淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 待ち伏せ、そして恥辱2

「そうよ、それがどうしたって言うの?」
「でも、効かねえな、そんな蹴りじゃあ。確か、県大会で優勝したのは型の部門だったな。こんな蹴りじゃ、組み手は無理だな」
 有紗の実力は、一瞬に見抜かれていた。美しく優美な動きだが、軽量な有紗の蹴りや突きは実戦向きではなかった。
「ううっ、それが悪い?」
 有紗は、強がっているが権堂雄一との力の差をヒシヒシと感じていた。非力な有紗の蹴りでも、顎にヒットすれは普通の男なら倒れこむだろう。しかし、雄一は微動だにしなかった。
「兄貴に敵う別けねえよ。兄貴はプロレス団体に入ってたんだぞ。実戦で鍛えてるんだ」
 雄一の後ろから、康次がニヤニヤしながら言う。雄一は、女癖の悪さと、血の気の多さから道場内での喧嘩が原因でプロレス団体を辞めさせられた。今は、やくざの用心棒などをして生活をしている。

 有紗は、圧倒的な体格差と力の差を感じていた。助けを呼ぼうにも、森の真中まで来ている。学園側にも、駅のある街にも、人がいるところまでは声は届きそうにない。
(どうしよう? あいつ、強いわ……。私じゃあ負ける……)
 もちろん、有紗は殴り合いの喧嘩などしたことは無い。実戦で鍛えられたものだけが発する威圧感を感じ、有紗の中に恐怖感が芽生えていた。

 戸惑っている有紗の一瞬の隙を付いて、雄一の右手が有紗の手首を掴んだ。
(このままじゃ、ダメ! 何されるか判らないわ)
 有紗は、雄一の側頭部を狙って廻し蹴りを繰り出した。足が真っ直ぐに伸び、円弧を描きながら、こめかみに向かう。
「うっ!」
 有紗は、小さく声を上げた。有紗の脚が、雄一のこめかみに打ち込まれるより一瞬早く、雄一の手が有紗の振り上げられた足首を掴んだ。
「お前の動きは素直すぎるんだよ。何をしようとしてるか、すぐ判る」
 2メートル近い雄一のこめかみを狙った脚は、180度に開かれていた。スカートが捲れ、白いパンティーに包まれた股間を二人の男に見せるような格好で捕まえられてしまった。
「うひょーーー! パンティー丸見え……」
 康次が嬉しそうに声を上げる。
「いやぁ、見ないで……。離して、離してよ……」
 左の手首と右の足首を掴まれた不自由な格好で、有紗がもがくが雄一の力には敵わなかった。

 バシッ!!
 雄一は、有紗の頬に平手を食らわす。有紗の瞳が見開かれた。今まで、誰にも殴られたことのない頬の痛みに、有紗は唖然とする。空手を習っているときも、幼い少女だった有紗に、蹴りや突きを食らわす者はいなかった。練習は、寸止めが基本だったからだ。

 雄一は、掴んだ足首を持ち上げていく。片手で有紗を軽々と引き上げる。有紗の身体が完全に宙に浮いた。
「だ、だめえ……。おっ、降ろして……」
 片足を掴まれ、逆さに吊り上げられた有紗は、スカートの中を覗かれまいと太股を合わせ、落ちてくるスカートを手で押さえた。
「いやあ、見ないで……。恥かしい……。お、降ろして……」
 二人の視線が股間に注がれる恥かしさと、宙吊りにされ頭に血が上り、有紗の顔が真っ赤になる。
「じゃあ、望みどおり降ろしてやる」
 雄一は、有紗のパンティーに手を伸ばし掴んだ後、有紗の足首を掴んでいた手を緩めた。
「だめえ、パンツ……、パンツから手を離して……」
(ぬ、脱げちゃう……パンツが脱げちゃう……)
 有紗の体重が、パンティーを脱がしていく。パンティーが伸び、お尻からずれた。染み一つない丸い肉球がプリンと飛び出す。股間の淡い茂みが露わになった。
「おおっ、おケケが見えたぞ」
 康次がにやけた視線を有紗の股間に投げかける。
「み、見ないで……。は、離して……」
 有紗の望みは、儚く裏切られた。必死でパンティーを押さえたが、雄一に掴まれていたパンティーは、有紗が地面に落ちると同時に引き千切られた。ただの布切れと化したパンティーが、雄一の手に残った。

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