家畜な日々
非現実:作
■ 〜追記〜3
暫く睨み合いが続く時間が進み、大野が切り出した。
奴の発する声のトーンは明らかに、自分が圧倒的に優位に立っているのだという確信じみた口調。
「まず、ここが何処かを教えてやろう」
「……」
「私の酪農のな、雌牛や雌豚が出産する時に使う、家畜が出産する為の場所だ。」
「……だ、だから?」
精一杯の抵抗。
だが、大野はそれを面白そうにしている。
「お前は所謂、産まれたての変態家畜だと云う事だよ?」
「……それが…… ……楽しいの?」
反吐が出そう。
「牛や豚の家畜もな、色々と仕込まないと売れないんだ、これ本当の話」
「…… ……」
「同じ家畜としてお前も同等の仕込みと、それ以上の仕込みをしてやるからな」
「あんた本物マジ馬鹿ね、Hビデオの見過ぎじゃない?」
「実際にそうなるのは、お前だけどな」
「…… ……」
「取り合えず、今の現状では全く動けないだろう?」
「動けなくしないと、女を扱えなんだ?」
私の挑発を無視して大野は続けた。
「両手両足は、後ろで鎖で繋いでおいたんだ」
「……」
どうりで全く動かない訳だ……。
「裸ではちょっと辛いだろう?、ちょっと待ってろよな?」
(何? ……何か着せてくれるの?)
「ちょっと安堵したその顔、中々ソソられるな」
出てゆく間際で心を見透かされた失態に、私は本気で悔やんだ。
なんで、あんな男に…… …… ……。
「待たせたね」
数十分後、大野が何枚かの布を持って再び現れた。
投げ捨てられたその布は、服であると解った。
「枷をといてやろう、ソレに着替えるんだ。
風邪でもひかれたらたまらんからな……。」
そう言いながら、後ろに廻って枷を次々とはずされて行く。
ようやく自由になった手首を摩りながら、私は再び服へと移す。
「着ないのか?」
「下着は?」
無駄だと解ってたが、一応聞いてみる。
私のその問いに大野は、何も言わない。
諦めて、私は上着を手に取った。
シルクの白いブラウスと、黒のタイトミニ。
結構センスは悪くないと不覚にも思ってしまった。
手っ取り早く身をそれに包ませて、私は裸の視姦から免れた。
ようやく得られた服は私にピッタリで、それが逆に気味悪くなる。
だけど肌に心地良いシルクは、心から安堵する。
真っ白な光沢を放つシルクと黒のタイトミニで、ようやく人間としての尊重を取り戻した気がした。
だけど…… ……
「さて、手を加えようか?」
「な、何を……」
ハサミを取り出した大野は、いきなりタイトミニの裾を大きく切り取りだした。
出来上がった裾は、大体股下10cm以下……。
更に…… ……。
タイトスカートの真正面股部分に、骨盤の位置までスリットを入れられる。
「な、何を……!?」
「まだだ」
そう言いながら後ろへ廻った大野は、今度はお尻の真正面の中心に、ハサミを入れる。
これも骨盤の位置までだ。
捲れば前と後ろの恥ずかしい部分がモロに見えてしまう……。
「初めとは云っても、家畜なんだから大事な所もなにも曝け出さないとな?」
「……く」
「嬉しいだろう?」
「……馬鹿じゃないの?」
左右の手で、前後のスリット部分を抑えながら私はいってやる。
だが…… ……。
「ふむ……言っただろう?、家畜も躾が大切なんだと……なぁ?」
地雷を踏んだ…… ……私は失言したと感じた。
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