「学校指定」 - 2 -
novel : しの様   illust : 箕和エリコ


[山本]


いつも通りシャワーを浴びて、リビングに行ったら。
ラグに座り込んだ獄寺の後姿が、いつもと違って、あれ、と思った。
学校指定のジャージを着ていることは分かったのだけれど。
明らかにサイズが合っていない。
裾が床についているし。
獄寺のジャージより着古されている。
・・・獄寺はあまり真面目に体育したりしないから、割とジャージは綺麗なほうで。
「・・・獄寺、何してんの?」
オレが声をかけたら、獄寺はびくりと反応した後、微動だにしなくなった。

・・・それ、オレのジャージ?
足の先から血が昇ってきて、全身が熱くなる。
オレの言葉に答えないで固まる獄寺も。
こっそりオレのジャージを着てる獄寺も。
サイズの合わないジャージを身に着けてる獄寺も。
言葉で表すなら、一言で。

・・・さっき、袖口に顔寄せてたよな?オレの匂い、した?
問いかけたい言葉が、頭をぐるぐる回る。
握った自分の拳に、汗をかいていくのが分かる。
もう、全てがいとおしくて、かわいくて。
かわいいって言うと怒るの知ってるけれど。
「・・・獄寺、かわいい・・・」
そのまま、押し倒した。





「・・・あ・・なん、で・・・」
「ん?」
オレは獄寺の腹部に口付けて。
赤い跡が満遍なくついていくことに満足する。
獄寺の肌は白くて、跡が付きやすい。
すごく筋肉がついているわけじゃないけれど、張りのあるその肌に口付けることが、オレは好きだった。
見えるところに付けると、後でおあずけ食らわされたりするから、これでもオレは気を使ってるつもり。
「・・・そこばっか・・・」
荒い息の中で、獄寺が抗議の声をあげる。
Tシャツを捲り上げて、腹部を晒して。
下半身には何も纏っていない獄寺。
ジャージを脱がせてしまうのが惜しくて、獄寺はその情けない格好と。
未だ直接触れられない快楽の象徴に、焦れているようだ。
「・・・ここも気持ちイイ、よな?」
「・・・・っ・・」
触って欲しいとか、快感を強請る言葉を出せなくて、葛藤する獄寺の顔は真っ赤で。
オレに視線を向けながらも、どこか焦点があってない。
獄寺のそこが、充分兆しているのは分かってるけれど。
オレは、腹部に口付けて、脇腹を掌でそっと撫で上げた。
「あっあっ・・・・やまっ・・・」
獄寺の声音が切羽詰ってきてる。
「うっ・・・あ・・・」
両腕で顔を隠してしまって、堪えてるのが分かる。
もう少しで。
「・・・・なあ、言って」
何を、とは言わない。
獄寺も充分すぎるほど分かってるだろうし。
「う〜・・・っ・・あ・あ・」
その言葉を引き出そうと、獄寺の好む脇腹を集中的に触れる。
びくびくと反応する獄寺の体を楽しんでいたら。
「・・・さわっ・・・て・・・」
微かな獄寺の声を、オレの耳が拾った。
「ん、了解」
獄寺が見てないところでにやりと笑う。
オレのジャージなんか着て。
獄寺が、悪いんだよ、と思いながら。
行為に没頭した。


獄寺の体液の跳ねたオレのジャージ。
洗濯したくないなって言ったら、殴られた。
獄寺の匂いするし、と言ったら獄寺は黙ってしまって。
当分、ジャージを見るたびに思い出しそうって笑いかけたら。
結構マジに殴られた。

end





※この小説は、管理人誕生日と冬コミに受かったお祝いに
しのさんが書いてくださったお話です。
管理人希望により絵付きコラボの形でUPさせていただきました。
しのさんありがとうございましたー!

しの様のサイトはこちら >>> 色詠人(R18)