|
ゾロに頭を撫でられながら、甘えて泣く。 今までにない深い快感と、前にふれられずに達してしまった覚束無さに、何故か泣いてしまったのだが、ゾロが優しくあやしてくれるから、気持ち良くなって目一杯甘えてしまった。 「ゾロ、キス……。」 はっきりした声にはならなかったが、ゾロはちゃんと聞きとって、ウソップにキスしてくれる。 ウソップの唇を含むようにして舐め、呼吸が苦しくないかと気にするように離れるが、もっとと追いかけると、深く重なり貪られた。 余韻が強く残る体は、肌を撫でる大きな手にまた高ぶり始める。 少し酔いは覚めてきたが、快感に力が抜け切り、ぐんにゃりとする体をゾロがしっかり抱き締めてくれた。 そうなると気が付くのは、ウソップの中で強く脈打つ、まだ果てていないゾロのものだ。 一度意識すると、熱くて硬いそれが刻む鼓動を秘肉は鋭敏に感じ取り、冷めないままの快楽の余韻を煽り出す。 「ゾロ、もっと……。」 羞恥心が完全に消えている訳ではないが、ウソップの中で激しくゾロのものが脈打っていて、このままでは可哀相だと思った。 それに、ウソップももっと感じたかったから、ゾロに先をねだる。 散々に解されて焦れ切った秘奥を、ゆっくり貫くゾロのものに信じられないほど感じて、それだけで達してしまった。気持ち良かったけれど、物足りないという気持ちも残っていた。 「…んっ、は…ぁ……。」 ゾロは嬉しそうに笑うと、ウソップの体を揺すり、腰を揺らして突き上げてきた。 そっと持ち上げられて、落とされる。 秘肉がゾロの熱塊に擦られ、背筋を駆け昇るぞくぞくが、全身に伝わっていく。 ウソップの中はすっかり敏感になっていて、ゾロのものが引き抜かれるたびに切ないようなしびれを生み、付き込まれるたびに甘く沁み渡った。 懸命にゾロの首にしがみつき、ウソップは込み上げる快感に止まらない声を洩らした。 ゾロの手が、ウソップのものに伸びてくる。 「やああんっ。」 ぎゅっと握られて、ウソップは思い切り大きな声を上げてしまった。 快感を覚えた奥所をゾロのものに擦りあげられるのも気持ちいい、けれど、前のものを刺激されるのは、馴染みの深い直接的な快感が駆け抜ける。 ウソップが先刻放ったものか、それとも秘奥に塗り込められたものと同じか、とにかく何かで濡れたゾロの手は、早い動きでウソップのものを扱き上げ、急速な快感を呼び寄せた。 「あ、やだ、うそ、……またいく、ゾロ、やあ……。」 達してまだ程ないのに、全身が快楽に包まれ、肌も、ゾロを飲み込んだ粘膜も、狂おしく震えだす。 「いけよ、……っていうか、早くいってくれ。」 ゾロはウソップを揺すりあげながら、うめくように呟いて、唇を押し付けてきた。 ぐいと擦りつけ、離して、はあっと荒い息を吐く。その息が肌をくすぐるのにさえ、ウソップは感じてしまうのに。 「おれも、もたねえよ。ウソップと一緒にいきてえんだ。……なあ、頼む。」 「ゾロ…っ。」 甘えと切なさの入り混じったような声で、ゾロは低くささやいた。 ゾロがどれだけ必死に耐えているかは、ウソップの中にあるものの鼓動の激しさで判る。 腰を強く引き寄せられ、ゾロの体を挟んで開いた、脚の付け根が痛いほど震えた。 快感に耐えようとしても、そのための力が体にうまく入らない。 うずく秘肉をゾロのもので一杯に擦り上げられ、新たな蜜に塗れたウソップの先端を、指でぐりぐりと揉み込まれる。 「や、あああっ、ゾロ、いく…っ、ん、ああっ。」 全身に張り詰めたように行き渡る快楽を、そこに集中させるように自身を扱かれる。 痛いほどに熱が集まり、泣き叫ぶウソップを、ゾロの熱い腕が抱きしめた。 「ウソップ…っ。」 ゾロのものが体内で強く脈打ち、更に大きさを増して、ウソップを中から押し広げる。 「あ、ゾロっ、……ああああぁっ。」 がくがくと震えるウソップの奥深くに、迸るゾロの熱流を感じる。 ゾロの絶頂に押し上げられ、ウソップは全身を震わせながら、また達していた。
「……抜くか?」 少し落ち着いたウソップの耳許に、穏やかさを取り戻したゾロの声が低くささやいた。 ウソップが小さくうなずくと、腋に手が添えられ、ゆっくりと持ち上げられる。 「んっ……。」 質量を減らしたゾロのものが抜け出る感触と、それに続いて伝う濡れた感触に、ウソップはぶるりと震えた。 ゾロの膝の上に抱き直され、優しいキスがふれた。 「どうする、もう寝るか。」 そんなことをささやかれ、ウソップはびっくりする。いつもなら続けて二回目に突入している筈で、いやその前に、抜くかと聞いてくれたこと自体が珍しいか。 黙っていられずにそれを聞いてしまうと、ゾロは困ったように頭をかいた。 「今日はウソップ優先って決めてたんだよ。……正直、足んねえけどな、それはまた明日するからいい。」 「おい。」 結局明日回しならば疲労が翌日に延期されるだけのことで、ウソップは思わず速攻で突っ込む。 べしべしとゾロの胸を叩く手を握られ、指先に口づけられた。 「誕生日くらいはな。お前のいいようにしてやりたいし。」 「いやお願いですから、普段から大事にしてください……。」 ウソップはがっくりと肩を落としてしまったが、しかしゾロは真剣だ。 「ウソップ抱いてると自制できなくなるんだ。惚れてんだから、仕方ねえだろ。てめえが可愛くて、やらしい面するから悪い。」 「何だよそれー。」 怒ればいいのか照れればいいのか、ウソップは反応に困って、ゾロの肩に突っ伏した。 ウソップの背中を、ゾロがぽんぽんとたたく。 「好きだ、ウソップ。誕生日、おめでとう。」 「……おう。」 何だか無性に口惜しいような気もするが、ウソップは耳まで赤くなってしまった。 最中に云われるのも色々とくるが、こうして穏やかに云われると、嬉しいやら恥ずかしいやらで息が詰まる。 「あー、何だ、ゾロくん、もう一回だけならしてもいいぞ。」 ウソップは照れ隠しに威張ったような口調で云った。 「いいのか。」 ぱっと嬉しそうに笑ったゾロは、ウソップを肩から引きはがし、顔をのぞき込んでくる。 惚れられてるなあと、そんな気持ちがストレートに胸に落ちて、ウソップもつられて笑ってしまいながら、ゾロの頬にキスをした。 「今度はゾロが上になってな。んで、おれ様優先で、ゆっくり良くしてくれること。できるか?」 「できる。」 ゾロはにやりと笑うと、ウソップをふわりと持ち上げ、毛布の上に横たえた。 覆い被さってくるゾロの重みを、心地よく抱きしめる。 ぐしゃぐしゃとウソップの髪をかき交ぜながら、ゾロは深く唇を重ね、じっくりと口内を舐め回してきた。 口づけながらゾロの手はウソップの肌を撫で、すぐに2回目に突入する気ではないらしいあたりに、更なる喜びを感じる。 いつもはゾロの激しさに流され、熱に浮かされて、すぐに訳が判らなくなってしまうから。たまにはこんなふうにゆっくりと、扱われるのはいいなあと思った。 ゾロからの愛情を、ゆっくり実感しつつ確かめられるから、とても嬉しい。 「大好き、ゾロ。」 「……おう、おれも好きだ。」 照れつつも、しっかり答えてくれるゾロに、ウソップは笑う。 とても幸せな、誕生日の夜だった。
|
2009/04/19 |
|