虜囚にされたOL
木暮香瑠:作

■ 寂しさと愛しさの狭間6

「はあ、はあ、はあ、ああ……」
 麻希は荒い吐息を吐きながら、部屋に崩れこんだ。世間から逃げるように走って帰って来た為、心臓がバクバクと血液を吐き出していた。速い血流は、媚薬を身体中に駆け巡らせ意識を朦朧とさせた。
 身体が熱い。タイトスカートの中で擦れた太腿が、ブラジャーに押さえ込まれた双乳が疼く。束縛から逃れたくて、ジンジンと痺れている。
(ああ、だめえ……、このままじゃあ……おかしくなっちゃう、わたし……)
 麻希は淫靡な火照りを冷まそうと、浴室に入った。シャワーを浴び、邪淫な熱を洗い流したかった。

 麻希は、一気に淫らな欲望を洗い流そうとコックを捻った。ノズルの中で圧縮された水は、開放される喜びを表現するかのように弾け降り注いだ。
 シャワーの水が麻希の肢体を激しく撃つ。
「あうっ、ああ……」
 麻希は喘ぎ声を上げ、全身にシャワーを浴びた。

 水滴の一つひとつが、性感帯を見つけ責めて来ているように刺激する。それほど身体中が感じやすくなっていた。
「ああ、だめっ……、だめえ……。か、感じちゃう……」
 麻希は頭からシャワーに嬲られながら、浴室の床に崩れ落ちた。浴室の床に横たわった麻希に、シャワーは容赦なく降り注いだ。
「か、感じちゃう……。ああ、いい……、いいの……」
 麻希は腰をくねらせながら全身にシャワーの飛沫を浴びていった。

 虚ろに開いた瞳で見上げる麻希には、シャワーの水滴はザーメンが降り注いでいるように見えた。淫猥な幻影が麻希を襲う。胸に腰に水滴が撃ちつけられる。一つ一つ水滴が意識を持っているかのように麻希を責めてくる。シャワーは勃起した乳頭を強く打ちつけ、お腹を優しく愛撫する。
 麻希は、両手で双乳を強く握り潰しながら、腰を浮かし淫花をシャワーに掲げた。シャワーの飛沫が、激しく淫花を打ち付ける。
「ああっ、いいっ、いいの……。も、もっと頂戴、もっとミルクを……」
 麻希はいっそう高く腰を掲げ、自らの手で秘唇を開き媚肉に直接シャワーを浴びた。

 三日間、待ちに待った快感がやっと訪れようとしている。
「ああ、いい……、いいの、亮輔さん……、もっと太いのを……」
 麻希は、秘孔に激しく指を出し入れする。三本の指を忍ばせ、粘膜を掻き回した。

 今までの欲求不満を、焦らされ続けた淫欲を開放するかのように、激しい快感に浸った。
「ああん、ああ……。いい、いいの……、いい……、あああ……い、いくうう……」
 麻希は、甘美な充足感に満たされていく。太田に犯されて以来の深い絶頂が、麻希の不安や恐怖を癒していく。麻希は、ガクガクと腰を揺すりエクスタシーを迎えた。

 降り注ぐシャワーの中、麻希は指を動かし続けた。胸を揉み乳頭を摘み、もう一方の手でクリ○リスを、秘孔を責める。
「いいの……。い、いい……、乳首も、お豆も……あん、ああん……」
 亮輔に会えない寂しさも、太田親子に嬲られる恐怖も忘れていた。ただ、甘美な官能だけが麻希を包み込んでいた。
「もっと、もっと……、あん、ま、またイっちゃう、い、いい……」
 エクスタシーの波が、何度も何度も押し寄せた。

 麻希が目を覚ますと、相変わらずシャワーの飛沫が降り注いでいた。何度も何度も絶頂を味わった。その中で気を失っていたのだ。
 どれくらいの時間が経っていたのだろう。媚薬の効果は薄らいでいる。寂しさにも似た切なさが、麻希を包んでいる。
「もっと、もっと太いのが……ほ、しい……」
 誰もいない浴室で、麻希はポツリと呟いた。

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