千佳
木漏れ日:作

■ 14

「行っちゃったみたい…。」
「そうみたいだね…。」
「どうする?」
「あたしの家行かない?」
「いいの?」
「うん! でも別々に帰った方がよくない?」

「みつかったらやばいもんな…。」
「あたし家に居るから後で来て!」
「うん、わかった!」
二人は別々に学校を出た。
奈美は急いで家に戻った。
そして大急ぎでシャワーを浴びた。

少し考えて前あきのワンピースにした。
下着は一切着けなかった。
服を着る前に少しだけコロンをつけた。
服を着て髪を乾かしジュースの支度をした。
翔が来たのは2時少し前だった。
「いらっしゃい、上がって…。」

「これ…。」
翔は菓子の包みを差し出した。
「なにを買えばいいのかわからなくて…。」
「ありがとう…。」
「あたしの部屋行く?」
「いいのか?」

「いいよ!」
二人は2階に上がった。
「これが奈美の部屋か…。」
翔は珍しそうに見回した。
「あんまりジロジロ見ないで!」
「ごめん…。」

「俺、女の子の部屋珍しくて…。」
「兄弟は居ないの?」
「居るよ兄貴が…。」
「女のは居ないの?」
「うん…。」
「そう…じゃ飲み物用意してくる…。」

「悪いな…。」
「いいわよ…でもあちこち見ないでね!」
奈美はあらかじめ用意した物を持って2階に戻った。
二人でジュースを飲みお菓子を食べる。
少し沈黙した。

「ねぇもう一回アレ見せてよ!」
「ずるいぞ! 奈美も見せろよ…。」
「うん…いいよ!」
奈美はそう言うとワンピースを脱いだ。
翔は驚いた表情をしている。
「脱いで! 早く! あたしだって恥ずかしいんだから」

「う、うん…。」
翔ももたもたしたが脱ぎ終わった。
二人は無言のままどちらともなく抱き合った。
二人の唇が重なった。
「はぁはぁ…。」
苦しくなった二人は唇を離した。

二人で微笑んだ。
奈美が言った。
「キスしちゃった…。」
「……。」
「あたし初めてだよキスしたの…。」
「お、俺も…。」

「わたしのファーストキスなんだからね…。」
「……。」
「どうだった?」
「何だかボーッとして…。」
「あたしも…。」
「もう一回したい…。」

翔は奈美に抱きついた。
「ちょっと…強引ね!」
翔は無言でやや荒っぽいキスをする。
奈美も翔の背中に手を回す。
「う…。」
二人同時に口を離した。

「ねぇ?」
「ん?」
「チ〇チ〇立ってるよ…。」
「あっ」
翔は慌てて手で隠した。
「あははっ可笑しい…。」

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