狂牙
MIN:作
■ 第1章 籠絡41
この家に潜入して、3ヶ月。
これで、第2段階完了。
完全に家族を屈服させたわ。
予定通り、全員自分の意志を残したままで、自分達からの屈服よ。
投薬と意識誘導だけで屈服させるのは、かなりの高等技術と細心の注意が必要だけど、今回も上手く行ったわ。
それも、私の記録更新ぐらいのハイペースで。
単純に強い薬で自我を崩壊させて、[操り人形]にするのは簡単。
だけど、この[ゲーム]でそれをすると、[勝敗]に大きな影響を出しちゃう。
自我を崩壊させた[操り人形]は所詮[人形]、長い間一緒に居れば、その違和感は一目瞭然、操られてる事がバレバレに成っちゃう。
今ご主人様が行ってる[ゲーム]の性質上、絶対に[その時]まで、ターゲットに知られちゃいけないのに、そんなリスクは犯せない。
違和感無くターゲットを追い込み、こいつ等家族の手でターゲットを陥れる。
それがこのゲームの醍醐味。
だから、多少手間が掛かっても、この方法を取るしかないのよね。
それがご主人様の勝利に繋がるし。
私は、目の前にひれ伏す、兄妹を見下ろして
「もう、良いわ。この関係は今日でお終い。これからは、それぞれの立場で可愛がって上げる。お前達顔を上げなさい」
頭を上げさせ、正座させた。
私はマゾの表情を作る啓一を尻目に、晶子のマスクに手を掛けて鍵を外し
「お前は、今から[性処理人形]のバイブよ。お前の持ち主は、コレ…」
啓一に背中越しに伝えながら、晶子のマスクを一気に剥ぎ取る。
その時啓一は、私に役目を示され、私が指名した晶子の方を見て居た。
そして、マスクが剥ぎ取られた瞬間、そのマスクの下に、最愛の妹の顔が現れ愕然としてたわ。
晶子もマスクが取れて光に目が眩み、ユックリと目を開けながら、自分の処女を貫き、犯し嬲り抜いた男の顔を見て引き攣ってた。
「あ、晶子…。ど、どうしたんだ…。その姿…」
「お、お兄ちゃん…。お兄ちゃんだったの…」
2人はお互いの顔を見詰めて呆然と呟き、自分達がした事、された事を振り返って、ガクガクと震え始めてた。
(あ〜、面白い。お互い自分の相手が、まさか兄妹だったとは、思ってなかったわよね…。さぁ、これからよ、こいつ等の態度如何で、お薬の種類を決めなきゃね…。人格は残したいから、流れに逆らうんじゃないわよ…)
私はベッドに腰を掛け直し、そう考えながらジッと2人を見詰めていた。
晶子は大きな目を見開いて、ボロボロと涙を流しながら
「う、嘘…。お、お兄ちゃんなの…。私が処女を捧げて奉仕し続けたのって…。クリトリスを切り取ったのって…。毎日、私のオ○ンコやお尻の穴に腕を差し込んでたのって…、お兄ちゃんなの…?」
変声薬の効果が切れた元の愛らしい声で、敬一に問い掛けてた。
「あっ、い、いや…。えっ…とっ、そ、そうだけど…。そうじゃなくて…、えっ…、どう言えば良いんだ…」
啓一は啓一で、一生懸命言い訳を考えようとしたけど、気の利いた言葉一つ出て来ない。
私は、2人の遣り取りを聞いて、一瞬で自分の視線が冷たくなるのを感じてた。
[あら、失敗?]そう思った次の瞬間には、ニヤリと頬が緩んだわ。
啓一の言葉を聞いた晶子の右手が、素早く啓一の左の頬に伸びて、[バチィーン]と小気味良い音を上げさせた。
啓一はキョトンとした顔を、晶子に向けながら、左の頬を両手で押さえ固まっていたわ。
「お兄ちゃん…。それ、誰に言ってるの?お兄ちゃんは、私の道具でしょ…。私にそんな口の利き方、許されると思ってるの?私に取ってお姉様の命令は絶対なの!そのお姉様の命令を守らない気?私…、そんなお兄ちゃん絶対に許さないわ…」
晶子は火の出るような目で、啓一を睨み付け、恫喝するような声で言った。
啓一は自分の頬を押さえながら、呆然と晶子を見詰め、何かを言いかけたけど
「ご、ごめん…僕が悪かったよ…」
晶子に向かって、額を床に押しつけ謝った。
だけど、晶子はそんな啓一の謝罪を聞いて、いきなり膝立ちに成って、右足で啓一の後頭部を踏みつけ
「誰に言ってるつもりなの!お兄ちゃん、お姉様にどんな立場をお許し頂いたの!解って喋ってる?」
眉を跳ね上げて、かなり怒りながら怒鳴りつけたわ。
兄の矜持が有ったのかしらね…、言葉を選んだのが、啓一の間違いよ。
ほら、晶子は凄い目で、睨み付けてる。
晶子にグリグリと頭を踏みにじられて、啓一は諦めたのかしら、素直に謝罪を始めたわ。
「も、申し訳…ご、御座いません…、どうかお許し下さい…。あ…あ…、晶子…さま…」
啓一は口ごもりながら、晶子に謝罪してたわ。
だけど晶子は啓一の頭を床に縫いつけるような勢いで、思い切り体重を掛けて
「お兄ちゃん…。私は、これからも[お兄ちゃん]って呼ぶけど、お兄ちゃんは私の事、何て呼べば良いと思う?」
意地の悪い顔で、啓一に問い掛けたわ。
啓一は直ぐに
「は、はい。ご主人様で…宜しいでしょうか…?」
晶子に問い掛けたけど、晶子は啓一の頭を床にゴンゴン押しつけながら
「馬鹿ね。それじゃぁ、お姉様を何て呼ぶつもり?まさか[由梨様]とか言うつもりじゃ無いでしょうね」
啓一に問い直す。
啓一は頭を床にぶつけながら
「も、申し訳御座いません…。あ、晶子様で宜しいでしょうか…」
晶子に答えた。
晶子は腕組みして啓一を見下ろし
「まぁ、妥当な所ね…。それで良いわ」
偉そうに頷いて納得したわ。
晶子はお互いの呼び方を決めると、啓一の頭の上から足を下ろして、私の方を向きながら床に平伏し
「お姉様、道具を下さって有り難う御座います。これからも、性処理人形の晶子を躾けて下さい」
私に服従の意志を示した。
私は晶子の服従を受け取って、顔を上げさせる。
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