青い相姦
横尾茂明:作

■ 相姦の構図1

「分かった…分かったから泣くな…お前に泣かれると俺…弱いんだ…」

直人は妹の心を翻すのは無理とあきらめた…
それよりもう一度妹の裸が見たいと思う心が勝ったのかもしれない…。

(妹から言ってくれたんだから)
と思う気持で自分を誤魔化すことに、一瞬の後ろめたさを感じつつも。

二人で風呂に行き…脱ぎはじめる…そして昔が思い出される。

梓はアヒル…直人は水鉄砲…二人争って風呂に飛び込みじゃれ合って遊んだ…。

今はそのアヒルも水鉄砲も無い…。
しかし…代わりに融けてしまうそうな性のオモチャがそこには有った…。

二人は背中を向けあい…何に期待するのか、震えるように服を脱いでいく。

先に脱ぎ終わり風呂に飛び込んだのは直人だった…
そして梓が入ってくる…。

その真っ白な裸体が直人には眩しかった…
すっかり大人びた体型になった梓の裸は強烈に目を射る。

モジモジ恥ずかしそうに直人の横に入ってくる梓
その仕草に直人は俯いてしまう…。

いくら妹とは分かっていても…
素晴らしいプロポーションで横に息づく梓に、強烈な女の性を感じた…。

「お兄ちゃん…ウフ、懐かしいね…」
「こうやって毎日二人でお風呂に入っていたね…」
梓はクスっと笑いながらも…声が僅かに震えていた…。

「…アズ…お兄ちゃんにキスされたいナ…」
耳元で震えるように囁かれる…そして…
吐息と共に熱い頬が直人の肩に寄せられた…。

乳房が柔らかく直人の腕に触れる…。

直人は首を曲げ梓を見る…ふいに目と目が合う…。
その時…妹の眼差しはもう兄を見る目ではなかった。

梓の瞳は求めるように潤んでいた…。
それはあたかも今から恋人に抱かれる風情のごとく
直人はためらうことなく自然に梓の唇に重ねていった。

しかし…唇が触れ舌先がもつれ、互いの粘膜を感じた刹那…
驚愕に近いおののきを二人は感じあう。

本能が、兄妹交歓を阻止しようと悲鳴を上げているのだ…。

その悲鳴を二人はすぐ近くで聞きながらも…なおも深く粘膜を貪りあう…。
この禁断の行為は、強烈に兄妹の脳を焼き…
後戻りできない想いは兄妹を悦楽の縁に突き落としていく…。

「あぁぁぁ…お兄ちゃん…スキ…たまらなくスキなの…」

「アズ…俺も…お…れも……おまえが…スキ…」

二人泣きながら見つめ合う…。
互いに…もう…元には戻れないとこのとき感じた…。

罪の共有は、あたかも性愛の行き着く先までの勇気を与えたかのよう…。

どちらからともなく立ち上がり…タイルに立つ、そして深く抱き合う。
ペニスが自分の腹とアズの腹部に挟まれ弾けそうな感覚に揺れる…。

アズは腹部に当たる硬い物を感じる…。
唇を重ねながらも兄の背中にあった右手を降ろして…その硬いものに触れる…。
(大事なもの)…本能が梓に教える…。

そっと握ってみる…まるで掌に兄を丸ごと握り込んだ感覚に怯え…震えた…。

梓はゆっくり唇を放し…静かにしゃがみこむ…。
そして誰に教えられた訳でもないのに…
自然な仕草で兄のペニスを唇で触れていく…。

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