淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 呼び戻された陵辱2

 帰り支度を終え、学生カバンを抱え聖愛学園の正門を出た有紗は、知らず知らず美由紀を探していた。胸がドキドキと高鳴っている。初めて恋した少女が、物陰から初恋の男性を探す時のような甘酸っぱい緊張感と恥かしさが有紗を包んでいた。駅へ続くポプラ並木の道に、美由紀の姿は無かった。
(美由紀さん、もう帰ったのかな?)
 ほっとしたような、少し寂しいような複雑な気持ちになる。その時、有紗の携帯が鳴った。有紗は、鞄の中から携帯を取り出した。

《有紗、オマ○コの痛みは無くなったか? 俺のでっかい魔羅を咥えさせられたんじゃ、さぞ痛かったろうな。初めてはそんなもんさ。ヒヒヒヒヒ……》
 いやらしい笑い声が、携帯から流れてくる。電話の主は、権堂雄一だった。一瞬にして、一昨日の悪夢が蘇る。甘酸っぱい心地よい緊張感が砕かれ、有紗の顔が凍りついた。
《俺の魔羅が、そろそろ恋しくなっただろう? これから俺のところに来るんだ、いいな!》
 女学生達が、すぐそばを明るい笑い声を響かせながら帰路に付いている。有紗は、携帯から流れる会話を他の生徒に聞かれないようポプラの木の陰に身を隠した。
「こんなところで、電話なんかしてこないで!」
《授業は終わったんだろう? 電話に出れねえことはねえだろう》
 自信ありげな声が、携帯から聞こえる。

 有紗は、周りと見渡した。どこから、権堂雄一がこちらを見ながら電話しているのではないかと思った。あまりにもタイミングよく電話がかかってきた。最初に襲われた時も、有紗が一人になるのを見透かしたように待ち伏せしていた。しかし、どこにも権堂兄弟の姿は見つけれなかった。

「おっ、終わったわ……。で、でも……、だっ、誰があなた達の所なんて……」
《何を言ってやがる! お前はな、どんな時でも俺に呼ばれたら、喜んで来なくちゃいけねえんだよ。分かったか!》
「嫌よ! 卑劣なあなたの所になんか、行くわけ無いでしょ!」
 有紗は、強気に言った。
《それじゃあ、お前のビデオがどうなっても良いんだな? すごい評判だったぜ! 美少女拳士の処女喪失ビデオはよ。ウヘへヘ……》
「ひっ、酷い……、人に見せるなんて……」
《心配することはねえ、口の固いヤツにしか売ってねえよ。しかしよ、お前が来なけりゃ、あのビデオ、どうなるか分かってるだろうな》
「ううっ……。ひっ、卑怯者……」
 有紗は、後の言葉を失った。
《必ず来るんだぞ! いいな!》
 強制するような強い口調を最後に携帯が切れた。

 有紗は身体の力が抜け、木に寄りかかった。卑劣な彼らなら、有紗の映ったビデオを、本当に町中にばら撒くだろう。そんなことになれば……。有紗には、その現実が受け入れがたかった。どんなことになるか想像することさえ憚れた。
(どうしたらいいの? わたし……、行かなければどうなるの?)
 あのビデオが世間の目に触れれば、有紗はもう学園に通うことが出来なくなるだろう。有紗は、一見活発で明るい少女だが、人一倍の恥かしがり屋でもあった。みんなに好奇の目で見られれば、生きていくことさえ辛い。
(行きたくない……。行けば、また恥かしい目にあうわ……)
 卑劣な彼らのことである、先日以上の破廉恥なことをされることは明白だ。これから訪れるであろう陵辱と、行きたくないという気持ちが迷いが頭の中を巡る。息をするのさえ苦しくなってくる。

 しばらくして、ひたたび携帯が鳴った。恐る恐る携帯を確認すると、メールが届いていた。届いたメールは、画像付きメールだ。有紗は、画像を開いてきた。
「いやっ、こんなメール……」
 有紗の目に映った画像は、一昨日、雄一と康次によって映されたものだ。有紗の口に、極太の怒張が押し込まれているものだ。小さな携帯の画面でも、それが有紗だとはっきり分かるほど鮮明に、涙を流す有紗の顔が映っていた。迷いを打ち消すに十分な画像だった。
「行かなくちゃ……、行かなくちゃ、もっと酷いことになっちゃう……」
 有紗はメールを消去し、とぼとぼと駅に向かった。

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