アカイイト 雑記


なんと、百合系のサウンドノベルでした。

恐怖系ゲームと間違えて買っちゃったんです、実は。でも、これは大当たりだったかも。
絵柄が綺麗でフルボイス仕様。シナリオも面白くてボリュームも結構あるので、かなり楽しめるかと思います。

さて、肝心のストーリーですが。
主人公は贄の血を引く羽藤の娘、桂。女手1つで育ててくれた母の死去をきっかけに、父の故郷へと赴きます。
そこで、ようやく彼女は自分に流れている血の真価を知ることになるのです。

羽藤の血を、人外の者が飲むと凄い力が得られるらしいです。
それゆえに桂の存在に気づいた双子の姉妹幽鬼に狙われるのですが、その魔手から桂を守ろうとする心強い味方も現われます。

仲良くなる味方によってストーリーも分岐していくのが面白い。
笑いあり、涙ありで飽きません。それぞれのキャラには胸に響くような切ない事情もありました。泣いちゃいましたよ私は。

味方でも桂の血を必要とするタイプが多いのですが、美しくも妖しい吸血シーンは 「さすが百合系!」 と思うくらい艶かしい。

が、その血を与える方法もバリエーション豊富で笑える部分も多かったり。
地に零れた血潮を恍惚の表情で舐めたり、鼻血を啜ったりと、マニアックなものもあります。
ていうか鼻血ですよ、鼻血! 勧める方も勧める方だけど飲むほうも飲むほうだよね。

こんな変態チックなことを美女がやってくれちゃうんだから、変な意味でもサービス満点です。

印象に残った登場人物紹介

【羽藤桂】

ぼやーっとした天然ボケタイプの女の子。
落語などのレトロなお笑いが好きらしいです。やっぱり、名前が影響してるんでしょうかね。
( 主に関西で、人間国宝の御老長を筆頭に桂の名を継ぐ落語家さんが数多くいらっしゃるのです。私も好きです )
お料理は苦手だけど、お掃除は主婦にも負けないと自信満々なところが可愛いですね。
その天然ボケ具合と素直さで、数々の女たちを虜にしていくスゴイ娘です。

【陽子】
桂を溺愛している親友で明朗快活な女の子。サバサバした気性と会話のテンポ良さが気に入っています。できるなら彼女との恋愛も楽しみたかったなーと思うと残念でたまりません。

【若杉葛】
幼くても賢くて有能。人の本心を見透かす能力に長けています。というか長けていないと生き延びられないような過酷な環境で育ってきた女の子。
嫌気が差して家を飛び出し、白狐の尾花ちゃんと暮らしていました。ところで尾花ちゃんも何か重要な存在だったような気がするのですが、桂に対してはクールだったのが気がかりです。
最期には葛と尾花は融合してパワーアップしたのが印象的でした。
私も触ってみたいですよ、葛ちゃんの耳とかしっぽ。

【千羽烏月】
鬼に対して激しい憎しみを燃やしている鬼斬りの少女。
漆黒の長髪と、涼やかな切れ長の双眸が凛とした雰囲気を醸し出しています。
彼女とのエンディングでは、桂を救う為に桂を斬るというものが衝撃的でした。

【浅間サクヤ】
観月の民として産まれたけれど、月に影響されない特殊な存在。年を取る速度が遅く驚異的な生命力を誇っています。
それだけに孤独な彼女は、なんだか幼い子どものような一面もあって可愛らしいです。
彼女と桂が異質な存在に生まれ変わるエンディングが、すごく印象的で好きです。

【ユメイ】
美人さん。たおやかで儚いけれど芯が強く、姉のように頼りがいがあります。
でも最高の見所は吸血シーンだと思います。
ユメイさんの攻略、すっごく迷いました(T.T) 彼女の愛を得るためには、最初の夢のときに「頷く」を選択しないといけないのね?
気づかなくて試行錯誤した思い出があります。引っかけでしょうか。


【白花】
実は最初、恋愛対象にできるかと思い込んでいたので必死に頑張っていた記憶があります、が。残念ながら対象外でした〜。むぅ。
まぁ、しょうがないか。こういう間柄だったのだから。
白花ちゃんは健気です。自己犠牲精神が旺盛で優しくて包容力があります。
ハッキリ言って、自分が苦しみまくっている総ての原因は桂にあるというのに、恨み言は口にしない。
事情を知っているはずの人々が、白花ちゃんより桂にばかり甘くても、それを僻んだりもしない。それどころか微笑んでくれちゃう。
白花ちゃんの意思で罪を犯したわけじゃないのに、憎まれ命を狙われたまま終わっちゃったりと、最初から最期まで不幸だったから可哀想でした。
でも白花ちゃんがユメイさんの身代わりになるエンディングでは変なところで萌えました。白花ちゃん×主様もいいかもなぁ、とか。

【ノゾミ】
個人的には妹のミカゲちゃんのほうが絵柄的に可憐だと思う。・・・好みだったのですが、あの真相には驚きました。
姉であるノゾミちゃんが、どんなふうに主様を慕っていたかとか、それを奪われた苦しみを癒すために何をしたのかというストーリーも切なかった。
なんというか気持ちは判らないでもないのですが、サクヤさんが過去に味わった悲劇の元凶だったのかと思うと微妙な心境です。
多分、桂と心を通じ合わせて1番幸福な結末を迎えたのはノゾミちゃんだと思います。

( 2006年 9月12日 )

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