以下、小倉が機関紙「相対」に発表したオナ禁データーを掲載してみる。
 @瞼の充血 A右目の右端の奥に感覚異常が生じる B右上の奥歯の歯ぐきに「特異の感覚」が生じる C目の疲れが早くなる D左の鼻孔にいやな感じがある(指先でたしかめると血の固まりがあることもある)E唇のまわりに吹出物がでる F散夜の翌日のように頭脳が重い G読書力も減退する H筆をとるのも、もの憂い I歩いていても眠むたくなる J眠れない夜がくる K風邪をひいたような感じになる Lとくに下肢がだるい M消化がわるくなる N何かと気がもめる O陰嚢が引さつったり、痛みがくる P尿道に軽い痛みのまじった感じがある Q肛門がほてる R陰茎、とくに亀頭冠のあたりに不快な感じがある Sなんの連想もないのにいきなり勃起がくる
小倉はこの他にも「千ずり考」や「性的体験概論」などを「相対」に発表したため、警察に102日も拘留され、あげくに当時の金で50円の罰金を科せされた。ま、それはともかくこのデーターを読んで、ドラッグよりいいじゃん、と思った人はさっそく実行してみよう。


まあね、人間のセンズリ書いてもしようがねえから、ドープツいってみよう。まず、シカね。シカ。「あ−、やりてえな、メスとやりてえなあ。でも、近くにいねえもんなあ。ああ、やりてえよお」と、シカ。で、シカはどうするかといえば、センズルわけです。しかし,猿みたいに自分尺八もできなければ、尻尾でもやれない。これはつらい。でもね、やるんですシカは。まず、サササーと木の前にいくわけ。そんでもって、角を木の斡にこすりつけろわけ。コスリ、コスリとね。十五秒くらいすると、チンポが立ってさてドバー
と射精するんだよね。角がシカの性感帯なんだそうです。
 つぎ、ライオンね。「きのうプチ込んだメスのオメコ気持ちよかったなあ。もういっぱつ余分にやっときゃよかったなあ。ああ、もういっぱつやりてえょお」てんで、ライオンは仰向けに引っくり返るわけです。でもって、ニ本の後足のあいだにチンポはさんでシコシコするわけ。原野の共ん中で、青空みながらやるんですよ。雄大ですねえ。
 そんでもってゾウね。ゾウさん。「ここんとこやってねえからなあ。出してえなあ。おし、いっぱつ出すか」つんで、ゾウ。鼻をつかうのねゾウは。鼻の先っちょの指みたいになった二本の部分を使ってね。これでやるわけ。「自分の鼻でやってゾウは臭くないのかね」なんてゆうのは余計な心配なわけです。そりゃあなた、興奮してりゃ関係ありませんよ。しかし、おれのチンポもゾウさんはコイてくれないかなあ。ゾウさんにやってもらうなんて最高じゃん。
 あーあ。ドープツのセンズリ書いても,やぱししょーもなかったわい。

チャイルドポルノ、チキンボーイポルノ、アナルセックス、アニマルセックス、妊娠物、糞尿物……等々を経て、世界のポルノが行さついた最後の性。それは、SHE=MALE。ホモとは違う。汚らわしさは全くない。トランスヴェスタイト(衣装倒錯者)とも一線を画する。トランセクシャル(性転換者)と言い切ることもできない。SHE=MALEとは男根を有する女体なのだ。ここに掲載した写真だけでは分りにくいと思うが、君が男性であっても女性であっても、SHE=MALEを一目見たら、きっと興奮するにちがいない。男性なら、今すぐにでもSHE=MALEとベッドインしたいと思うだろうし、女性なら、一度でいいからSHE=MALEに抱かれてみたいと感じろはずだ。そんな両性人間がSHE=MALEなのだ。ニューハーフなど、これに比べたらまともなもんだ。ところで、このSHE=MALE、発祥の地はなんとアメリカ(潜在的なものはもちろん知る由もないが‥‥‥)。ピンクフラミンゴ(1972)にすでに登場していたし、ここ数年の内に、「Hard TV」「LesGirls」「T・ranssexual Phenomenon」等、この手のポルノグラフィーが矢継ぎ早に創造され、ことS H E=MALEに関しては、アメリカのポルノ業界がデンマークを尻目に先峰を切っているという状況であった。デンマークにただならぬ思い入れのある僕としてはこのような由々しき状態は一時でも早く打開せねばと念を送っていたわけだが、それが実ってか(まさかネ)、ようやく今年の春になりデンマークがやっとこさアメリカ独走に待ったをかけてくれた。こちらの方は、その名もズバリ「She=Male Encounters」。フィルムも雑誌と同時制作されていて、アメリカなんかよりグッとマルチプルに楽しめる。しっかし、デンマーク物と称しても、登場しているモデルはキャンディー、サルカ、マーゴの3人で、この人たちはアメリカで以前から活卑していたSHE=MALE御三家(?)だからして、デンマークとしてのオリジナリティーはあまりない。ただ、SHE=MALEが男性や女性とからんでいるシーンはアメリカ物には少ないので、そこのところでどうにかダニッシュポルノの体面を保っているというところか……。でも、ポルノもここまでくると、あとは、病気・畸形物とか、死姦ポルノとか、ベイビーポルノぐらいしかないでしょーね。21世紀はやっばし宇宙人ポルノてとこでしょーね。あるいは、今までの総合版で、妊娠した9歳の女の子が右手で乳房を握り締め、ビューツて母乳飛ばしながら左手で老人の男根を握り、糞と小便をいっしょに排泄しつつ、ロバのペニスを頬ばれる・・・・なーんてね。つくづく、いー世の中だなー。
青山でした。

■予定より一ヶ月以上も発行の遅れたことをお詫びします。つまらない問題を抱えてしまい、雑誌作りの方に手がまわらなかったのです。椎名誠という前頭葉に岨虫をわかしたネズミが血迷ったためです。オドシや抗議の電話が殺到しました。本誌はまだ体制の整っていないミニコミですので廃刊に追い込まれなかったことが不思議なくらいでした。
■「突然変異」に制裁を加えるとミニコミ界の独裁者気どりでいきまく椎名誠氏に言っておきます。朝日新開の権威を貸りて、「突然変異」を書店から閉め出そうとしたあなたは、同じミニコミを作っている人間とは信じられません。雑誌に対して、好き嫌いを明確にすることはいくらやってもかまいませんが、しかしあなたはその域を明らかに超えています。精薄児を笑いものにしているというのも所詮あなたの悪意的解釈に止まっているのですから。もっとも笑いの対象にしていると取られても、いっこうにかまいません。何も知恵連れの子供たちを特別視することはないと思っています。むしろあなたの方にこそ差別意識があると感じます。権威の頂点に立つ天皇も、弱者である精薄児も同じレベルでチャカしているわけで、そこには差別意識はないとハツキリ言っておきます。すべてを同等と考える上で、これは一つの試みである筈です。あなたが「良識」を振り回すなら、こちらにもこちらの「良識」があるのです。つまりこちら側から言えば、「良識に歯止めがない」のはあなたの方になるのです。異常とも思える罵詈雑言を吐く前に、そのあたりをよく考えてほしかったと思います。
■さて、読者の方は前号と比較して、この号のパワー不足に気付かれたことと思います。これは誌面作りに時間をあまり掛けられなかったためで、不本意なものになったことをお詫びします。次号はこの号上りももっとパワフルなものを作りますので、この号でお見捨てなきょうお願いいたします。発行は来年の一月下旬か、ニ月上旬です。(K)

1960年、神奈川県は横須賀生まれ慶応大学法学部法律学科卒。ゴーストライターとしての著作は4冊、青山名義の著作は『危ない薬』(データハウス)、今はなき編集プロダクション東京公司のお仕事を含め、編著に『別冊宝島 気持ちい薬のウラがわかる本』『別冊WTタイ読本』『別冊WT裏ハワイ読本』(以上、宝島社)、『アダルトグッズ完全使用マニュアル』『危ない1号/第1巻・第2巻』(以上、データハウス)等がある。
94年11月に日本全国で症例50名前後という眼病疾患、奇病MPPEを患い、失明の恐怖を背負いこん加速度的に“悟り”の境地へ。本書を最後に、“路線変更”を決意・・・・・と、まあ、そんなこたあ、どうでもいいか・・・・・。

(『危ない1号』青山正明全仕事あとがきより)


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