奪われた記憶
]:作

■ 第二章 百合子の過去3

(思い出したくない過去が次々と思い出されてしまう………屈辱的なことが……)



百合子は必死になって抵抗していた。この絶体絶命のピンチを乗り切らなくてはならないからだ。しかし、一輝も必死であった。失敗したらその時点で『ゲームオーバー』になってしまうからだ。百合子は美しい足を全力で動かしているのだが、縄で縛られてしまっては、それもまた無意味だ。だけど百合子は諦めなかった。ここで言いなりとなって犯されてしまってはあまりにも無残であるからだ。もう、言葉で説得するしかないのだ。しかし、一輝はさっきから何やらパシャパシャとやっている。百合子の縛られて、ほぼ半裸の写真を持ってきていたカメラに収めているのだ。

「ちょっと、一輝君!? 何やってるの?やめて!」

そんな百合子の言葉も夢中になっている一輝には届かない。

「しょうがない縄を解いて、帰らしてあげるよ! またね! 百合子先生!」

一輝はそう言い放つと百合子を自由にして帰っていった。

(写真………撮られ………ちゃ……った。)



数日後



休み明けの月曜日、百合子と一輝は何事もなかったかのように普通に学校に来た。百合子はいつもと変わらず色気をムンムンに漂わせていた。授業中に一輝は百合子と目があうと、意味ありげにニヤッと薄笑いをした。百合子は一瞬目をそらしたが、すぐにキッと一輝を睨んだ。

キーンコーン  カーンコーン

授業終了のチャイムが鳴った。

「先生! 後でいいですか?」

「いいわよ、私も言いたい事があるから!」

百合子は怒りに満ちた声で一輝に言い返す。だが、一輝は怯まない『こっちには写真があるんだ。』と自信に満ちた顔をしている。



放課後



教室で百合子は一輝との対決に向けて準備をしていた。しかし、百合子は迂闊だった。誰もいない教室で二人っきりになる事に何の危険性も考えていないからだ。

(やばい! 今度こそ犯される!)

一輝が来た!

百合子は何を言っていいのかわからず考えていると一輝はあまりにもあっさりと近づいてきたのだ。驚きのあまり身動きとれずにいると、一輝は親しそうに百合子のしなやかで柔らかい二の腕に手をかけた。

「な、何するの?」

「いいじゃないですか! 百合子先生。」

百合子はこの瞬間、自分の迂闊さを再認識した。一輝は今日は百合子を犯すのだと、気合十分だった。

「いい加減にして! 警察に言うわよ!」

「そんな事していいのかな? 写真のこと忘れてないよね?」

「じゃあどうしたら返してくれるの?」

百合子は一輝に問いかけた。

「そうですね。じゃあ先生の処女………ですかね!」

一輝は知っていたのだ、百合子がまだ処女だった事を。音楽室で百合子のマ○コを点検した時に気づいたのだ。

「じゃあ明日の朝、学校の近くの駅の電車のホームに来てくださいね。待ってます。」

そう言って一輝はまたも勝手に去っていった。

(なんて自分勝手な子なのかしら! でも、学校に行くには電車しかないし………)

しかたなく百合子は一輝の言うとおりにする事にした。写真を返してもらうために………罠だとわかっていても。

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