三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」36
そして温泉施設の駐車場についた。この施設は温泉だけではなく普通の店とかスポーツクラブとかが入っている。だから、周りの車から降りる人たちは普通に服を着た人がもちろん多かったが、すでに水着の人がスポーツクラブに入っていったり、僕たちのようにかなりラフな格好で温泉に向かっている人も結構いたりした。
そして、温泉! 前の世界の時と同じ、入り口はガラス張りなのだが「会員制」「18歳未満お断り」という表示が張ってあって、ちょっと違和感があった。
18禁なんて、風俗店みたいな…でももちろんそんな薄暗いような雰囲気とは全く反対だ。
ガラスの向こうには、多くの男女がいた。前の世界のここで見たより平均年齢は若い。まあ、男性は比較的年配の人も来ているようだが…
そして、ここから見える時点で、もう半分くらいの人は、脱衣していたのだ。
僕たち7人は自動ドアを開けて、中に入った。もともとタオルではないのどか以外の4人の女子は、さっさとタオルをとってしまった。そしてあつしも。
僕も、それを見届けた後でそっとはずした。
「これは入れそうにないねぇ」
はるかが言った。顔を上げると「現在満員のため、入場制限中です」という看板が出ていた。
「1時間くらい待つみたいですよ」
さきにフロントに行って聞いてきたさちこが言った。
「まさるさん、待ちながらここでやっちゃいましょうか」
そしてさちこは僕に向かってそう言い、コンドームの包みを取り出した。
それは、いいのか?? もう「会員制の」施設の中だから、いいのか…
周りでは、いくら服を着ていない男女がたくさんいても、手とかそれ以外の体の一部ををつないでいる人ぐらいはいても、それ以上の人はいなかった。
さちこは抱きついてキスしてきた。僕は考える間もなく、さちこに押し倒されるままになった。
その時、近くにいた係員が、申し訳なさそうに声をかけた。
「お客様…ここは、まだ外から見えますので…」
それで、さちこも僕も我に返った。
「今日は入会だけして帰ろうか」
りんこさんがそう言って、そのような流れになった。
のどかだけは、年齢を証明するものを求められて学生証を出したりしたが、他の人は問題なく入会の書類を渡された。
一枚目は普通の入会申込書で住所とか書く…一応、ボロアパートの方の住所を書いた。だいたい、女子寮の住所なんて暗記していないし、男子が書類に「住所…〜大学女子寮」なんて書くのはやっぱり変なような気がした。
二枚目の「同意書」…うーん、これは…
印刷物の文字で改めて見ると、今まで寮とかでは当たり前に経験してきたことと同じとはいえ…すごいことが書いてある…
「私は、以下のことに同意します
・施設内で、異性に服を着ていない状態を見られること
・施設内で、異性の服を着てない状態を見ること
・施設内(指定区域を除く)で、性的な行為を見ること
・施設内(指定区域を除く)で、複数人で性的な行為をするときには互いに合意すること
……」
僕は、その書類に、力強く、サインした。
帰りの車でも、僕たち7人は同じ座り方で座った。
さちこは、行きよりも積極的だった。温泉施設の外に出ても、タオルは巻かず、前に片手でおさえて軽く隠すくらいで歩いていていたのだが、車に着いたらすっかり取ってしまった。
行きは僕の棒はさちこの後ろにある状態だったのだが、今度は棒が下にある状態にし、剥いて、先端を触り始めた。
そして、反対の手では僕の手を、今度は割れ目の近くまで持ってきた。
「ク○、触ってくださいよ」
僕は、見えないながらも、手探りで、そうした。そしてあいている右手は、さちこの乳首を。
「あ、まさるさん…まさるさぁん…」
「さちこさん…気持ちいい…」
僕は先から汁が出てくる感じだった。さちこも、中の方は湿ってきた様子だった。
走る車の中、僕たちは2人で盛り上がっていったが、周りの雰囲気は必ずしもそうではないようだった。
「ねぇ、普通の銭湯行く? のどかちゃん、今日は女湯にしておく?」
はるかさんがそう言った。はるかさんの後ろのあつしは、はるかさんの胸を揉んではいるが、はるかさんは比較的平然とした様子だった。
「え、えぇ、あたし…今日は…女湯に…します…」
のどかがそう言った。ちょっとほっとしたようだった。
「わたしは男湯いきますよ! りんこさんは?」
けいこが後ろを向いて、そして隣を見て、そう言った。
「私も男湯行こうかな」
「りんこさん男子寮に引っ越したら毎日が男湯ですからね」
「けいこ、男子寮の風呂は銭湯の男湯ほど整然としてないよ」
一同…少なくともりんこさんとはるかさんとけいこは…笑った。
「私はのどかちゃんと一緒に女湯ね」
銭湯に行く話が進んでいた。はるかさんとのどか以外とは一緒に入れるとはいえ「整然と」した場所。当然「公共の場所」の制約は受ける。
車窓に、大学の敷地が見えてきた。
突然、さちこが言った。
「あの、りんこさん、ちょっと大学に行ってきていいですか?」
「どうしたの? 忘れ物…あぁ…いってらっしゃい」
そう言って、りんこさんは静かに車を止めた。
「じゃあ、皆さん、またあとで…まさるさん、行きましょう!」
さちこは僕の手を引いて車から降りた。
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