人妻の事情
非現実:作

■ 人の妻として7

幾らなんでも全裸を晒し続ける事に対して泣いて許しを請うた。
田崎さんは寛大だった、脱ぎ捨てたブラとショーツの着用を認めてくれたのだった。
心の底から安堵した。

…… ……のはつかの間だった。
「全裸は堪能したから、じゃあ〜」と言いながら立ち上がり、クローゼットの中を物色し始めた田崎さんが再び口を開く。

「じゃあねまずはねぇ、これを着てみてよ理紗ちゃん」

ハンガーに掛けられた衣装は、きちんとアイロン掛けされており、その衣装には見覚えが合った。
ここのお店のHPの紹介写真で、顔をモザイク掛けされた女の人が着ていた物だ。

「やっぱりさ、理沙ちゃんの制服姿は見てみたいからねぇ〜」
(せ、制服って……)

制服からイメージする物といえば、やはり学生が着る様な清楚な制服である。
それが場所が変わるだけで、制服という物がこうも一変するとは思いもよらなかった。
HPを見て決心した筈だったのだが、この衣装(制服)を自ら着て仕事をするという事までは頭に入っていなかったのが事実。
もう既に後には引けない愛人契約を結んでしまった後で、私は夫に再び懺悔する。

(こ、こんなの……着て私……借金返済するつもりだったなんて…… ……)
「さぁさぁ何してんの理沙ちゃん〜〜ホラホラ着てみてよ、ね?」
(か、簡単に言わないでよ……)

自然と軽く田崎さんを睨んでいたらしい……。
そんな私を見た田崎さんは、再び口を開くのだった。

「理沙ちゃんねぇ〜、僕の提案が無かったらコレ着てご奉仕する羽目だったんだよ?。
いろぉ〜んなトコ舐め舐めされてぇ、モミモミされてだよぉ?。」
「ぅ……く!?」
「全く知らない人のペニスしゃぶって射精されちゃったりとかねぇ〜〜。
挙句、この衣装着たまま素股でヌキヌキしちゃったりとかねぇ?。」
「…… …… ……」

下を向くしかない私に、容赦無い田崎さんの責め言葉。
(どうしてなの……どうなってるのぉ私の身体っ。
触られてもいないのに、どうしてこんなに身体が熱く火照るのよぉっ?)
事実、私の身体は激しく疼いていた。
夫とする以上かもしれない程に……。

「最初に言った通りで挿入とかは興味無いのね、それはホント信じてよ?。
奥さんの〜〜〜痴態が見たいだけだから、サ?。」
「っ!!」
「最初はうちでこの制服着てガンバっちゃう予定だったんでしょ〜〜?。
だったらさぁ奥さん……見るだけなら安いものじゃないの。」
「お……奥さんは止めて……くださぃ……」
「愛人契約書ね……これが機能してる間は僕の自由に奥さんを利用出来る。
だから呼び方も自由、これが契約書……だよ?。」
「そ、んな……」
「だからさ、こんな事で煩いたくない訳よ、解るでしょ解るよねぇ奥さん〜〜?。
もっとねぇ〜全裸が良いのであれば……ま、僕としても文句は言わないけど?。」

下着は着けてるものの裸同然、両手で何とか局部を隠していた私はハッとする。
あまりの展開について行けていない。
(やだ…私…… ……)
こんな浅ましい姿を晒し続けていたなんて……。

「どうなの?」
「…… …… ……き、着ます」

下着姿を晒すよりは数倍マシだと思った。
田崎さんの手から衣装(制服)をもぎ取った。
一刻も早く、身を布で包みたい。
もう、それ一心だった。

「あ、そうだったそうだった〜〜その制服を着けてる時はねぇ、下着一切厳禁だから。
どうせグショグショにされちゃうんだからねぇ、お仕事の時には意味無いでしょ?。」
「そ……ん…なっ」
「下着着けたままの風俗て、ねぇ?。
着たら脱いで見せてね、理沙ちゃん〜〜〜?。」


(こ、こんな物を!?)
見覚えのある制服を差し出され、そのモノを広げてみる。
考えられない程にお粗末で、着衣に何の意味も成さないモノだった。
ただ、ただただ男性の欲望を膨らませるだけの制服。
再び一瞬の躊躇。
だけど…… …… ……
そう、これを着て見知らぬ人と交える事は許された買われた身。
それに……下着姿を晒し続ける事なんて恥ずかしくてもう…… ……。
着るしかない。
慌てながらも着たこのお店の制服。
どんなに汚されても、どんなに乱暴な事されても衣装代というものを考えていないような粗末な素材。
ナイロン製の衣装…… ……。
全カラーがピンク色の衣装は私の大事な所を完全に隠してはくれなかった。

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