アナザー・マインド　雑記

スクウェアというとRPGが有名ですが、このソフトは実写タイプのノベル系アドベンチャーです。

なかなか丁寧に作られていてキャスティングも魅力的でした。あんまりヒットしなかったことが不思議なくらいに。

なぜだろう。面白いんだけどなぁ、このソフト。

さて、内容は、と言うと。

交通事故から目覚めた少女、葉山瞳は自分の中に知らない男の意識があることに気がつく。
これ、笑えるけど冷静に考えたら怖いよね(^^;)　でもね。その『知らない男』がプレーヤーなのです。

で、対話モードというものがあって、単語を組み合わせることで少女に話しかけることが可能になるという、斬新なシステムを採用しているのですが、スキップ機能がないというのがツライところかな。
実写でムービーありなので、ちょっと動作が重いところはあるけれど映画みたいでドキドキ感が盛り上がります。

瞳は真野を心の宿してからは予知を感じるという不思議な能力も手に入れます。
こんな非常事態だというのに、意外とすぐ立ち直って真野の本体を探すことに決めちゃうのが、凄いと思う。

温泉のシーンでは瞳や真理子を素肌が見たくて煩悩を滾らせている主人公への対応が笑えました。
「瞳を見ろ〜っ！」　→　「やかましい！　いい加減にしなさい！！」　いつも温厚な瞳らしくない厳しさです(笑)

一番、お気に入りのシナリオは第六章のメリーゴーランド以降です。

真野の精神に突然、語りかけてきた謎の少女、鈴のストーリーは後半、かなり涙目になりました。
いい娘なのですよ鈴は。私は好きです。

事故で意識不明になった鈴は、双子の姉妹である玲の意識とシンクロします。
そして内気な玲のために、その想い人に接近。いつしか淡い恋情をもつようになってしまいました。

玲と想い人は鈴のおかげで、めでたく恋人同士になることができたのですが・・・
しかし、鈴より玲を選ぶとは見る目の無い男だなぁ。
おしとやかで優しそうに見えても玲の本質は、自分本位な怖い女だと思うんだけどな。

命の恩人に協力するより過去を忘れたいという気持ちを優先する「自分に素直」なところとか。
鈴のおかげで成就した恋なのに感謝してなさそう、とか。
でも姉妹愛はあるみたいで、それを守るためには他人を騙すことも厭わない。
もし嘘がバレても「自分も被害者」ってなスタンスを崩さない。
そしてそれらは悪意もなく計算してやってるわけでもないというところが一番怖い。

でも、まぁ。天然の「したたかさ」は、生きて行く上では重要なことなのかもしれません。

印象に残った登場人物紹介

【葉山瞳】
真野俊平の精神を宿してしまったせいで様々な事件に巻き込まれるけれど、正義感が強く行動力もあって順応力も高い。
ちょっと天然ボケなところもあるけれど、キュートな女の子だと思います。
船酔いしている瞳を気遣ったら「ふにゃあ」とか言ってるところが可愛くて心萌えました。
飲み物は抹茶ソーダが好きらしい。というか、そんなものが普通に映画館に売られているってこと自体が驚きなんだけど、もしかして私が知らないだけでメジャーな飲料なのでしょうか。どんな味がするんだろう？

【明円輝夫】
お調子者な所もあるければ野性的で頼れる、探究心が旺盛な記者。
でもデリカシーはない(笑)　それが直情的な真理子の怒りを煽って掛け合い漫才みたいな口論をしてくれるところが楽しいです。
旅館の女将から怖い話を聞かされた真理子に意味もなく叩かれたてたのは笑えたさすがに気の毒だったかな。

【高木真理子】
瞳の親友。ちゃっかりしていて明るい少女。考えるより先に言葉が出てしまうタイプのようで、損な性格をしていると思う。
無類の怖がりという弱点がチャームポイントかな？

【亜月レイカ】
霊能者だそうです。私は一目でインチキ霊能者だと確信しました。が、どうやら本物でした。驚愕の事実！！
だって彼女、真っ赤なコートというかマントを身に羽織ってるんですよ？
マントですよ、マント。安っぽい怪奇映画の吸血鬼がひらめかせているようなマント。しかも赤。そんな異質な格好をしたまま、平気で街中を歩いてしまうような人なんですよ〜っ。
そしてマイペース。いつでもどこでもマイペース。通りすがりの他人を捕まえて謎の予言をやらかしちゃうようなお人柄です。
・・・見てるだけなら面白そうな人かもしれない。

【向井夏子】
カウンセラー。まず他人のカウンセリングをするよりも先に、自分の父親のカウンセリングをすることを強く推奨したいです！
意味もなく奇声を発しながら芸術に身を委ねる書道家の父は、どこから見ても立派な奇人変人ですからね。
あの父から、この娘が生まれたとは奇跡としか思えない(笑)

【渡瀬鈴】
真野と同じように意識だけの形になることの出来る能力者。
彼女は儚く切ない人生を生きています(T.T)
明るくて悪戯っぽくてキュートで、ちょっぴり気まぐれで素直じゃない女の子。
姉妹愛と恋愛の間で揺れ揺れて・・・結局、どちらも捨てきれずに自分が傷ついちゃう。
いじらしくて愛しくなっちゃう。純粋な子どもみたいで、抱しめてあげたくなるタイプです。

なので、初回プレイは、ものすご〜く焦りました。なんとかして助ける道はないのかと焦燥しながらロードしまくった記憶があります。
どんなに頑張っても無理だったんだけどね。
でも、２週目以降なら彼女ともハッピーエンディングを迎えられると知ったときは真剣に嬉しかったです！

ぷち攻略メモ
★最終章で瞳の質問に答える場面では、総て正解を選ぶべし。
約束の話を持ち出されたときだけ、何でもいいから「買う」を選択すればハッピーエンドにいけます。

★鈴を救うことができるのは二週目以降のみです。
好感度が高ければ、鈴とのエンディングも可能になります。

★猫をどう思うかの選択肢が出たときに選んだ内容を憶えておくこと。
二周目以降の最終章で、猫について聞かれたときに逆の答えを言っておくと、ちょぴっと可愛いエンディングに。
※鈴エンディングを目指しているときでも、この選択をするとこちらのエンディングになります。

( 2006年　7月27日 )

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