母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 妄想を誘う肢体8

 家の中では、耕平が悶々とした顔をしていた。
 アイドルが家の中にいる。父とセックスしてる。お風呂に入ってる。妄想が、耕平の頭の中を占拠し、昨日見た、今日見たDVDの映像が頭の中を駆け巡る。

ジャバッ、ジャバジャバ、ザーーー

 バスルームから水音が聞こえてくる。そして、妄想の奥で黒い考えが囁きかける。今がチャンスだぞ。今、奈緒は真裸だぞ。お前の侵入を遮るものは何も身に着けていないぞと……。
(いやっ、だめだ。アイツはオヤジの女なんだ)
 妄想が勝手に暴走するのを止めさせようと、耕平は顔を横に振る。
(今を逃したら、もうチャンスはないぞ。明日にはオヤジ、帰って来るぞ)
 しかし、もう一人の黒い自分が背中を押す。
(アイツが18になって、オヤジと籍を入れたら本当の母親になってしまうぞ。今はただの同居してる女だ……。それまでに、もうこんなチャンス、二度と来ないかもしれないぞ……)
 気が付くと耕平は、脱衣場、バスルームのドアの前に立っていた。

 身体を洗い終え出てきたまさみと、耕平は鉢合わせになった。まさみの瞳が驚きに大きく見開かされる。
「耕平君!? なっ、なに……?」
「やらせろ!」
 妄想の中で夢見た奈緒の裸が、耕平を何度も射精に導いた瑞々しい裸体が目の前にある。湯気を立てている、ほんのりとピンクに染まった風呂上りの裸体が……。耕平に後戻りする理性は残っていなかった。

「な、何? ……?」
 驚きキョトンとした顔のまさみ……。耕平が、前を隠していたまさみのタオルを奪い取る。
「キャッ!!」
 まさみが、慌てて両手で胸と股間を隠した。
「やらせろ! オヤジとしてるんだろ? 俺にもやらせろ!」
 耕平は、まさみの肩を抑え込み床に押し倒した。
「な、なに? だ、だめっ! わ、私たち……親子なのよ」
「俺は認めてねえ。お前はただの女だ! おとなしくやらせろ!」
 耕平は、股間と胸を隠している両手首を取り剥ぎ取った。そして、万歳の形にさせる。耕平の下で、まさみは少しでも肢体を隠そうと身体を捩り脚をクロスさせる。
「どうして? やだっ、やだあ……」
 顔を強張らせたまさみの声が震えている。耕平の身体の下には、万歳の格好をしたまさみの肢体がある。華奢な身体に不釣合いな豊満な胸、贅肉のないお腹、括れた腰……。まさみは驚きに大きく瞳を開き、仰向けになっても潰れることのない張りのある双乳が、荒くなった息に合わせ隆起を繰り返している。
「ど、どうして? どうして?」
「お前が悪いんだ。突然、俺の前に現れて……、俺を誘って……、惑わせて、狂わせたんだ……」
 今していることを肯定するように、自分に言い聞かせるように呟いた。

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