Letter From 

   LosAngeles

訴えられる前に殺せ!


 裁判の国アメリカ。良いのか悪いのかは別として、しょっちゅう裁判が行われている。まぁ、俺も2度ほど行ったことがあるからね。
なにかあるとすぐ裁判に持ってかれるんだ。

ロイヤーズ・ウイークリーという弁護士向け雑誌がある。
 日本でも報道されてるから知ってる人も多いだろうけど、昨年の米国の裁判所で評決が出された民事訴訟のうち、個人への支払いを命じた賠償額の上位10件を合計すると約九十億ドル(約9000億円)に達したらしい。それだけ訴訟が多いってことだよね。

でもね、「おいおい!それはどうだろ?」っていうような訴訟が多いんだな。

 記憶に新しいところでは、マクドナルドのコーヒーが熱くて火傷した「70歳のばばー」がマクドナルドを訴えて2億9000万円もの大金をいただいたらしい。後に減額したらしいけどね。
 死に損ないの婆ばーの舌なんかにそんな額支払ってどうすんだろうね?
 訴訟を長引かせて死ぬの待ってた方がよかったんじゃない?
 でも、その婆ばーは結局「みっともない」と言われて子供に見放されたらしい。
 挙げ句の果てに財テクに走ろうとして騙され3億円近い借金抱えたっていうから笑いが止まらない。自殺でもしてくれたら映画化してやるのに。

 ミシガン州に住むある馬鹿な子供は、バットマンのコスチュームを買ってもらったのでさっそく着込んで窓から飛び下りた。あのマントがあれば飛べると思ったらしい。
 で、親が「注意書きしてなかった」とワーナーブラザースを訴えたってわけ。

 おいおい!マントで空が飛べるほど今のテクノロジーは凄いんかい?
 まぁ、この親にしてこの子ありといったところか・・・
 で、訴訟に勝ったっていうんだからすごいよねー。

 テキサスの80歳になる姉妹は身寄りもなく可愛いネコを自分の子のように飼っていた。ある日いつものように風呂に入れたのだが、乾かすのがめんどうで新しく買った電子レンジにネコを突っ込んだ。
 ハイ!ネコの丸焼きの出来上がり♪
 あまりに悲しくて「ネコを入れるなとは誰も言ってない」とメーカーを訴えて勝訴した。俺なら動物虐待で婆ばーを訴えるけどね。

 サウスキャロライナのおっさんは、新しく買った柱時計をみているうちに気分が悪くなり病院へいったそうな。で、時計メーカーを訴えた「あんなもん作るな!」ってねデジタルにしたら?それよりもそんなに時計を見つめるなよ!暇人!
 これはさすがに負けたらしいけど、再審要求をしてるってさ。

 マイアミに住む18歳のサッカー少年は「このボールだとドリブルしずらい」そのせいでハイスクール時代に1度もレギュラーになれなかったと言うのだ。
 でもってメーカーを訴えた。色彩学の教授まで引っ張り出してきて大騒ぎ。
 写真をみたらデブだったので俺は大笑い!そりゃ無理だよにいちゃん!
 キーパーやれば?もしくは練習しろ!
 残念ながらこのデブ夫が訴訟に勝ったかどうかはしらない。
 もしも勝ってたらこいつの顔面蹴ってやる。

 新しくアパートに引越してきた50歳の夫婦。奥さんが毎晩「壁紙の模様が笑う」といって寝つけなくて不眠症に。で、アパートと壁紙会社を訴えた。
 引っ越せ!または奥さんを病院に入れろ!
 でもこれ、金銭の支払いはなかったけど壁紙の張り替えをするとのことで一応勝訴らしいよ。

 歌手のマドンナはビバリーヒルズに豪邸を持ってるんだけど、「あんな青少年に悪影響をおよぼす人が一目に付く所に家を建てると教育に悪い」とあるおばさんが訴えた。が、そのおばさん、マドンナの家から15キロも離れている所に住んでいるし、マドンナの家って上空からじゃないと見えないんだよね。
 しかもなんで1億円もそのおばさんに払わなくちゃいけないんだろ?
 まぁ、さすがにこれは支払わなかったらしいけどね。
 あんたの方が悪影響だっての。

「アイロンは着たままあてちゃだめ」
「テレビは食べられません」
「牛乳パックには栄養はありません」
「コードレス電話は携帯電話ではありません」
「冷蔵庫には入らないで下さい」
「トイレで顔は洗えません」

 今上げたのは、こっちの商品に書いてある注意書き。
 どれもこれも実際に訴訟されてしかたなく表示されているものばかり。
 ミシガン州の市民団体「訴訟乱用監視団」が毎年1月に発表している「爆笑!あほな注意書き」に載っていたものだが、こんなの自分の回りには腐るほど見かけることのできるモノばかり。

 メーカーも馬鹿な消費者対策にめちゃめちゃお金をかけている。
 ほんと、馬鹿なはなしだね。自分の馬鹿っぷりをさらけだす代わりに、大金を手に入れる。ま、勝手にしてくれ。

 話し変わるけど・・・
 アメリカは日本と違って陪審員制度を採用しているんだけど、これがまたおかしくってね。
 陪審員はコンピューターでランダムに選ばれるんだけど、メディアに惑わされたりして、公正な裁判なんてできやしない。つまりいい弁護士というものは陪審員をいかに騙せるか、いかに話術が優れているかにかかってるわけ。
 テレビの司会者やってる弁護士なんてのもいるんだから。
 しかもそれ、まるで「みのもんた」のお昼の番組みたいなんだよな。おいおい!絶対信用できんぞ!

 テレビドラマ「逃亡者」の原作になった実際の事件の犯人は昨年、容疑者の息子がDNA鑑定で事件の真相を調べた結果、ただのレイプ事件だったことが発覚。
 そのレイプ犯はもう死んじゃってるんだけど、あれなんかとても公正な裁判とはいえなかったよね。
 家でせんべいぱくついてワイドショー見てるおばさんに陪審員まかせられる?
 メディアに踊らされない人こそが陪審員になるべきだと思うんだけどな。

 それと、うまい具合に話を別方向にもってかれても「その事件」自体を裁ける目を持った人なんかも必要だよね。
 とにかく今のアメリカは「人種差別」に話をすり替えれば80%勝てるんだから。たとえ人を殺していてもね。

 冗談じゃねぇよ。まったく。

 ところで余談なんだけど・・・
クリントンのホワイトウォーター事件の陪審員の一人であるおばさんは、法廷にSF映画「スタートレック」のコスチュームを着てきた。
「これが私の正装です」だって・・・
あんなのに裁かれたクリントン。そりゃホワイトハウスでエッチもしたくなるっての!かわいそうに・・・