7月:演奏試験【無限のトリニティ Lv1 】
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「頑張ったな。
よくやった。さすが俺様の家来。
俺も鼻が高いぜ!」
演奏テストを見学していた翔くんが
満足げに頷いた。
家来としてちゃんとできたみたいで
嬉しいです。
今後も家来として
翔くんを支えられる存在でありたいな。 |
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「信じてたぜ。
お前ならできるって。
ホント、お前はすごい奴だよ」
「あ……ありがとう」
そっか、信じてくれているんだ。
その期待に応えたい。
次も絶対いい演奏をしよう! |
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8月:演奏試験【無限のトリニティ Lv2】 |
「……なんか、お前ってやっぱすげーよな。
離れてみてよくわかった。俺、やっぱ
お前いないとダメみたいだ」
「そんなたいそうなものでは……。
でも、一緒にいてもらえるのは
その……すごく嬉しいです」
「お仕事より、わたしとの練習を選んでくれてありがとう」
「その気持ちに応えられるよう
いい曲を作ります!」
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「あれ? 雰囲気変わった?
お前ってこんなに綺麗だったけ?
俺が気付かなかっただけ……なのか?」
「雰囲気ですか? 特に変化はないかと……。
それに……き…綺麗って……。
あの……その……」
ど、どうしましょう。
そんなこと言われたことがないので
ドキドキします。
なんて言ったらいいんでしょうか……。
わたしが黙ってうつむいていたら、(ここで照れ顔)
翔くんも顔を真っ赤にして
うつむいてしまいました。
えっと……。
こ…こういう時一体どうすれば……。
結局、どうにもできないまま、
翔くんが別の話題をふってくれたので
その話はそれまでとなりました。
すぐに固まってしまわないよう
いろんなパターンのリアクションを
研究するべきなんでしょうか……。
悩みます。 |
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9月:演奏試験【無限のトリニティ Lv3】 |
「お前、どんどんすごくなるよな。
……俺も頑張らねぇと……。置いていかせたりなんかしない。絶対に!」
「そんなわたしの方こそ翔くんに
追いつこうと必死で……」
「……でもそうやってお互い頑張っていたら
なんだか追いかけっこみたいだね」
そう言ったら翔くんがふっと微笑んだ。
あ……あれ?
なんかおかしかったかな?
でも、ふたりして相手に負けないように
努力したらきっとひとりで頑張るより
上手くなれるよね。
パートナーでライバル。
それってなんだか素敵だな。
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「そうやってお前が頑張るから、
俺も頑張ろうって思える。お前と一緒だから
俺は全力で戦えるんだぜ」
「わたしも……。
翔くんがいてくれるから頑張れるんだよ。
ひとりじゃ挫けることも多いし……」
ちょっとだけ夏に感じた寂しい気持ちを
思い出して悲しくなったら。
翔くんがぽんぽんっと頭を撫でてくれた。
「ありがとう。
でも、もう大丈夫だよ。
もうひとりなんかじゃないから」
ずっと翔くんが傍にいてくれる。
それだけですごく安心できる。
あぁ、わたし本当に素敵な人と
パートナーを組めたんだなぁ。
幸せです。 |
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10月:リズムレッスン後期 |
「正直くじけそうになることだってあった。
でも、お前がいたから、お前が傍で笑ってたから、俺は頑張れた。ありがとな」
「そんなこと……。
わたしはただ翔くんに頑張って欲しくて……」
「……翔くんが元気になれるなら
わたしはいつでも笑顔でいます」
「もしくじけそうになったら
ひとりで抱え込まないで
わたしに言ってくださいね」
「あんまり頼りにならないかもしれないけど
少しくらいなら支えになるから」
ちゃんと支えられるようになりたい。
そのためにもまずは
作曲のスキルを上げないと……。 |
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「俺……お前がいれば、なんだってできる気がする。
笑うなよ。マジでそう思ってるんだからさ。だって俺お前のこと……いや、今はまだ……」
……翔くん。
何を言いかけたんだろう。
き……気になります。
来月になったら教えてくれるのかな。 |
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11月:学力テスト後期 |
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「今回のテスト満点取れました」
「偉いっ! さすが俺様の家来。
祝ってやるからさ、なんでも言えよ。
俺にできることならなんでもしてやるぜ」
「だったら歌って欲しいです。
昨日作った曲があって……」
そうしてその日、翔くんは夜遅くまで
わたしと一緒に練習してくれました。 |
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12月:作詞テスト後期 |
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「なんか、驚いた。お前、俺と同じこと考えてたんだな……。
やっぱ俺とお前って感性が似てるのかもしんねぇな……類友って奴?」
「かもしれません」
というか、そうだといいな。
音楽性は近い方がいいs、
その方が嬉しいです。 |
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1月:演奏試験【オレサマ愛歌 Lv1】 |
「やべぇ、俺も負けてらんねぇな。
やっぱ、俺お前と一緒にずっと頑張りたいし、
こんなところで立ち止まれねーよ」
演奏試験の音源をパソコンから送ったら、
翔くんから電話が来た。
少し元気そうで良かったです。
翔くんに、あんまり迷惑かけないよう
今以上に頑張らなくちゃ。 |
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「お前の演奏、なんか好きなんだよな。
ずっと聴かせてくれよ。
もしまた、お前の身に何か起きたら、俺が守ってやるからさ」
演奏試験の音源をパソコンから送ったら、
翔くんから電話が来た。
すごく喜んでくれたみたい。
もっと、翔くんを輝かせられる曲に
していきたいな。 |
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2月:演奏試験【オレサマ愛歌 Lv2】 |
「どんなに辛くてもしんどくても、俺
お前と頑張りたい。お前と一緒じゃなきゃ嫌だ。
だから、俺についてきてくれないか?」
「はい。
どこまでもついていきます」
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「完璧……だな。さすが俺のパートナー。
俺達きっと学内で一番の最強コンビだぜ。ホント俺ってラッキー。お前が相棒でよかった」
「ラッキーだったのはわたしの方です。
あの日、翔くんの家来に立候補してよかった」 |
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3月:演奏試験【オレサマ愛歌 Lv3】 |
「ついにここまできたな。ん? なんだよ
泣くなよ。感動するにはまだ早いぜ。
泣くなら俺の歌を聴いてからにしろよな」
「なんか……いろいろ込み上げてきちゃって。
……でも、頑張って涙止めます……」
そうして、ぎゅっと目を瞑っていたら、
翔くんがわたしの額にそっとキスをした。
「翔……くん」
びっくりして泣き止んだわたしを見て、
翔くんは満足げに微笑んでいた。
こんなにかっこいいのはずるいです。
翔くん、もうすぐ渡米するのに
離れたくなくなってしまう……。
でも、せっかく涙が止まったから
今は泣くのは我慢です。 |
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「ほんっと。お前には最後まで驚かされっぱなしだよ。
……なんてな、最後、じゃないよな。
お前とは卒業してもずっと一緒だぜ」
「ずっと一緒……」
「ああ、約束だ!」
翔くんの言葉が力強くて
必ずそうなるような気がした。
これからすぐ翔くんは渡米してしまうけど
でも絶対病気を治して帰ってきてくれる。
そうしたらずっと一緒にいられる。
一緒に音楽を作っていける。
素直にそう信じられた。 |
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