お ぱ ん

2008年07月26日(土)

ポニョ [日記]

見てきたー!うおーポニョー!
すごい好き。少なくともあと2回は観にいく。

以下ネタバレあり感想
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感想は、見てきたばかりでまとまらないので箇条書きで。


とくに最初の10分がめちゃくちゃよくて、それぞれ動いて開いてもぞもぞしてるたくさんの生き物の表現はゾワゾワきた。

頭がおかしくなりそうな悪夢と快感の狭間だった。気持ち悪いんだけど気持ちいい。出てくるものも原始だけど、快感の描き方も原始だと思った。
よくこんな感覚が表現できるなあ、とびっくりした。

*1『ハウルの城』でやりはじめててやりきれてなかったことをやってたかんじがした。

ポニョは魚の姿の時の方がかわいくて、人間の姿の時はあんまりかわいくなかった。

あえて欠点をあげるとすれば、人間の姿になった時のポニョがくどいかんじだったことかなー。もう少しアッサリした姿(ジムシーくらい)がよかったなー。

フジモトと人魚の母はエロい。子作りの方法にすごく気が入ってしまった。でもそういうちょっと気持ち悪い想像させられるとこも含めていい。

動きに重点を置いて、気持ちよく駆け巡って、すごくアニメらしいアニメだった。アニメがすごく好きな人が作ったアニメだなあと思った。

ファンタジーをそのまま受け入れた話の作り方だと思った。
言葉による説明を廃してるのに、映像でわかるようになってて、説明的でない説明が上手いなと思った。説明的でない分テンポよく見れたし。


普段見ている映画が小説ならば、ポニョは絵本だと思う。


食いたい物を食う、という健康が描かれている。


一点違和感をかんじたけど、こうかな、と思った事。
養老院におばあさんしかいなかったのが不思議だなーと思ったけど、海の近くの表現なのかも、と思った。女の方が生き残る確立が高いという意味で。
夫は海に出て、難破して結構死んじゃうとか。
男子を産んでて、男子も海に出て死んじゃうとか。
老人の男が群がってるのを想像したくなかったのかもしれないけど。
まあ、おばあさんしかいないって言っても、4人しかいないけどね。これが10人の老人で全部老女だったら不自然すぎるけど。


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マイナス感想読んでて思ったこと。

「海が舞台の割にはスケール感がなく、高揚感も今ひとつ」

■スケール1

あたし思うんだけど、ポニョのスケールってモーションアニメなんじゃないだろうか。絵で描いてるけど、川本喜八郎の人形アニメのような、ヤン・シュバンクマイエルのような、ブラザーズ・クエイのような。

あの粘土を捏ねるような海。直線を廃したような柔かそうな家。色鉛筆で描いたような丘の草は、草とは違う絵の温度が伝わってくる。それは物語の為にクールに描かれたものじゃないから、人によっては違和感があるかもしれない。少し、ジブリの描く人物とは乖離してるかもしれない。でもあたしはギリギリ融合してると思った。で、畑の違う描き方を融合させててすげえ!と思った。


■スケール2

子供の視点てすごく近視眼的で、目に映るものが世界(バケツの中、母、金魚、近くの海)だと思う。少なくともあたしは子供の頃そうだった。ハウルではじめてたことって登場人物の視点に乗り移ることだと思う。
*2 ハウルを見たとき驚いたのは、非常に女性の視点(立場という意味ではなくて、興味を持って見てしまう方向という意味)で描かれてて、宮崎駿は女の向く方向がわかっててすげえ!ということだった。
ポニョは空をつきぬけるような世界ではなく、目に映る視界の世界だと思う。そしてそれがよく表現されている!と感じた。


*1…ハウルでは女性の視点だったけれど、女性の内面は描けてないような気がした。ソフィーの恋する瞬間は描かれてたけど、恋する過程が描かれてないかんじ。
ポニョでは視点とともに世界全体を内面世界に持って行ってるような気がした。なんでそういう表現になりえたかというと、自己と社会の境界ができてない子供だからじゃないかなーと思う。
結局過程は描かれてないんだけど、違うアプローチで内面が描かれてたような気がした。

*2…印象ですが『千と千尋の神隠し』の時は主人公の背中にくっついてるくらいの視点→『ハウルの動く城』では主人公自身の視点→『崖の上のポニョ』では主人公の視界と内面世界を融合させた視点。
と、どんどん主人公そのものに近づいていった気がする。



あーそれにしても面白かった!傑作!

Posted by こさ ささこ

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