夢魔
MIN:作

■ 第19章 出張12

 金田は梓の申し出を、腕を組んで考え始めた。
(足で洗えって…どう言う事だ…)
 しかし、梓が直ぐにその答えを金田に告げる。
「医院長様のおみ足で、踏みつけながら洗っていただければ、奴隷の梓には充分で御座います」
 梓の答えに金田は頷き、立ち上がり梓の背中に足を乗せた。
 梓の身体には、まだ金田を洗ったボディーソープの泡が付いている。
 背中の部分にはあまり付いていないその泡を、金田は別の所から足の裏に塗りつけ、背中に伸ばした。
 平伏したままの梓の背中を、薄笑いを浮かべた金田の足が前後する。
 成れていない金田は、バランスを崩しては梓の背中に、体重を掛けた。
 しかし、梓は体重が掛かろうと、爪が肌を引っ掻こうと、微動だにせず金田に身体を洗われる。
 美しい梓の背中を踏みつけ、蹂躙するような、洗い方に金田は興奮を抑えられなくなって来た。
 背中を洗い終えた金田が、足を浴室の床に降ろすと、泡で滑りバランスを崩す。
 その時上げた足が、梓の肩口を蹴る形になった。
 すると、梓はゴロリと身体を反転させ、仰向けの形に寝そべる。
 金田はその動きにドキリとした。
(身体の前も、踏みにじって洗えと言うのか…。解った、解った…望み通りにしてやろう…)
 金田はニヤニヤと笑うと、梓の乳房に足を乗せこねくり始める。

 平伏している時と違い、梓は金田の足の動きに合わせ、自分の身体を自然に動かした。
 腕を上げ、足を開き、腰を反らせる
 股間を現れる時は、蛙のように大きく足を開き、全てを晒していた。
 金田は執拗に丁寧に梓の身体を、足の裏で蹂躙し洗い清めてゆく。
 身体をおおかた洗い終えると、金田の足が胸元から首筋に進む。
(良し洗い終えたぞ…後は顔だけだが…)
 金田が考え一旦片足を軽く上げると、スッとその足の下に梓の顔が移動した。
 金田は目を向いて驚く。
 しかしその視線の先に、梓の目がにこりと微笑み頷いた。
 金田はニヤニヤ笑いながら、夢中で梓の顔を蹂躙した。
 足の裏を擦りつけ、化粧を剥ぎ取り、足指で梓の顔を弄ぶ。
 梓の顔が、落とされた化粧とボディーソープの泡で、まだらに変わると、金田は足を下ろし、シャワーを手にする。
 梓はスッと起きあがって、金田の前に正座して両手を床に付き、顔を突き出してじっと待った。
 金田はオドオドとシャワーヘッドと梓の顔を見比べ、頭からお湯を掛け梓の泡を落とす。

 由美子が浴槽の中で、スッと溝口に寄り添い
「あんな風に洗われるのって…どんな気持ちがするんでしょう…」
 小声で耳元に囁いた。
「今度試してみるか?」
 溝口が冗談交じりに由美子に答えると、由美子はジッと溝口の瞳を上目遣いで見上げ、コクリと頷き
「お願いします、ご主人様…」
 首にしがみつきながら、甘えた声で答えた。
 溝口が由美子の変化に驚いていると、両隣にいた岩崎と長橋も同じような状態に成っていた。
 溝口はフッと微笑みを顔に浮かべると、視線を金田達に戻す。
 梓は手早く髪の毛を洗い、メイクをクレンジングで洗い流して、再び金田にお湯を掛けられている所だった。
 梓はお湯を掛けて貰った事を感謝し、金田と共に浴槽に向かってくる。
 歩いてくる金田の横を、梓は高足の四つん這いで這っていた。
 その高く掲げられた梓のお尻を、金田は至玉を磨くように撫で回している。
「さあ、入るぞ」
 金田が梓に命じて湯船に浸かると、梓も素早く浴槽に滑り込み、金田の背後に回った。
 金田が驚いていると、梓が自分の高さを調節して
「失礼いたします」
 金田の首の後ろに両乳房を当て、肩を揉み始める。

 梓の徹底した奉仕に、その場に居た6人がポカンと口を開けて見ていた。
 奉仕をされている金田ですら、驚いて呆然としている。
 そんな金田の耳元に梓が顔を寄せ
「先程は御聖水が、お出にならなかったのですか? 奴隷の身体をお流しいただけると、思っておりましたのに…」
 ひっそりと囁いた。
 金田は驚きすぎて、湯船に滑り落ち、バシャバシャと暴れる。
 梓が直ぐに手を伸ばして、助け起こし謝罪した。
「ビックリさせるな。あぁあ〜っ、もう良いからお前もリラックスしろ。お前の話を聞きたそうなのが、ゴロゴロ居るから答えてやれ」
 金田は周りを指さし、梓の奉仕を終わらせる。
「はい承りました…、では、何なりとお聞き下さい、お答えできる事は、全てお答えいたします」
 梓は金田にお辞儀をし、6人に向き直るとニッコリ微笑み答えた。

 梓は風呂から上がると、甲斐甲斐しく金田の世話を焼き、付き従う。
 浴室内では、梓の心構えや奉仕の仕方を由美子達が必死になって、聞いてきた。
 その質問に全て答えた梓を見る彼女達の目は、明らかに尊敬の念を浮かべている。
 その証拠に、由美子達は梓を真似て甲斐甲斐しく自分の主に接し、全裸で高足の四つん這いをして主人に付き従った。
「形から入るのも、大事な事だと思います」
 質問に答えた梓が、最後にそう言ったからだった。
 金田と梓は副寝室に向かい、仮眠を取る事にした。
 金田が布団に入ると、梓がその脇で身体を丸める。
「何をしている…俺の横に来るんだ…。こっちで寝ろ」
 金田が梓に命じると、梓はニッコリ微笑み
「はい、医院長様…失礼いたします」
 金田の横に身体を滑り込ませ、擦り寄ってきた。
 金田はそんな梓の献身的な奉仕に、心から満足する。
 だが一方、その献身が偽りに思えて成らない。
(この献身は、柳井君に命じられているだけだ…。本当の俺に向けられた物じゃない…)
 金田は梓が示す物全てが、自分に向けられた物では無く、稔に向けられている物だと感じている。
 満足と苛立ちの中で、いつしか金田は眠りについた。
 眠りについた金田は、梓の身体に擦り寄り、いつの間にか身体を横たえ、足を抱え込み胎児のように丸まって眠る。
 梓もそんな金田の身体を、優しく包み込むと、静かな寝息を立て始めた。

■つづき

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