国取物語
しろくま:作

■ 7

この戦争は、ロマリアにとってあまりに不利であった。
実際、騎士団を1つ失ったこと。戦争のための準備も不十分であったこと。さらには500匹からなるオークとオーガの軍。勝利する要素は何一つなかった。
アレク自身も剣を取り、戦っている。ロマリアは背水の陣の気持ちでこの戦いに望んでいた。
しかし、はっきり言って戦況は好ましくない。騎士団や大砲部隊が善戦しているものの、どんどん町の方へ追いやられていく。
1匹でも苦戦する化け物が相手。いかんせん、固体としての戦闘能力に差がありすぎる。これでは、いかに屈強な騎士団に優秀な軍師が付いても結果は見えていた。
クリスは馬に乗り、次々にオークを仕留めていく。しかし、オーク達の勢いは止まらない。
そして町は完全に包囲された・・・
クリス「くっ・・・撤退だ! 撤退しろ!!」
そう叫んでいるクリスに、1匹のオーガが襲い掛かる。
クリス「ぐはっ!!」
オーガの強力な一撃を受け、クリスは気を失った。手加減はしているが・・・
オーガ「こいつは、敵の将軍じゃねーか!? よし、連れて帰るぞ!」
クリスは、殺されることこそ免れたが、捕らえられてしまった。
その後、アレクの下へ1通の手紙が届けられた。それは、捕らえられた兵士により届けらたものだった。
内容は難しく書かれていたが、訳すとこうなる。
『ロマリアの王アレク! 私はこれ以上無駄に血が流れることを望まない。速やかに降伏せよ! ちなみに、我々は第2王女であるクリスを捕らえた。彼女の命のためにも良い決断を望む。』
これはスーザンの皇帝から送られた手紙であった。
アレク「ク、クリスが!? しかし・・・」
軍師「王・・・クリス様の件もありますが、どちらにせよこれ以上の抵抗は無意味です。残念ながら・・・」
しかしアレクは迷っていた。このまま降伏すればロマリアの民は・・・

一方捕らえられたクリスは、牢屋の中に入れられていた。恐らくここは、スーザンの城の中であろう。
クリス「く・・・こんなところで・・・」
脱出を試みようとするが、それは不可能なことであった。そこへ、3人の男が現れた。
彼らは拷問を生業にしている《拷問官》のようである。確信こそないが、そんな異様な雰囲気を漂わせている。
拷問官「これはこれは、王女・・・これからは私が貴女の相手をすることになりました。よろしくお願いします。」
そう丁寧な口調で言うと、手を縛られているクリスを牢屋から出した。クリスは彼に蹴りを浴びせようとしたが、あっけなく押さえられてしまった。
拷問官「おやおや・・・私も成功作・・・おっと、あなた達がオーガと呼んでいるものです。彼等ほどではありませんが、そこそこの力があるんですよ。無駄な抵抗はおやめなさい。」
そして、クリスは謎の部屋へと連れて行かれた。
拷問官「ちなみに私は、ここで貴女を調教します。」
クリスは自分の耳を疑った。
拷問官「いや、なに、貴女は1年前の戦争でも大活躍されたそうで・・・戦場を駆ける女勇者。そんな貴女は、ロマリアを降伏させるためのいい材料になるんですよ!」
拷問官「一斉に町に攻め込んでもいいのですが、先のことを考えると、あまりロマリア人を殺したくないのですよ・・・わかりますね? あなたの肩にロマリア人の命が係っているのです。変わり果てた貴女を見て、戦意を・・・・・ね?」
クリスは恐怖した。そして自殺を図ろうとする。しかし・・・
拷問官「おっと・・・死なれては困る。貴女以外にも人質は大勢いるのですよ?」
クリス「・・・くっ・・・」
クリスは部屋を見渡した。その部屋には暖炉があり、小物は置かれているものの、拷問部屋という雰囲気はない。内心クリスはホッとした。
拷問官「では始めます。」
そう言うと、クリスは暖炉の前に連れて行かれる。
拷問官「まずは、貴女に敗北者としての印を刻みます。」
クリスは残りの2人に、地面にうつ伏せに押し倒され、お尻を上に出した状態にされる。そして、ズボンとパンツを下げられた。
クリス「な・・・何!? 何をするつもり?」
クリスは強姦されるものだと思っていた。しかし、これはそれ以上に過酷なものであった。
まず、拷問官は暖炉の中から、真っ赤になった焼き鏝を取り出す。
クリス「ま・・・まさか・・・」
そして、その焼き鏝をクリスのお尻に近づける。そのあまりの熱気にクリスの身体は震える。
クリス「う・・嘘でしょ? そんな・・・」
拷問官はお構いなしに、お尻に押し付ける。
クリス「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
じゅぅっ! と肉のこげる音と臭いがする。そして、あまりの衝撃に、クリスは失禁してしまった。
人前で失禁することが、どんなに屈辱的なことか・・・しかし、その時彼女には、そんなことを考える余裕はなかった。
クリス「あぁ・・あぁぁ・・・」
拷問官「だらしがない・・・貴女、それでも勇者ですか?」
そして、クリスのお尻にスーザン帝国の紋章が刻まれた。
その後一応、傷跡には薬が塗られたため、痛みはかなり引いている。しかし、クリスの顔は、痛みと屈辱のあまり涙でグシャグシャになっていた。
拷問官が続きを始めようとしているところに、ある知らせが届く。それはロマリアがついに降伏した、というものであった。
クリス「な!? そんなはずはない!! 父さんが降伏など!!!」
拷問官「いや、賢い選択だと思いますよ? それにしても、貴女を調教する必要がなくなってしまいました。残念です。」
そう言って拷問官はクリスを牢屋に戻した。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊