愛美の奴隷生活
まーくる:作

■ 第一章 握られた弱み7

「……写真…返して……」

愛美はうつむき、力ない声で言った。3人はそれを聞いてニヤリと笑い、話を続けた。

「どうすれば返してもらえると思います?」
「……」

愛美は無言だった。しかし3人もそれ以上はなにも言わず、ただ愛美の発言を待っていた。
無言の時間が過ぎていく。愛美は悔しい気持ちでいっぱいになり、怒りを必死で抑えつけていた。

「(悔しい! なんて…なんでこんな…)」
「(こんな3人に屈したくない…負けたくない…)」

しかしそれは愛美をどんどん追い詰める時間となった。3人の無言と目線が、プレッシャーを与えていた。追い詰められるなかで愛美は必死に考えた。そしてついに、愛美は口を開いた。

「(なんとかこれを凌いで、チャンスがあったら奪い返せばいい…今この場だけでもなんとかしないと…)」
「…言うこと…聞くから…返して……」

3人はお互いの目で確認しあった。こうなればもうエリカたちのペースであった。
弱っている相手を、さらに弱らせ苛めるようにエリカは話す。

「う〜ん、よく聞こえませんでした。もう一回言ってもらっていいですか?」

確かに聞こえていたが、何度も言わせることで、亜美が自分自身で追い込まれる状況を作っていった。愛美は悔しそうに、だがもう言うことを聞かないと写真が返してもらえないという一心で歯を食いしばりながら言った。

「アナタたちの言うことを聞くから、写真返して。」
「なんでそんなに偉そうに言えるんだ?」
「桃子、まあいいわ。言うこと聞いてもらえるんですね?先輩?」
「……ええ。」


愛美の怒りを抑え、睨みながら言う態度に桃子は食って掛かったが、エリカはそれを制した。その表情は完全に優位に立っているものの顔であった。

「ふふ、ではさっそく聞いてもらおうかな。」
「!?……」
「まずは私達には敬語を使ってね。さっきみたいな口調で返事されても気分悪いから。」
「……」
「わかった?」

エリカは不意にタメ口、いや命令口調になった。いままでは先輩に対し敬語であったが、もう先輩ではない、格下なんだと言わしめるかのように急変した。
愛美もそれに一瞬たじろぎ、怒りが湧き上がったが、今の状態ではどうしようもするこではできず、渋々言うことを聞いた。

「……わかり…ました。」
「ふっ、まあいいかな。次は私たちのことをキチンとした形で読んでもらわないと。」
「?…きちんとした形…?」
「そう。」

愛美には意味がよくわからなかった。エリカが何のことをいっているのか、黙って考えていた。すると、そんな悩んでいる愛美へ、そっと桃子が耳元で話しかけた。

「!!?」

それを聞いた愛美は驚き、下を向いて悔しがった。3人はその様子をみてニヤニヤと笑う。

「(そんな…そんなことイヤだ!…でも言うことを聞かないと…)」
「(悔しい!…悔しいけど…)」

再び無言も間ができたが、愛美は悔しさを押し堪えて、

「…わ…わかりました…エ…エリカ…様…」

といった。そう、きちんと呼ぶというのは、”様”を付けて呼ぶということだった。これは愛美にとって屈辱であり、明らかに相手に屈した形になっていて、耐えられるものではなかった。しかし、写真をバラされたくない一心で、その悔しさを押し殺したのだった。

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