ボヘミアの深い森
横尾茂明:作

■ ボヘミアン7

少女は吐き気を必死に耐え藻掻くように息を継いだ、男は髪を引っ張り上げまた押し込む、そのたびに目眩と吐き気が交互に襲ってくる。

男の仕打ちはまるで犬猫を無造作に虐めるような無慈悲な行為だった。

髪を掴み、おのれの股間に少女を打ち付ける鬼畜の所行に男は震えるほど興奮した。

男は今まで抱いた大人のロマの手管には飽きがきていた、そんなおり天使のような少女を紹介され…その艶のある滑らかな肌を見たときは自分が求めていたものが何だったか分かったような気がしたのだ。

以前、ヒッチハイクの12才の少年をチェコのスシツェに送る際、この辺りで犯した。

今と同様に少年の髪を掴みその喉奥を亀頭で貫き射精した、そして怯える少年をいたぶる快感に酔いしれ…泣き叫ぶ少年の肛門を何度も貫いた。

少年の尻の締まりはたまらなかった、男はこのまま手放すのが惜しくなりスシツェに向かわずドナウを越えてクラトビ方向の山道に進路を変えた。

少年はそれに気付き、怯えた顔を歪ませドアを開けて走行中の車から飛び降りた、すぐに何かが潰れる音が男の耳を貫いた。

男が車を停め走り寄ったとき少年は暫く断末に震えていたが…車の中ですぐ冷たくなっていった。
道路横の灌木に頭を打ち付けたのか顔の半分は潰れていた。

男はクラビトの手前で少年を抱き降ろし…深いチェヒの森に捨てた。

小児を対象とした性愛・性的嗜好…その仄暗い快感は男が求めていたものと…その時は朧気ながら気づいたが、少年の死は男に怯えを与えた、それから3年の間は小児のヒッチハイクを見付けても無視した。

今回は偶然だった…またあの折の怯えはもう希釈されていたのだった。

男はいまはっきりと解った気がした、おのれがペドフィルであるということが…。

少女の目から涙が溢れ…涎が男のズボンを濡らす。
口中の何とも言えぬ饐えた臭いで少女の吐き気をさらに助長させる。

「こら! 唇と舌を使わないか、口だけ開けてんじゃねーぞ」

男はカリの部分が唇の位置になるよう引き出してから唇でカリを締めろと命令し頭を乱暴に叩いた、そして舌で亀頭を舐めろと矢継ぎ早に指示し少女の尻を乱暴に鷲づかみにする。

少女は恐怖に怯え男の言われるままに泣きながら従った。
しかしいま行っている行為の意味が少女には分からなかった、ただ本能が朧気ながら生殖の一端と教えていた。

「ったく…へたくそがー、そんな事じゃ気持ちよくならんだろー、もっと強く吸わねーか!」

少女は言われるまま必死に口を使う、顎が外れた様な感覚はあったが恐怖がその苦痛を打ち消していた。

「おっ、いいぞ…その調子だ」

男の陰茎が急速に硬くなっていく、亀頭も少女の口中で開く様に大きくなっていった。

「うっ、う…クーッ…気持エエー」

「行くぜ…あぁぁぁ……お…お…くぅぅぅぅぅ……」

喉奥に激しい迸りを感じ少女は頭を上げようと藻掻くが…男は逆に喉奥に亀頭を突き上げて咆えた。

強烈な吐瀉感で目が眩み…このまま死んでしまうと少女はこの時思った。

とその時髪を引っ張られ…顔だけが車窓の外に放り出される。

「ウゥッ…ゲェー…」

まるで水鉄砲のように精液と胃の内容物を吐瀉する。
背中が波のように蠕動し内臓ごと吐き出している錯覚を覚えた…。

「ったく…いつまで吐いてやがんだ」

男は少女の尻を叩き、襟首を掴んで助手席に放り投げた。

少女は恐怖に目がつり上がり…瘧にかかったように震えながらドアにしがみついた。

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