人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 開かれる淫獄の扉8

 美香は、度重なる絶頂の疲れと余韻でベッドの上でぐったりと横たわっている。
「旦那の夕食の準備はいいのか? もう、こんな時間だぜ」
 ベッドの上でシーツの海に漂う美香に、タバコに火を点けながら言った。
「いいの、しゅ、主人の帰り……、遅いから……」
 虚ろな目を泳がせながら、美香は答える。
「義弟がいるだろ?」
 篠原の言葉に美香は、はっと我に返る。義弟のことさえ忘れるほど、絶頂の渦に翻弄されていた。
「あん、昇君……の、食事、作らなくちゃ……」
 美香は早く帰らなくちゃと立ち上がろうとする。
「もう、間に合わないぜ。今から帰っても。ふふふ……」
 鉛のように重く感じる身体を、ベッドに両手を着き起こす美香。そんな美香に篠原は、もう間に合わないぜと手を差し出し腕時計を見せる。
「二時間は掛かるぜ、これから帰っても……。電話でもしたらどうだ? 遅くなるって、ふふっ」
 時計を示しながら、篠原は意地悪く笑った。



 美香は、携帯を手にサイドキャビネットの前に立ち電話を掛けている。もちろん全裸である。もう一回戦すれば、帰してくれると篠原に言われている。これで夫が帰ってくるまでには帰れる……。このホテルの場所が何処なのかさえ美香には判らない。そんな美香には、不本意では合っても篠原に従うしかなかった。しかしその前に、義弟・昇の夕食を何とかしなくてはならない。作れないことを伝えておかなければ……、同居しだしてからは家族の食事の準備は美香が一手に引き受けていた。とりあえず夕食を何とかして貰おうと、昇に電話を掛けることにした。

 数回の呼び出し音の後、電話は繋がった。
「の、昇君? ……」
『ねえさん? どうしたの?』
 少し驚いたような昇の声が返ってくる。
「あのね、友達とお話してたら……、今日、遅くなりそうなの。それでね、夕食……!?」
 夕食を作れないこと、篠原に抱かれたことの気まずさに言葉を途切れさせる美香の胸を、篠原が背後から弄ってくる。
『夕食? 自分で何とかするよ』
 いつものように気さくな答を返す昇に少し安心する。しかし、背後からは篠原が相変わらず美香の胸に悪戯を加えてくる。ヒヤヒヤしながら、携帯を持つ手を震わせた。
「そう? あんっ!」
 篠原が、美香の乳頭を指で挟み潰したのだ。敏感になっている感覚が、美香に声を上げさせた。
(やめて! 気付かれちゃうわ!)
 美香は振り返り、篠原を睨みつける。
『どうしたの? 姉さん』
「うっ、ううん、なんでも、ないの。お友達が悪戯して……。夕食、お願いして……いい?」
 篠原は、美香の背中を押し前屈みにさせる。篠原に向かってお尻を突き出すような格好だ。太腿の間から覗く恥丘の割れ目に、篠原はカリ首を宛がう。
(いやっ! 電話中なのに……、嘘でしょ!?)
 美香の驚きを他所に、篠原は腰を掴み固定し、グイグイと怒張を進めてくる。
『ああ、晩飯くらい自分で何とでもするさ。友達とゆっくりしてくるといいよ』
 昇の返事が携帯から漏れてくる間も篠原は腰を送り、怒張は美香の媚肉を割ってくる。美香は手で口を押さえ、漏れそうになる声を殺した。
「あん……。そ、そう? ……お願い……して、いっ、いいかしら……」
 抜き差しされる怒張が膣壁を掻き、美香の声を途切れさせる。
『どうしたの? 何か喋り方、変だよ』
「そうかしら? っ! な、なんでも……、うっ、ないわ……」
『そう? それならいいんだけど……』
(は、早く切らなくちゃ……、携帯……。ば、ばれちゃう……)
「お、お願いしていいかしら……」
『ああ、ゆっくりしてきなよ。宅配ピザでも取るから……。兄貴の帰り、今日も遅いんだろうし……』
「ええっ、そ、……それじゃあ、うっ、き、切るわね……」
『うんっ』
 昇の返事が聞こえるのと同時に、美香は携帯の通話を切った。
「あうっ、だ、だめえ……、うっ……」
 美香は短く官能の喘ぎを上げ、そのまま床に崩れ落ちた。



 一人で夕食のピザを食べている昇。
「ねえさん、さっき……変だったよな」
 昇には、さっきの電話の義姉が気になっていた。いつもの明瞭な喋り方と違い、くぐもった感じと途切れ途切れの話し方……。それが違和感を抱かせていた。
(どうしたんだろ?)
 考え事をしてると、ピザの上を飾るオリーブが一つ落ちた。落ちたオリーブは転がり、ソファーの下に潜り込む。
「あっ、ヤバイ。カビでも生えたら……」
 昇は転がったオリーブの実を捜し、ソファーの下を覗き込む。
「あれ? なんだ、この箱……?」
 見つけたオリーブの実の向こうに、見慣れない箱を見つけた。
「何だ? 何が入ってるんだろう……」
 昇は、箱を取り出し開けてみる。
「ん? ……写真?」
 昇は中から写真を取り出して眺める。チ○ポを咥えてる女性が、昇の目に飛び込んでくる。
「えっ!?」
 こんな卑猥な写真がこの家にあるはずは無かった。昇の部屋を除いては……。リビングで発見された写真は、昇の目を惹きつけた。
「ん!? 姉さん……?」
 写真に写っているのは、若かりし頃の美香だ。髪型こそ違うが、憧れの義姉の顔を見間違える筈は無い。
「嘘だろ!? 姉さんが……チ○ポしゃぶってる……。フェラ……してる……」
 信じられない画像に、昇の頭の中は混乱した。憧れの義姉の卑猥な画像、妄想に中では何度も想像した光景が、くっきりとした画像として目の前に現れたのだ。
「!?」
 昇には、混沌とする頭にふと浮かぶ光景があった。
「この身体、このシーン……、このポーズ……、まさか!?」
 昇は写真を手に、自分の部屋のある二階へ駆け上がった。

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