憧れの女教師
〜両思いになる日を夢見て〜
M.M:作

■ 第一章 初めての授業1

月曜日になり、俺はいつもと変わらずに学校に行った。
恵美先生の授業は2時間目だった。
一時間目の放課になり、一年生の頃に仲良くなった隆と亮と話していた。
「なぁ。次いよいよ恵美先生の授業だな。」
興奮気味に隆が言う。
(!! なんだ。誰にでも恵美先生って呼ばせてるのか……・)
「あぁそうだな。」
俺はそんな隆に対してそっけなく返事した。
このとき、まだ俺は隆と亮の秘密を知らなかった。

ガラガラ
教室のトビラが開く。
スラットのびた長く綺麗な足が姿を現した。
続いて、キュッと引き締まったウエストにDカップほどはある双乳に視線が映る。
見てはいけないと思っても、ついつい見てしまうのが思春期の男というものだ。
などと勝手に解釈をして、自分は無実であることを強調するように自身に言い聞かせた。
デパートであったときのような私服も綺麗だったが、学校で着用しているブラウス姿もまた一味違った美しさを演出していた。
「号令!!」
教卓にたどり着いて、委員長に合図を出した恵美先生に気づき、視線を上に上げた。
そこでようやく恵美先生の顔を見るところまでたどり着いた。
ドキン
胸が高鳴っているのがわかる。
周りをうかがう。
誰かに聞こえはしないだろうかと、聞こえるはずはないのに、妙に緊張していまう。
「礼!!」
委員長の号令が俺のドキドキを一瞬おさめた。
だが、そのドキドキが再び俺の胸を苦しめるのにそう時間はかからなかった。
「なので、ここは…………だから……で………になります。」
ドキッ
目が合った。
黒板の字をノートにうつしているつもりだったが、いつの間にかノートを書く手が完全に止まっており、目では、恵美先生の顔をずっと見ていた。
それに気づいたのか、恵美先生は授業をやりづらそうにしていた。
(そうだよな…………俺なんかに見られてたら気持ち悪いよな。)
そんな事を考えていたら、テンションが下がっていってしまった。
その中で、気になることがひとつだけあった。
恵美先生の視線が授業中にちらちらと隆と亮の方を見ていたことだ。
俺の思い込みなのか、それとも、隆と亮のどちらかに好意を寄せているのか。
俺は前者である事を必死で祈った。

一日の授業も終わり、放課後になった頃。

「恵美先生!!」
一日なにも話せないでいた俺は、チャンスだと思い積極的に話しかけた。
(ん?)
俺が呼んだまさにその瞬間に、恵美先生の表情が曇った。
(俺に話しかけられたから? やっぱり俺のこと嫌いなのかな………)
「……さよなら…」
ボソッ言い残すと俺は一目散にその場から逃げるようにして帰った。

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