家畜な日々
非現実:作

■ 〜愛しき繭〜19

地下室の中、静寂で包まれている。
だが私は気が気じゃなかった。
俯き、ユウジの横顔を真顔で見つめ……それを繰り返すばかり。
他の人に私は笑顔を振り撒く勇気などない。
気付かれたくは無い。

私も穢れた身となったの。
そんな穢れた身を包む物は、ユウジが選んできた服。
まるでセンスの欠片も無く、安っぽい素材のブラウスとショートパンツ。
プレゼントなのをパパに知られているので、お陰で着替える事もできない。
隣に座るユウジは手を握って座っている。
その手は、心なしか汗ばんでいた。
この汗は恐怖などではない、これからの期待による発汗なのは間違い無い。

「ん、何?」

私の視線を感じ取ったのだろう、優しく微笑みながら振り向いた。
慌てて作り笑顔をして「ううん」と答え、私はユウジへの視線を前へと戻した。
(裏の顔はどっちなのよ……)
よく平気でパパの前に座れるものだ。
(……ぃや、それを言う……なら、私も…か)
そして再び、ヘコむ。
ここにいる人達……私達の立場を知る人間は誰一人として居ない。
いや……知られたくない。
私達の隣にはユウジのパパである寺田さん、そしてムネさんに佐治さんが同じく期待の眼差しを前に注いでいる。

いつもの地下室の重い扉が開かれ、パパが姿を現した。

「お待たせしたね、皆さん」
「いやいや〜〜、待つというのも一種の麻薬ですねぇ〜〜」

普通じゃない洋服店を経営するムネさんだ、この人は本当に世渡り上手なのだろう。

「それではお待ちかねの……変態奴隷雌豚由紀の登場だ」
「いょっ、まぁってましたぁ〜〜」

ムネさんの言葉に気を良くしたのかパパは司会口調になっていた。
それを下品な声と拍手で迎えたユウジ。
案の定、パパと寺田さんに軽く睨まれて首を竦めるのだった。

ペタペタ…ペタ、ペタペタペタッ……

聞き覚えのある音と同時に、変態家畜の雌豚由紀が全裸に四つ這いで現れた。
パパのにリードを引かれながら、地下室の中央まで悩ましげに全身をクネラセながら四つ這いで歩く雌豚由紀。
その表情は、恍惚に淫らなものだ。
どうすれば主達を満足出来るかを、考えるでなく身体で知っているという感じ。
肢体をクネらせ、身体に巻き付いた蛇とタランチュラはまるで生きているかの如く。
四足歩行する度、ワザとらしく左右に動く左尻の「変態家畜の雌豚由紀」と右尻の由紀のパパとママの名前。
その雌豚由紀がテラテラと濡らし続けるのは、ビンビンに突起した包皮手術を施されたクリ○リス。
完全に飛び出たクリ○リスは別の生き物の様にピクピクと震えている。
突起し続けるクリ○リスの真っ黒な円形のピアスがブラブラと揺れていたのだった。
中央に座した後、クィッと首輪のリードが引かれると……。

「今晩は変態家畜の雌豚由紀ですっぅ…んンぅはぁっはぁ。
この度…ぁは〜……雌豚由紀の痴態を御覧頂けることぉぉ〜ぁっぁ。」

更に強めにリードが引かれ、雌豚由紀の美しい顔が更に悩ましげに変わる。

「どぅ、どぉ…ぞ、どうぉ雌豚由紀のはしたない写真をぉ〜〜御覧下さいませぇ〜。
繁華街でっぇ、ハァハッァ……いやらしくどうしようもない変態っぷりぃぃ…をンゥ!。」

その変態的な挨拶は、まさにどうしようもない位の変態的なものだった。

「ふふふ、私が取ったデジカメと生身の雌豚由紀を見て頂こう。
クリ○リスのピアスのお陰で今もホラッ!。」
「ンぁンゥうう、っふっぅ!」

既に定着されている鈴の付いた左右のチェーンピアスを、左右に押し広げられ喘ぐ雌豚由紀。
(す、す……ごい濡れ具合)
ツゥーーーっと糸を引いた雌汁が床を穢すのだった。

「さぁ雌豚由紀、次なる調教の為の最終試練だ」
「んっぁはっぁ?」
「大いに狂い乱れるがいい」
「あっぁっはぁぁはぁっはぁ…ご、ご主人様ぁ」
「ふふふ、変態家畜の雌豚由紀ぃ、楽しめぇよぉお?」
「あっぁふうう〜〜〜!!」
「くっくっく、私の野望に力となせぇ雌豚由紀ぃ!」
「ぁっぁはっぁ〜〜はっぁはぁはぁンウゥ…くっぅ!」
「まだまだこれからだっ!!」



ウィィィ…ンガコガコッ……ィィイン……

ノートPCに接続されたプリンタが動く。
雌豚由紀の映像がプリンタされているのだ。
これで8枚目。

「よしよし、それで最後だな?」
「はっぁ…はぁはぁぁ〜〜はぁ〜〜……早くぅ…ぅ……ぅぅぅンゥ!?」
「何だもう限界かぁ、だらしないぞっ雌豚由紀っ!!」
「はぁぁ〜〜はっぁ……んふっぅんぁ!」

(ふぅ……やぁっと最後かぁ〜)
私は4枚目辺りから飽きていた。
プリンタとパパ達の間を往復するこの馬鹿みたいな行為。
だけどユウジときたら雌豚なんかに入れ込んでしまって、私なんて眼中に無い模様。
最後のプリントを眺めつつ足を進める。
(よくもこんなキワドイ事を……)
パパが少し怖く思えた。
今出てきた物は最後に相応しく、1つ間違えればお縄になりかねない。

「仕方ない……繭、次のを早く」
「あ、うん」

出来立てホヤホヤのプリント写真をパパに渡す。
パパは、それを自慢げに皆に見せて回すのだった。
一同が「おぉ〜〜」という歓喜の声。
最後は雌豚由紀に見せた後、前歯でプリントを咥えさせるのだ。
それが、雌豚由紀の仕事の合図なのだ。

「喫茶店の2人席でっぇ…はぁはぁン……ご、主人様ぁ…とっぉ……。
コーヒーを飲みながらぁ〜はっぁ、はぁはぁはぁ…。」
「どうしたどうした、早く言ってみろっ!」
「て、寺田様ぁぁ…ご、ゴメンなさいぃっぃ〜〜」

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