映画 後半 感想 2006年 11月3日

飾り


期待以上の内容だったと思います。
館内も混雑していて、なかなかの盛況だったので順調なスタートですね。

ライトは首尾よく捜査本部に迎え入れられ、ミサもノートを手に入れてレムと会えました。
神に逢いたい一心で第二のキラとなったミサの裁きと放送で ・・・どうでもいいけど、あの稚拙なキラロゴは酷かったね。いや、ピカピカ仕様よりは良かった気もしますが・・・ 見事にライトを現場まで導くことに成功し、誰がキラなのか把握したミサ。

短い収録時間の中で、どうやって凝縮するつもりなのかドキドキだったので、この辺りの辻褄の合わせ方がスマートで巧いと思いました。

今回の爆笑シーンは、やっぱり大学でのライトと竜崎でしょうか。
出現の基本は背後から(笑)ちょこんっと、小鳥座りでライトの後席に乗っかってた竜崎は激らぶりぃでした!

そして、Lともあろう者が素顔を晒すことについて言及したライトへの返答として、用意していたひょっとこのお面をかぶって歩く竜崎の姿には、思わず吹き出しそうになりました。

ステキすぎるよ、あんた(^・^)v
これ、テレビだったら絶対大笑いしちゃってたと思う。周囲に迷惑をかけないよう、声を出さず堪えるのが大変でした。

ていうかライトも優しいね。私だったら、ひょっとこ面の隣は歩きたくないです(^^;)

ライトに会いに訪れたミサが、ひょっとこ竜崎を見ても動じないところにも感心しました。
よく普通に対応できるね。でもそれくらいで動じてたらアイドル稼業は勤まらないのかもしれない。

ミサミサを発見したミーハーファンたちが群がってきて、突き飛ばされながらヘロヘロになっていく竜崎が最高。
ヘロヘロなのに、きっちりミサの携帯をスリ盗る竜崎も最高。ビバ、竜崎!

でも、もっと最高だったのは、別れたあとですぐに意気揚揚とミサに電話をかけたライトに、いつもの鷹揚のない声音で律儀に返事をした竜崎への反応。あのライトが見せた、やるせない表情でしょう。
総てを物語っている表情です(笑) 呆れと疲れと諦めが、ほどよくミックスされてます。

さて、お笑いイベントのあとではシリアスに突入。ミサは第二キラと断定されて監禁されることになってしまいました。

・・・目隠しは、ちゃんと仮面になってますね。亀甲縛りに似たアレな拘束体勢も苦しそうです。
レムに向かって殺してくれと絶叫する姿も原作に忠実で、いい感じ。

5日遅れて自ら監禁を願い出てきたライトの拘束が、ミサの拘束より楽そうなところも忠実で、ここはちょっとミサに同情。

ノートの所有権を破棄したライトの顔は。うーん、やっぱり漫画のように劇的な表情変化は訪れませんでしたが、( いや、訪れたらコワイと思うけど ) 痛ましさを増します。

破棄することで精神が復活したミサと、破棄することで憔悴するライト。同じ行動でも、えらい違いです。

原作では火口がやっていた行動を、高田にやらせるっていう着眼点も良かったと思います。
ミサと高田の『女の戦い』が見られなかったことや、竜崎とライトの『24時間の手錠生活』が却下されちゃってたところは残念です。ええ、本当に本当に残念ですっ。

なにはともあれ、計画通りに高田を追い詰め、ノートに触れることで復活したキラ。
ミサもライトの指示通りに地中のノートを発掘して復活。
リュークへの林檎を忘れないライトの気遣いと、無邪気に喜ぶリュー君が微笑ましくて好きです。

第二キラだった頃に観た竜崎の名前を忘れてしまっていたミサには別の意味で驚く。

ひょっとこですよ、ひょっとこ! あんな強烈なインパクトのある出会い方をしたというのに、忘れちゃってるなんて!!
本当にミサって大物ですね(^^;)

さて。気になるクライマックスは・・・・・うん、確かに。 『誰も知らない結末』 でしたね。
とりあえずライトだけ死んでしまうようなラストじゃなくて良かったと安堵しました。

死刑囚でノートの効能を調べるためという名目で海外に旅立つ捜査本部のメンバー。日本に残ったのは、竜崎とライトのふたりきり。

ライトは、ミサを窮地に追い込むことでレムの危機感を煽り、レムは悔しそうにしながらもライトの思惑通りにワタリの名前をノートに書いてしまいました。
ここまでは、原作とほぼ同じですね。

違うのは、レムが自分のノートもライトに渡さず消滅したってことと、ライトに対して短い時間しか生きられないようなことを示唆した末期のセリフでしょうか。

ということは、死に逝くレムはライトの結末を、ある程度は予測できてたってことかな。
仮にも神だから、その可能性は充分かもしれない。

ライトの寿命が残り僅かしかなかったなら、リューくんが綺麗な幕引きとしてライトの名前をノートに書いたことも・・・
納得できませんが、無理やり納得するよう努力はしたいと思います。

レムが別室に移動してワタリが倒れ、次いで倒れた竜崎に勝利を確信したライトは、最後の仕上げとしてデスノートに自分の父親の名を記入しました。
しかし、父は倒れない。それどころか旅立ったはずの捜査メンバーが現れて、ライトに銃を突きつけました。

ライトのノートは偽物にすりかえられていた!
そして・・・レムに名前を書かれて死んだはずの竜崎までもが登場。

総ては、ライトをキラだと明らかにさせるための罠だったのです。

なんと竜崎は、先に自分の死を自分で書き込んでおくことで、即死を避けたのです!
どんな手段なんですか、それ。心中? キラと心中する覚悟だったってこと?

意地にかけても負けられないというプライドと、自分の判断は間違っていないという揺るがない自信が、竜崎をそこまで駆り立てたのでしょうか。

すみませんが萌えました。

ライトにとって竜崎が特別であったように、竜崎にとってもライトが、自分の命をかけてでも捕らえたいほど特別だったことが嬉しい。

ライトは自分の正義を信じ、訴え、なんとか打破しようと時計に隠していたの紙片を使おうとしましたが、射撃自信があると豪語していた松田さんの銃撃によって阻まれました。

死ぬわけには行かないと最後の瞬間までもがいた、その姿さえ痛々しくも胸を打ちます。

パパの腕に抱かれて、自分がやったことは正義だと認めてほしいと執着した姿が、いじましくて可哀想で苦しい。
ちょっと涙でたよ(T.T)

ライトは、最後まで自分の正義を貫いて逝った。そして、竜崎も・・・。
でも、自分で決めたこととはいえ、少しずつ死の時間が迫ってきているのを感じる日々っていうのは恐ろしいですよね。

並大抵ではない精神力を誇る竜崎だからこそ、最後のときまで穏やかで冷徹なままでいられたのかもしれません。

映画には出てこないけれど、メロが愛したチョコを齧りながら。ニアが愛した玩具関連としてチェスを嗜みながら。小鳥座りのまま。竜崎は、静かに・・・
そのすぐ傍にワタリさんの写真があるっていう演出は泣けたですよ。

だけど、まさに『二人の選ばれし者の壮絶な戦い』でした。納得のいく終焉です。

賛否両論だろうとは思いますが私は個人的に、この結末で本当に良かったと感謝しています。

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