ボヘミアの深い森
横尾茂明:作
■ 孤独と殺意3
鳥の声で少女は目覚めた…男はもう居なかった。
ベットから身を起こす、毛布をはぐると手にはやはり手錠が装着されていた。
しかし今度は真新しい長いロープに繋がれていた。
少女はベットから降り、ロープの届く範囲…部屋内を歩んでみる。
シャワー、トイレ、台所に届く距離に少女の不安は薄らいでいった。
それとテーブルと小さな冷蔵庫にはおよそ二日分の食事が用意されていた、これも少女には嬉しかった。
安心してベットに戻る、ベットには昨夜着せられた下着が散乱していた。
まるで紐のような隠しようのないT状のパンティー、前がパックリ開いた意味のないパンティー、それと薄地の透けたキャミソールなどなど…。
少女は呆れるように溜息をついてベットに座る。
「チュンチュン…」
鳥の声にふと気づき少女は窓辺に目を転じる。
薄地のカーテン越しの磨りガラスに小鳥が踊る様が可愛く映っていた。
(もうあれから二日も過ぎたんだ…)
(叔母さん…心配してるんだろうな…)
(お婆さんがアンスバハに行ったことは叔母さんはまだ知らないから連絡はとれないはず…)
(お婆さんの方から…叔母さんに連絡さえしてくれれば…)
少女はあきらめたようにうつむいた。
それは…お婆さんが電話することなどあり得ないことが少女には分かっていたからだった。
小鳥は知らぬ間にいなくなっていた。
少女はそれでも虚ろな目で窓辺を見ている…。
目にはもう窓辺は映ってはいなかった、脳裏には昨夜の激しく淫らな性交場面が浮かんでは消えていたのだ。
食後…ビールに酔った男の行為は昼よりもさらに厳しかった。
意味もなく酷くぶたれ…泣きながら許しを請い、それでも虐められ、強要されてしたこともない恥ずかしい行為を男に見せた。
淫らな下着を着せられ後ろから…立ち姿で…抱き上げられて…そのアクロバティックで卑猥な行為に何度アクメに飛んだだろう…。
一夜で男に媚びるいろいろな体位と、口での奉仕の仕方を頬を叩かれながら教え込まれた。
性器は麻痺して痺れているのに…オルガスムスは確実に少女の腰奥を直撃するよう淫らに仕込まれた感もあった。
その爛れるような性行為に酔いしれ…泣きながら男に抱かれて眠った。
性器がジュッと音がしたように少女は感じられた。
脚を開いて性器を見下ろす、そして指で陰唇を開いて見た。
あれほど酷く攻められたのに…性器は何事も無かったように綺麗な粘膜を光らせていた。
つっっー…愛液が糸を引いてこぼれた、昨夜の想いで感じてしまった己がすごく恥ずかしかった。
昨夜の身を絞るような深い快感…。
男の手でどんどん淫らに染められ、変わっていく自分。
また男が帰ったら…今度はどんな辱めを受けるんだろう。
少女はブルっと震えた、それは恐怖なのか…期待なのか、少女には分からなかった。
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