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カノンちゃんはマイメロちゃんのお世話係です。 なのでお風呂のお世話なども致す訳です。 マイメロちゃんは女神だけれど、ぬいぐるみで、しかも小さいので、女神神殿の大きなお風呂に入るのはとても大変。しかも気をつけないと、中にたっぷり詰まった純白の綿が、めいっぱいお湯を吸って重たくなってしまうのです。 なのでカノンちゃんは、お側でマイメロちゃんがおぼれないように気をつけてみていたり、お背中をお流ししたりなど、することがあるのでした。 カノンちゃんがマイメロちゃんと一緒にお湯に使っているのも、お風呂で泳ぎたいとおっしゃるマイメロちゃんのお体をお支えするためであり、一人じゃつまらないから一緒に入りましょ。と、可愛い笑顔でお誘いくださったからなのです。 最初こそカノンちゃんもためらいましたが、マイメロちゃんがにっこり笑って、おふろきもちいいわね、とおっしゃると、まだ体も洗う前から、心までぴかぴかに洗い流されたような気までするほどです。 それにカノンちゃんは、マイメロちゃんの汚れない瞳に自分のいかがわしいものをお見せしてはならないと、きちんと湯浴み着を着ての入浴です。 清らかなる処女であるマイメロ女神様のお側仕えをできることを、カノンちゃんは日々感謝し、崇高な気持ちで毎日お仕えしています。 もちろんマイメロちゃんだって、その清らかな心でカノンちゃんを信頼し、一生懸命なカノンちゃんの気持ちを違わずに受け取ってくれています。 ですから、たとえ若い男女が一緒に入浴をしようと、マイメロちゃんにもカノンちゃんにもやましい心など何一つありません。 カノンちゃんを大好きな双子の兄サガちゃんが心配するようなことなど何一つないのです。 そもそもぬいぐるみ相手に何をどうしろというんだという問題は横に置いておきます。 しかしサガちゃんはじたばたと、カノンちゃんの前で駄々をこね続けていました。 「ずるいー、私もカノンと一緒にお風呂はいりたいー。広いお風呂ずるいー。」 「おいこらちょっと待て。」 カノンちゃんは間髪入れずに光速で突っ込みました。 「問題はそこか!? 貴様はただ、広い風呂に入りたいだけか!?」 「カノンと一緒にお風呂に入って、お背中流してほしいんだもんーっ!」 「あ、あれは、マイメロちゃん相手だからお洗いしてるんであって、サガの背中など洗いはせんわーっ!」 「だったらサガが、カノンの胸とかおなかとかかわいいところとか洗ってあげるから!」 「可愛くねえ! つーか、おんなじなんだからてめえの洗ってろ!」 「カノンのがいいのーっ!」 そのうちに何がなんだか判らなくなってきていますが、あんまり双子が大騒ぎをしているものですから、いつの間にかマイメロちゃんがいらしていたようです。 ヒートアップしすぎた双子は、女神の御光臨に気づかないほどでした。 「じゃあ、サガも一緒にお風呂入りましょ。カノンさんがサガを洗って、サガがマイメロを洗ってくれるのでもいいのよ。」 「だめですマイメロちゃん! マイメロちゃんのお背中をお流しするのはこのカノン最高の栄誉、その役目をたとえ双子の兄へとなれど、決して譲りたくはありません!」 「じゃあ、マイメロとサガが並んで座るから、カノンさんは両方洗って。で、その後で、マイメロとサガでカノンさんを洗ってあげるわ。それでいいでしょ?」 「よくありません!」 「さすがは女神、すばらしい解決策です!」 マイメロちゃんのお言葉に、カノンちゃんとサガちゃんが同時に叫びました。 「おやカノン、女神のお言葉に異を唱えるのかい?」 「だ、だって、マイメロちゃん…っ。」 「みんなでお風呂、たのしいよおー。」 にっこり。と、それはそれはもう可愛い愛らしい最高の笑顔のマイメロちゃん。 カノンちゃんは真っ赤になって胸をどきどきさせてしまい、それ以上女神のお言葉に反論することができませんでた。 そしてサガちゃんは、どきどき悶えているかわいらしいカノンちゃんに、力強く萌えていました。
女神のお風呂にやってきたサガちゃんは、当然のごとく力強くすっぽんぽんでした。 「入浴に着衣など邪道!」 力強く叫ぶサガちゃんは、大変に雄々しく男前です。 「サガかっこいー。」 マイメロちゃんはぽふぽふと、綿の詰まったおててをたたきました。 「ふざけんなサガ、マイメロちゃんに見苦しいものをお見せするなあああ!」 力いっぱい仁王立ち、前を隠すということなど知る筈もないサガちゃんの姿に、カノンちゃんは絶叫せずにはいられません。 「何を云う、カノン。全くおまえと同じである私の美貌も肉体も、この世で最高のレベルのものだ。カノンと同じという祝福を受けたこの体、むしろ女神にはじっくり御覧いただきたいほどだ。」 「そ、そりゃ俺だって、サガとどこもかしこもおんなじなのは、すごく嬉しいけど…っ。」 「ならば何を恥じらうことがあるというのだ、我が愛しの双子の弟、カノンよ。」 サガちゃんがあまりにも真剣な顔をして、滔々と語るものですから、うっかりカノンはいつものごとく騙されそうになります。 「マイメロ、全然気にしないよー。」 空気を読まないマイメロちゃんは、それより早くお風呂に入りたかったので、そうカノンちゃんに云いました。 「それに、おふろはやっぱり、裸で入った方が気持ちがいいわ。」 ねv と、にっこり。 そんな愛らしいマイメロちゃんの笑顔に、カノンちゃんは言葉を失うしかありません。 「だから、早くおふろ入ろ。サガ、カノンさん。」 「もちろんですとも女神。さあカノンも早く。」 「ぎゃああああ、サガ、脱がすなあああっ。」 びりびりびりびりびり。 サガちゃんの手によって、カノンちゃんの湯あみ着は、見るも無残に破かれました。 そして、うきうきとお風呂に入って行ってしまうマイメロちゃんとサガちゃんの後を、カノンちゃんは半泣きで追ってお湯に浸かったのであります。
更にその後、マイメロちゃんとサガちゃんとカノンちゃんの仲良しお風呂タイムのことを知った他の黄金聖闘士達も、一緒に入浴をしたがるようになりました。 けれどもサガちゃんは大反対。 「私の愛しいカノンの裸を、私以外の男に見せるなど言語道断でございます、女神よ! どうしてもカノンと共に入浴をしたい者がいるのならば、私が代わりに脱ぎましょう!」 「そう云いながらさっさと脱ぐなこの裸族!」 いつでも豪快に衣服を脱ぎ捨てる、元々のーぱんなサガちゃんの頭を、カノンちゃんはすぱこーんといい音を立てて殴りました。 マイメロちゃんはきゃっきゃと笑っておられます。 その後、なし崩しに他の黄金聖闘士達も女神神殿のお風呂に現れるようになりました。 けれどもマイメロちゃんのお風呂係を譲る気はカノンちゃんにはこれっぽっちもありませんでしたので、マイメロちゃんのお隣には、いつでもカノンちゃんの姿があるのでした。 そして、お風呂には、いつでもサガちゃんの姿がありました。 女神神殿のお風呂は、とっても広くて気持ちがいいのです。
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2010/12/14 |
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