和世の性
あきんど:作

■ 14

扉を開けると、そこはパーティ会場だった。和世は島田の姿を探した。
ここがどこなのかさえわからないのに帰れるわけもなく、
島田に会わなくてはという思いでこのパーティ会場まで来てしまった。
服は着るものがなかったのでナンシーが置いていったのを着るしかなかった。テニスルックだった。
それもスコートが異様に短く、下着はなかったのでちょっとでも前かがみになると見えてしまう。
和世は会場を覗き込んだ。ナンシーの姿が見えて、彼女も和世の存在に気がついた
ナンシー「いらっしゃい、似合うわよその格好! うふふ」
和世「ここはいったい。あの、もう…帰りたいんです。わたし…こんなところ…」
ナンシー「帰りたいなんて言わずに、これからパーティーよ、ほらあそこ」
ナンシーが指差したほうを見るとテレビでよく見る若手アイドルグループがいた。
和世はアイドルをチラッと見ただけだったがその横にいる人物が気になった。
テレビで見たことのある政治家で、たしか以前総理大臣もしていた人物だった。
和世「ここはいったい?」
ナンシー「ここはね、望みのかなう国なのよあそこ見てごらんなさい」
ナンシーの指差すほうを見ると中学生くらいのセーラー服を着た女子が男に連れられて会場にいる。
ナンシー「あの子はね、母親が今裁判中なの、罪を少しでも軽くするために今がんばってるのよ」
和世「そんなことが…」
ナンシー「あそこみてごらんなさい」
ナンシーの目線をたどると数人のグループがいた、中には覆面をしている者もいた。
ナンシー「方無大尽と歳晩庁に似てなぁい? あの2人なら無罪にでも出来るわねぇ」
和世は何がなんだかわからないきょとんとした感じでナンシーの言葉を聞いていた
ナンシー「女の子を自由に出来る代わりにここは外国の領土なんでここには警察は来ないのよ…と言うかいるんじゃないかしら。うふ、ふふ」

ナンシーの言葉を理解しようと和世が頭の中を整理しようとしている時、
マイクで放送が流れたのだった。

「皆さん、今月新しく入ったお仲間を紹介しましょう、可愛がってあげてくださいね、
 陽子……めぐみ……そして和世です」

ナンシー「ほら紹介されたわよ、壇上にいってらっしゃい」

和世はナンシーに押されるように舞台の近くまで連れて行かれた。
すでに名前の呼ばれた二人は壇上にいる。
壇上にはテレビでよくクイズ番組を司会しているタレントがマイクで和世を呼ぶのだった
司会「さあぁ和世ちゃん、どうぞ壇上へ」
和世が躊躇していると観客達から拍手が起こった。
「かわいいじゃん、かっわいい」
和世は迷いながら躊躇っていたのだが司会のタレントに強引に手を引かれ壇上に連れて行かれたのだった。
他の二人、陽子とめぐみは若く10代らしかった。司会が1人ずつ紹介していった。
やがて和世の番になった
「和世ちゃん、紹介者は島田氏、今月一押しの彼女。では自己紹介を…」
和世はどうしていいかわからずただ周りをきょろきょろしているのだった
やがて観客から声が上がった
「かーずーよぉー」「かずよぉー」
司会「さぁ自己紹介を…どうぞ…」
和世はどうしていいかわからず困っていた
司会「和世ちゃんの自己紹介皆さん聞いてくださいね、さぁ和世ちゃん」

「かーずーよぉー」「かずよぉー」

和世「ごめんなさい」
和世はどうしていいかわからずとにかく謝ってぺこっと頭を下げた。
「ブラボー」「す、すげー」「丸見え〜」
和世は観客が自分の広報を見ていることに気がついて振り返った
そこは鏡になっていて和世がぺこっと頭を下げると和世の下半身が丸見えに写るのだった。

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