夢魔
MIN:作
■ 第31章 農場5
悦子はその小室の態度に怒りを覚えながら
「どう言う意味! 先生だったら、どうにか出来るって言うの」
理由を知って居るような口振りの小室に、問い掛ける。
「私がやっても駄目だろうな…。だが、改善策は出せるよ」
小室は自信満々で悦子に告げた。
悦子は、柳眉を吊り上げ
「その言い方。先生、理由を知ってるのね。教えなさい!」
悦子は小室に向かって命じると
「タダでかい? 私はしがない末端指導教師だから、実入りが無い事はしない主義でね…」
悦子に肩を竦めて告げる。
悦子は唇を吊り上げ、侮蔑の表情を作ると
「良いわ…。その情報、貴方の言い値で買って上げる」
小室の意見を受け入れた。
「へへへ…。まいどどうも…」
小室は、薫から白紙のポイントチケットを受け取ると、数字を書き込み薫に渡す。
薫がそのチケットに書かれたポイント数を見ると、キュウッと眉毛が跳ね上がり、小室を睨み付ける。
小室はそんな薫を、[フフン]と鼻で笑い無視をすると、薫は無言で確認のサインをして、小室に渡した。
小室は嬉しそうにチケットを受け取ると、スーツの内ポケットに片付け、悦子に視線を戻すと
「君達3人共男性の経験が無いだろ…原因はそれさ…。アレだけ色っぽいのに、身体の反応はお粗末…誰でも違和感を感じるのは当たり前さ…。それに、操る君自身が男を知らないんだ。あの結果は、当然だね…」
小室の言葉を聞いて、悦子は愕然とする。
言われてみれば、それは当然だった。
SEXを知らない悦子達が、幾ら操作してもSEX時の反応を教える事など出来る筈も無い。
小室の言葉を聞いた薫は、キッと小室を睨み付け
「まさか、その程度の情報で、アレだけのポイントを要求した訳じゃ無いでしょうね…」
小室に詰め寄ると、小室は肩を竦めて
「勿論。打開策で一番効果的なのは、何と言っても源さんに預ける事だけど、源さんは先ず受け入れ無いだろうね」
小室は肩を竦めたまま、悦子達に告げる。
悦子はその情報に怪訝そうに眉を寄せ
「どうして、先生にそんな事が言い切れるの」
小室を問い詰める。
小室は悦子の質問を鼻で笑うと
「あの源さんは、全くのノーマル…、それにフェミニストだから、あそこ迄仕上げた久美を見せると、間違い無く君達を敵視する。実際君達に仲間入りした白井先生に聞いて見ると良い。彼女は同じ理由で、彼から敵視されている」
小室はそう言うと、押し黙り悦子の反応を見るように、悦子の顔を覗き込んだ。
悦子は黙り込んで、小室の情報を吟味すると
「で…。後は誰を使うのが良いの…」
ボソリと呟くように問い掛ける。
小室は薄いを浮かべ
「後の調教教師は、自分達の奴隷教師を育て、尚かつクラス委員の依頼も受けなきゃいけないから、そんな暇無い筈だ…。白井先生にはチ○ポは付いてないし、男の快感点なんて教えられない…。学生の未熟な技術じゃ使えない…」
悦子に説明を続けたが、余りにも小馬鹿にした声音で、ダラダラと話す小室に、苛ついていた悦子がキレて
「だから、早く言いなさい! 一体誰に依頼するのが、ベストなの!」
怒鳴り付けた。
悦子は小室の回りくどい言い方に、完全に頭に来て怒りを露わにする。
だが小室はそんな悦子の怒りをおどけてかわしながら
「ここ迄言っても分からないのかい? 適任者が、目の前に居るじゃ無いか」
自分の胸を指差し言った。
悦子は[ハァ]っと顔を歪め小室を覗き込み
「先生…、それマジで言ってる?」
小室に問い返す。
小室は大きく頷いて
「ああ、本気だよ。実際私しか居ないだろう」
悦子に念を押すように告げる。
するとそこに、小室の話を黙って聞いていた薫が割って入り
「悦子様…小室先生の仰る事は、概ね合って居ます…。ですが、一部重要な情報が抜けて居ます」
悦子の耳元に囁いた。
小室は薫の囁きを聞き、顔をギクリと引きつらせると、薫がゆっくりと視線を小室に向け
「ネェ、そうでしょ先生…。迫田先生は、奴隷教師を管理されては居るけど、その数は1人…私達の手助けをして下さる時間は、十分お持ちだと思いますわ。それにあの方は、今でこそあの地位に甘んじて居られるけど、黒澤先生や京本先生と肩を並べておいでだったそうですね…」
薫の言葉を聞いて、小室の顔は完全に引きつる。
本来その情報は、生徒達には知られて居ない筈の情報であった。
「ど、どうしてそこまでの情報を知って居るんだ…」
小室は余りの驚きに、ボソリと呟き認めてしまう。
「あら、そんな凄い先生だったの? じゃぁ、迫田先生に依頼しましょう。久美を回収して、直ぐに取り掛かるわよ。薫、依頼の方お願いね」
悦子が薫に命じると、薫は直ぐに頷いて、携帯電話を取り出し、悦子はマイクに向かって久美を誘導して、車に向かわせる。
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