獣欲の生贄
フェラ男優:作

■ 復讐2

「そして、将来を誓いあった……」
「……」
菜実は坂井の顔色を伺いながら、何も言えずにいた。
坂井はただ、じっとスクリーンを見つめている。
「くくっ、おかしい、だろ? 高校生の菜実が聞いたって、まるで、幼稚園のおままごとさ」
坂井は苦笑した。
「そんな、こと……」
「ははっ!」
急に高笑いして、坂井は狂気の眼光を見せる。
(いや、お願い、おかしくならないで……)
菜実は坂井の視線から逃れるように、俯いた。
「菜実!」
「……は、はい」
弱々しく返事を返す。
「話はここまでだ。 わかっただろう、この間も言ったように、お前がここに居る理由が」
きびしい父親か兄貴でもいたらこんな叱られかたをするのだろうか、菜実は坂井の口調がそんな風に聞こえた。
「許してください……」
「何っ、まだ、何も言ってないぞ」
「……」
深くうつむく菜実。
「ふっ、菜実はキスの経験ぐらいは、あるのかな? 高校生だし、美人だから恋人もいるのかもしれないなあ……」
怯える様子の菜実に、坂井は少し声を和らげた。
「あの……、私、全然、男の人とか、知らないんです……」
言葉尻を濁す。
「菜実はもうすぐ十七歳になろうっていうのに、キスもしたことありません、……とか?」
「……」
「じゃあ、ちょっと手加減しよう」
「……」
「確か……、最初に会ったときに、見ただろう。 あの女の人のように、お口でしゃぶりすることから、始めよう」
「……!」
(そんな、どこが手加減なの? そんなこと……)
菜実は目を丸くして、首を振った。
「菜実。 こんなことが無理なようなら、パパもあっけなく倒産だな。 もう少し物分りのいい親孝行な子だと思っていたけど、見込み違いか……」
坂井はあきれたように椅子に反り返った。
「ああっ、でも……。 そんなこと、したこと、なくて……」
「そうだろうな、キスの経験もない女の子が、フェラチオはしたことありますなんて、普通、ないだろうな」
坂井はこともなげに言った。
「……」
「だから、言ってるんだ。 パパの代わりに苦しみが耐えられないなら、別に、帰ってもかまわない、家まで送らせよう」
「……」
菜実の目頭に熱いものが込み上げる、思わず両手で顔を覆って、返事をする。

「わかり……まし……た」
(パパ……、許してね、菜実が助けてあげるから)
「おいおい、何も泣くことじゃない、菜実ちゃんの年頃なら、
皆、知っていてもおかしくないし、少し大人の勉強をするとおもえばいいんだ」
坂井はおおげさに菜実に顔を近づけて慰めのような言葉をかけた。
「ただし、僕が満足するまで、指示に従ってもらうけどね」
優しく菜実の頭を撫でる。
「約束しよう、菜実の生活や周りの人達の生活を壊すようなことは絶対にしない、そして、菜実が僕の指示に従っている間は、菜実のパパの会社の仕事は順調に成功する……」
しばらくして菜実の頭がコクリと頷く。
「いい子だ、パパに親孝行のチャンスじゃないか」
(パパの会社を潰そうとしておいて……)
菜実は反感の思いで唇を噛んだ。
しかし、すぐに、坂井がズボンのベルトを緩めている所作が目に入り、過酷な現実を思い知らされるのだった。
菜実の隣で坂井はベルトを外し、ファスナーを下げた。
開いた隙間から、薄いブルーのぴっちりとした小さめのブリーフが見える。
坂井が大きくズボンの前を開くと、お腹の方に向かって収まっている性器の形が、くっきりと菜実の目にも明らかにわかった。
「さあ、ここからは菜実がするんだ。 ただし、ズボンはこのまま下げない方がいい、せっかくの眺めが楽しめないからね」


そう、二人の周辺の床は透けていて、下階の様子が見えるのだ。 それは、夕方を迎え、駅ビルらしい人の賑わいを呈していた。

「……、私、どうすれば……、いいんですか?」
菜実はうつむきながら、ぽつりと聞いた。
「そうか、そうだな、まずは手で下着の上から愛撫するんだ」
「あい……ぶ?」
「うーん、愛に撫でるって書いて愛撫。 だから、愛おしいように撫でるっていうことかな」
「は、はい……」
菜実は身体を左に捩り、そっと手を伸ばして、大きく盛り上がった股間の膨らみに右手を置いた。
薄い生地の下着からは、坂井の熱い肉棒の体温と形がよく判る。 菜実はすうっと陰茎に沿って袋から先端まで擦っていった。
「そうだ、まだ柔らかいだろう。 これが硬く大きくなるように愛撫するんだ」
(あ、熱い。 男の人のモノを触ってる……)
菜実が初めて触れる男の身体かもしれなかった、それが、よりによって男性器になるとは、菜実は自分の運命を嘆いた。
こんなことなら……、とオクテだったことを悔やんでも悔やみきれない。
「じゃあ、脱ぐぞ。 こんどは握って、おしゃぶりするんだ」
そう言いながら、坂井は腰を浮かしブリーフを腿まで下げる。
普通よりも大きいペニスがだらりと菜実の目の前に現れる。
菜実には当然判らなかったが、坂井のそれは、AV男優なみに形も大きさも、逞しいものだった
恐る恐る、菜実の右手が坂井の肉茎を握る……。
しばらくは握ったまま軽く上下に動かすように愛撫を施していたが、坂井の促すような強い視線に、菜実はゆっくりと、その先端に顔を近づけていった。
「……」
菜実はさっき、初めて間近で成人の男性器を見せられた瞬間、身体にビクリと電流のようなものが走るのを感じていた。
そしてまた、シャワーも浴びていない、生々しい男の性器の臭いを嗅ぎ、ゾクリとする感覚を覚えた。
それは決して好ましい匂いではなく、汗と体臭とアンモニアとスルメのような臭いだったが、それが牝を誘うフェロモンのように、鼻腔から菜実の脳芯を幻惑させたのだ。
要はHな気分になってしまったのである。
初めての男性経験だったが、菜実の肉体はもう十分に女として発育し、男を求めることを身体が要求しているのだった。
(どうして……、薬のせい?)
菜実はここへ連れてこられるときに飲まされた、錠剤のことを思い出した。 それは実際、坂井の命令に従順にさせるための鎮静剤であり、本来なら思考と五感が鈍くなるはずのものなのだが……。
(Hになる、薬だったんだ……)
菜実はそれが自分の淫乱な体質のせいなどとは、まだ知る由もない。

「そのまま口の中に……、先端を咥え込むんだ」
菜実は指示どおり、坂井のペニスを口に入れ、亀頭の膨らみの所で唇を窄めた、唇を締めた途端に口腔内で舌が亀頭の裏側にピタリと吸い付いた。
「う、んん……」
口に含んだことでまた強烈な性器の臭いが鼻についた。
そして、菜実の口腔内でムクムクと肉棒の先端は、硬く膨らんでいくのだった。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊