誘惑しっぽ妹

  
「……で、どうしたんだ? それ……」
 俺の前に困った顔で座っている妹の背後を指差す。
「知らないよぉ、こんなの……」
 泣きそうな顔で彼女は俺にすがりついてきた。その尻で、何か毛に覆われた長いものが生えているのが目に入る。
 それは、しっぽ。突然困った顔で、下宿先の俺を尋ねてきた妹に生えていたもの。
「だって、朝起きたら生えてて……誰にも言えなくてここに来たの」
「そうか……で、何か思い当たる事は?」
 何とか落ち着かせようと、努めて冷静な声で問う。
「無いよ。……どうしよう。このままじゃ学校にも行けないし……」
「そうか……」
「ど……どうしよう……。あたし、こんな身体になっちゃって……。一生このままなんて嫌ぁ〜!」
 とうとう泣き出してしまった。俺の胸にすがりつき、泣きじゃくる。
 困った。何とか泣き止ませないと……
「大丈夫だ。きっと何とかなる。俺がついてるさ」
 根拠の無い台詞。それ以外には言い様が無かった。
「だから、大丈夫だ。何とか元に戻る方法を探そう」
 背中をさすりながら、耳元で囁く。
「本当?」
 ……それでも効果はあった様だ。まだぐずぐずいっているが、顔を上げた。
「ああ。だから、涙を拭け」
 ハンカチを渡してやる。
「うん、有り難う」
 僅かだが、笑みが浮かぶ。
 と、同時に尻尾が跳ね上がる。
「落ち着いたか?」
「うん」
 こくりと頷いた。
 見ると、しっぽが喜ぶ犬の様に振られている。当人は意識してない様だが……
「とりあえず、それを見せてくれ」
 俺はそう言うと、しっぽを手に取った。
 犬を思わせるしっぽ。
「ふむ……きちんと中に骨があるんだな」
 そっと撫でてみる。
「ひゃん!?」
 妹が驚いた様に声を上げた。同時にしっぽが跳ね上がり、スカートを捲り上げた。しっぽの付け根までずり下げられた白い下着。
「どうした?」
 露になった下着から無理矢理視線を引き剥がし、問う。
「あまり強く触らないでよ……」
「すまん、痛かったか?」
 それ程強く触った覚えは無いが……
「痛いって訳じゃないけど……」
「?」
 試しにもう一度撫でてみる。
「ああっ!」
 びくん! と一度身体を硬直させると、くたくたと頽れた。
 俺の目の前には、下着に包まれた彼女の尻が露になった。
 股間を覆う布までが、丸見えだ。
 そこは、下が透けるほど濡れていた。
 俺は、ごくりとつばを飲んだ。
 しっぽは感じやすくなっているのか……
 俺は本来の目的を忘れ、彼女のしっぽに手を伸ばしていた……

  

投稿日:2004/10/02(Sat) 11/11改訂版掲載