売られた少女
横尾茂明:作

■ 離郷3

「おお・・いいとも・・ゆっくり美由紀と暖まってこいや!」

 美由紀は芳雄と外に出る・・もう星が東の空に三つほど見えた、冷たい春風が吹き・・風呂の明かりが揺れる。

 美由紀は両手で芳雄の背中を押して風呂へ向かう・・芳雄の心臓の鼓動が手に伝わってきた。

 脱衣室で二人は見合う・・昨日までなんの関心もなかった少年が目の前にいる。そんな少年の前でいまから裸になる・・まるで公道で裸になるぐらいの恥ずかしさ・・でもその感覚がいい・・淫らな感覚が素敵!。

(そう・・淫らになろう・・今夜は最後なんだ・・思い切り淫らを演じよう!)


「芳雄君・・美由紀のことが好きだって光男君に聞いたけど・・どれくらいスキなの?」

「・・・・・・・・・・」

「そう・・そんなにスキじゃないんだ・・・・」

「ち・・ちがう・・僕は・・僕は・・君のこと・・・ずーっとスキだった・・でも・・今まで言えなくて・・」
「小学校のときから・・いつも君を見てた・・・・・毎日・・・・つらくて・・・・・」
「去年・・君が廊下に落としたハンカチ・・今は僕の宝物・・君の香りがして・・君の香りが苦しくて・・」
「・・・・・・・・・・」

「ごめんね・・そんなに好いてくれてたの・・・・・・ありがとう」
「美由紀・・嬉しい・・でも・・ごめんね・・私・・芳雄君が思ってるような女の子じゃないのよ・・・」
「今は・・光男君の・・・・・・」
「意味・・わかるでしょ・・?」
 
「今夜・・・・私のすべてを見せてあげるね・・・・」
「それを見て・・芳雄君・・私のこと・・忘れて・・・」
「私の裸・・思い出に・・してくれたら・・美由紀嬉しいナ」

「・・・・・・・・・・」

 美由紀は芳雄の返事を聞かず唐突に口づけをした・・。

 芳雄は一瞬身を引いたが・・美由紀の香りに覆われて・・魅入られるように抱きしめる。

 なめらかな唇の感触・・舌のヌメリは芳雄にはまだ刺激が強すぎたのか、貧血で芳雄は揺らいだ。

「芳雄君・・私の服、脱がせて・・」

 美由紀は芳雄の耳元で甘くささやく・・。

 芳雄は一瞬ブルッと震え・・躊躇する顔で美由紀を見つめて・・意を決するように美由紀のセーラー服に手をかけた。

 美由紀は万歳する格好で合意する・・。

 後は淡々と作業が進められる・・しかしブラジャーとパンティーになったとき芳雄の手が止まった。

「芳雄君・・早く脱がせて・・・美由紀・・寒いヨー・・」

 美由紀は手を後ろに回しブラジャーのホックをはずす・・そして肩ひもを片方外して芳雄に目で促す。
 芳雄は震える手でブラジャーを外す・・・(あっ・・あぁ)

 真っ白な形のよい豊満な乳房がこぼれる・・芳雄は痺れる思いで魅入る・・。

「芳雄君・・早く脱がせて・・寒くて・・」

「は・・はい・・」

 芳雄は片膝をついてパンティーに手をかけ下ろし始める・・恥丘部が現れ・・淡い陰りが目を焼く・・芳雄はワナワナと震えながら少女の柔らか色の亀裂を目にする・・
(あぁぁぁ・・これが・・美由紀・・)

「さー芳雄君も脱いで!」

 美由紀は言うやいなや芳雄の服を一気に剥ぐ・・パンツを脱がせるとき芳雄は脱がされまいと押さえる・・。

「もー芳雄君たら・・こんなに大きくしちゃって・・さっ早く脱いで!」

 芳雄はモジモジしながら横を向いてパンツを脱ぎ陰茎を手で隠す・・。

「さっ入ろっ」

 美由紀に手を引かれ湯殿に導かれる、手桶に湯を汲み芳雄の体にかけ・・次いで自分にもかけて檜の風呂につかる・・
「芳雄君・・何してんの・・さっ早く横に来て」

 芳雄は陰茎を握りおずおずと風呂に片足を入れる。白い陰嚢が美由紀の目の前で揺れた。

 美由紀の横にようやく並び・・ため息をつく芳雄・・
(可愛い子・・弟ってこんな感じなのかな・・)

「芳雄君・・暖かいね・・」
「もー芳雄君たら女の子脱がせるのに時間かかるんだもん・・」

「・・・・・・・・・・」

 それから会話は途絶え・・二人は無言で風呂に浸かる・・。

 十数分の時が流れる・・くっつきあった体の側面に神経が集中し自然に体が上気してくる・・。

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