千佳
木漏れ日:作

■ 38

しのぶさんの太腿に力がこもる。
耐えているのだ。
はぁはぁという息の間が狭まってきた。
限界が近い。
そう思った私はいきなり尖った突起に吸い付いた。
チュウチュウと音を立てて吸った。

これは効いた。
「あああーっ駄目ーっ」
しのぶさんはイってしまった。
激しい息使いだけが聞こえる。
暫くして、
「恥ずかしい…。」

と呟くしのぶさん。
私はしのぶさんのマ〇コから指を抜いた。
私の指はふやけている。
「しのぶさんて激しいのね…。」
「言わないで…。」
甘えるようにそう言った。

しのぶさんは着物を直し部屋を出て行った。
私も手を洗い机に向かう。
今日の課題に取り組んだ。
夜になって夕食のあと奥の部屋に呼ばれた。
今夜は私一人だ。
部屋の扉を叩く。

「おはいり…。」
扉を開けるとこの前の女性が座っている。
「失礼します…。」
私は部屋に入り座って扉を閉める。
「こちらに…。」
女性が指示する。

私は前に近寄る。
「学校慣れそう?」
「はぁ、とまどう事だらけです…。」
「そうでしょうね…。」
「あの…。」
「なぁに?」

「なんとお呼びすればいいですか?」
「そうねぇ…。」
暫く考えている。
「佳子さんでいいわ…。」
「わかりました…それで私をお呼びになったのは」
「渡したいものがあるの…。」

佳子さんは立ち上がると隣の部屋へ行った。
すぐに戻ってきた。
一組の着物を運んできた。
色は淡い紫。
高価な品だと私にもわかる。
「それ脱いで…。」

「はい…。」
私は一枚切りの服を脱ぐ。
佳子さんが足袋を差し出した。
私は足袋を履き立ち上る。
腰巻、襦袢と着けていく。
最後に帯を締めた。

「上手に着れたわね、着付け誰に習ったの?」
「はい、祖母です…。」
私は亡き祖母を思いだしていた。
「着物には慣れてるみたいね…。」
「それも祖母にしつけられましたから…。」
「そう…良かったわね…。」

私はキチンと座って、
「あの…。」
と言った。
「これからある人に逢いに行きます…
一緒に来て…。」
「はい…。」

私と佳子さんは玄関に向かった。
草履が揃えて置かれていた。
外に出ると見慣れない大型の車が停車している。
車の脇に女性が立っている。
まだ若い。
私達を見ると、無言でドアを開けた。

後部の席に収まると車は滑るように走りだした。
2時間後、大きなお屋敷に着いた。
玄関が開いて女性が出てきた。
その女性に導かれ広い廊下を歩いた。
「お連れしました……。」
「おはいり…。」

女性が扉を開ける。
私と佳子さんが中に入ると扉が閉じられた。
正面に和服を着た女性が座っていた。
女性が口を開いた。
「遅くに済まないねぇ…。」
「いいえ…。」

佳子さんが答える。
その女性がじっと私を見た。
静かだが威厳がある。
「千佳ちゃん…。」
「はい…。」
私の名を呼んだ声は優しかった。

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