哀妹:芽衣
木暮香瑠:作

■ 兄だけに捧げた身体4

 クネクネと動くバイブが芽衣の股間に近づいてくる。
「いやあ、止めて。そんなこと……、いやああ……」
 芽衣は、必死で逃れようとするが、縛られ拘束された身体をクネクネと揺することしか出来ない。
 バイブの振動が亀裂をなぞった。バイブに芽衣の愛蜜が塗される。さっきまで桂の肉棒を咥えていて、少し開いた割れ目の奥で、媚肉が蠢く。
「いい、いっ、いや……、だめぇ、入れちゃあ、そんなもの入れちゃあ……」
 桂は、バイブを秘孔に入れることはしなかった。恥丘の周りをゆっくりとなぞっていく。愛蜜にぬれたバイブが、ビリビリとした振動と共にクネクネと動きながら敏感になった浅瀬を滑っていく。
「だめ、も、もう、止めて……、変になっちゃう」
「イきたくないのか? こんなにグショグショに濡らしてて……」
 芽衣の股間を這い回るバイブは、愛液でヌルヌルに光っている。愛液は、バイブを濡らしアヌスからシーツの上に流れ落ち大きな染みを作っていく。
「い、イきたくない。お、おもちゃなんかで……」
 芽衣の爪先がピンッと伸びる。背中がピクピクと痙攣を始める。その瞬間、バイブは逃げていく。絶頂の淵まで登りつめてはスーと逃げていく。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…………」
 荒い吐息を吐いて横たわる芽衣に、バイブ責めは続く。バイブの先端がクリ○リスを狙った。
「ひっ、ひいいいい……、ひいい……ううあ!」
 今までの責めで、包皮を掻き分けちょこんと顔を出した真珠色の突起がバイブの振動で責められる。
「はうっ、ああああああ………、いっ、いっちゃううう、ううっ、ううううう………」
 兄のクリ○リス責めは、またも絶頂の直前で止められた。

 桂のバイブ責めは、決して秘孔に挿入されることなく2時間にも及んだ。繰り返し、胸に恥部にとバイブによって責められる。絶頂の淵まで登りつめられ、しかし、決して絶頂は味わわせてもらえない。芽衣を満足させないまま、兄は合宿に出かけていった。



  芽衣は夜を迎えた。芽衣の身体の芯に、鉛を打ち込まれたような疲労感だけが残っている。自分の部屋で一人になった芽衣に、明日の一日奴隷の約束が暗く影を落とす。兄がいないことが不安を増長させた。5日間、兄は帰ってこない。ベッドの上に座った芽衣の前には、兄から渡されたバイブが置かれている。芽衣は、バイブから眼が離せない。しばらくの間、見つめたままでいる。兄のいない5日間、バイブが芽衣の不安を紛らわせてくれるのだろうか。バイブでの快感に酔う自分を想像してみる。そこには淫らな自分がいた。
「いやっ、こんなおもちゃでなんか……」
 芽衣は、淫らな自分を否定してみるが、バイブからは目が離せないでいる。

 芽衣は、恐る恐るそれを手に取った。スイッチを入れてみる。ブーーーーンと唸りをあげ、バイブが動く出す。
「いやっ!」
 芽衣は、思わずバイブを手から離した。芽衣の手から落ちたバイブは、ベッドの上でクネクネと動いている。
「いっ、いや。止まって……」
 両手でバイブを押さえるが、止まりはしない。押さえこんだ手の中で、バイブはクネクネとうねり、絶え間ない振動を掌に伝えてくる。芽衣は、慌ててバイブを取り上げ、スイッチを切った。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
 バイブの動きを見ただけで、芽衣の呼吸は荒くなる。
「ど、どうして?……どうして、最後までしてくれなかったの? おにいちゃん……、
どうしておもちゃなんか使うの?」
 芽衣は、恨めしそうにバイブを見つめた。
「こんなおもちゃ、使えないよ。おもちゃでなんか……。おにいちゃんでないと……、どうすればいいの?」
 何度も絶頂寸前で止められた身体は、今でも熱っている。しかし、芽衣には、バイブで使う勇気はなかった。
「おにいちゃんのバカ、バカ……。どうして……」
 芽衣の頬を涙が伝う。芽衣は、泣きながら眠ってしまった。

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