■ご無沙汰ですこんにちは。あづみ悠羽です。 2018年から描いてきたコミカライズ『調教系男子 オオカミ様と子猫ちゃん』(原作:槇原まきさん)が2020年12月のコミックス3巻発売をもって完結しました。最初は1巻分7話(小説の文庫1冊分)の予定だったのが3巻18話(文庫2冊分)まで延長になったのはひとえにお読み下さった読者様のおかげです。本当にありがとうございます!
■私は描く側なので、ここがいいとか、あれがひどい(ひどい)とか、あまり言ってしまうと読者さんに先入観を与えてしまうのでよろしくない、とグッと我慢していたので、完結したところでちょっと作品の内容についてちょっと書いてみようと思います。それとお仕事裏話などもちょっと。
■ぶっちゃけると配信開始当初はあまり読まれていなかったのですが…途中からめちゃコミックさんで独占先行配信という形に切り替えたら、とある運が良い事情もあり、ありがたいことに沢山読まれました。 その好調を見てこれはもっと長くイケる!と判断した担当編集さんの行動が超速でした。 コミカライズなので原作がない事にはお話にならない。速攻原作者の槇原さんに小説の続編を打診し、コミカライズの連載も延長する事に。こうして文庫1冊だった作品が、続編でさらに深い描写まで楽しめる事になりました(嬉しい)。
余談ですが、実はこの時期に同時進行しようと始めていた別作品連載に頓挫し(ネーム線画まで進めて白紙にしたアレです)迷走して仕事のやり方を色々試す為に別ジャンルはどうか?などと考えていたところでした。 そこに偶々女性ジャンルコミカライズのお誘いがあり、詳細をお伺いしたい、と返信していて、そちらの詳細次第では『調教系男子』1巻分終了後の次の仕事として女性ジャンルに決定していたかもしれなかったんですが……その返信を頂いたのが10ヶ月後で(※完全に忘れられていたと思う)…その間に『調教系男子』続編コミカライズの話が持ち上がったんですよね…。 人生何がどう転ぶかわからない。
続編小説のイラストを私が描く事になるのはまた想定外でしたが。もう挿絵の仕事はしませんって言ってたのに(笑)
(※ここから内容についてのネタバレなのでご注意下さい) (※慎くんお好きな方は読まない方がいいです…)
さて。深雪ちゃんと鞍馬主任改め誠司さんの二人の物語ですが、レビューを拝見すると「洗脳されている」というお声が多い。私は深雪ちゃんは洗脳はされていないと思っているんですよね。共依存は否定しませんが。 洗脳の何が悪いかって、非常識な事をさせたり日ごろから奴隷のように扱ったり…などネガティブに利用される事なので、ベッドの上で縛る以外は行為後も日常生活でも仕事上も優しく相手を思いやっている二人の場合は全然違います。
そのベッド上の関係を「非常識」だと判断したのが深雪ちゃんの幼馴染の慎くん。「異常者だ」「おかしい」「気が狂ってる」などと散々に誠司さんの事を罵倒します。そんな慎くんに感情移入した方も多いようですが、深雪ちゃんからしたら幸せに暮らしているところへ現れた、年一で顔を合わせる程度の幼馴染が、突然そうして愛する夫を罵倒するんだから、そりゃもう怒るし泣きますわ…。可哀想オブ可哀想。
幼馴染なんかより、一緒に過ごした時間はもう誠司さんの方が長いはずなんですよ。慎くんの言いたい事も解る、にしても、上記の罵倒の数々を相手の気持ちも考えずぶつけるのはアウトですね。非常識がすぎる。深雪ちゃんの全てを知ってる気になって何様だろう…。
誠司さんは心の中に歪みを持っているけど、それは普段は表に出さない人な訳です。30も半ばになったら処世術も身に付けるし、内面を隠して接するのは当たり前です。年を取るだけで内面なんてそうそう変わるものじゃないので、何をどう判断してどう他人に接するかがいわゆる「大人としての魅力」に繋がる。 例えば、行動を制限したり殴ったり、そういうDV的な束縛の仕方はしないし。ベッドでは「深雪のような駄目な子にはお仕置きをしてあげよう」というプレイはありますが、それもプレイの範囲内の事。プライベートでは駄目な子だなんて絶対言わないと思う。
<その2↓に続く> |