「脱ぎなさい」「はい……」
ドロップアウター:作

■ 純情な少女2

 わたしは、舞踊部が好きだった。練習は厳しいけれど、先輩も同学年の子達もみんな優しくて、とても居心地が良かった。みんな大好き……だから、どうせなら一緒に苦しみたかった。

「……分かりました」
 うつむき加減で、わたしは返事した。これから裸を見られると思うと、恥ずかしくて顔を上げられなかった。ちょっと涙ぐんでもいた。
「じゃあ、早速……裸になって」
 柚木先生が、威圧するように命じた。
「ソックスも下着も、全部脱ぐのよ。五月の時と同じ格好になりなさい」
「はい……」
 ためらいながら……リボンを外し、靴下を脱ぎ、スカートも取った。それから、震える指でブラウスのボタンを一個ずつ外していった。
「あら、新品のブラジャーなのね」
 柚木先生の隣の女性が、なぜか陽気そうに言った。
「今日に合わせて選んだのかな?」
「……いえ、こんなことがあるなんて知らなかったですから」
「そうなの。ブラもパンツも無地の純白って、清純そうでいいわね。今時の子って、もっと派手な下着を着けてるのかと思った」
 下着のことを言われて、顔が熱くなった。クラスの子達と一緒に買ってきたブラだった。「真由子ちゃん、地味すぎ」って、利香ちゃんにからかわれたんだっけ……
 ブラウスを腕から抜き取って、手早く畳んで足下に置いた。そして、ブラジャーも取った。やっぱり恥ずかしくて、乳房を左腕で隠した。
「パンティも取るのよ、森川さん」
「はいっ……」
 先生に命令されて、パンツも脱いだ。これで、わたしは全裸になった。
「あなた、下の毛がないのね。剃ったりしているのかな?」
 またさっきの女性に言われた。
「してないです……」
 その瞬間、涙があふれた。気にしていることを指摘されたから……というよりも、ずっと我慢していた。
「あーあ、泣かせちゃった。純情な娘さんを、あんまりからかうものじゃありませんよ」
 あの初老の女性が、座敷の奥からたしなめるように言った。
 穏やかな口調なのに、その場は途端に静まり返った。やっぱりこの人が、一番上の立場らしかった。柚木先生でさえ、緊張した表情になった。
「お嬢さんも、泣かないで……ちょっと私の所にいらっしゃい」
 しゃくり上げて泣いていたから、返事ができなかった。体を隠しているから、涙も拭けずに……こくっとうなずいて、座敷の奥へ行った。
 すると、女性も立ち上がった。背は高くて、170近くあった。
「かわいい子だねぇ」
 女性は、にっこりと微笑んだ。
「それに、優しい子だ。恥ずかしがっているけど、少しも逆らわないのは……お友達もみんな同じ目に遭っているのに、自分だけ逃げるのが嫌なんだろう?」
「はい、あっ……」
 いきなり、お尻をつかまれた。指先で皮膚を強く押されたから、少し痛かった。腰の辺り、真ん中の膨らんでいる所、内股の部分……と数箇所そんなふうにされた。
「恥ずかしがらないで。お嬢さんの全身、私に見せて」
「はい……」
 耳元でささやかれて、言われた通りに両腕を降ろした。従うしかないと分かっていた。

「あふっ、んくぅ……」
 今度は、乳房を揉まれた。生理前じゃないから痛みは少ないけれど、変な感触だった。自然と乳首が勃ってきて、すごく恥ずかしかった。
「お嬢さんは、発育が遅いのを気にしているみたいね」
 体を弄りながら、女性は唐突に言った。
「……えっ」
「でも、あなたの体……きれいよ」
「ほんと……ですか?」
 軽くめまいを覚えながら、わたしは何とか声を発した。
「ええ。体つきは、美しい踊りの素質があるわ」
 そう告げて、初老の女性は手を離した。その後、右手の中指と人差し指をくっつけた形にして、ぽつりと言った。
「お嬢さんは……もう少し、女としての色気を身につけなきゃいけないね」
 意味がよく分からなかった。
「あの、どういう……んぐっ」
 初老の女性は、わたしの股間の亀裂に……二本の指を押し込んできた。
「やめ……うぐっ、いぃ……あふぅ」
 膣内に物を入れられた感触に、わたしはひどく動揺した。一ヶ月前、佐藤先生に脱脂綿で拭かれた時よりも、もっと生々しい感覚だった。
 女性は、指をどんどん膣の奥深くに挿入していった。わたしが声を上げても、全然やめようとしなかった。足や股間がしびれて、何かが裂ける痛みに襲われた。
 これは母にされているんだと思い込もうとした。激痛に耐えながら、母と入浴した場面を想像した。そうすれば、少しでも嫌な感覚を忘れられる気がした。
 実際、女性は母と近い年齢に見えた。もっとも、母はこんな乱暴なことをしないけれど……
「あぐぅ……いたっ、痛いです……うぐっ」
 やっぱり無理があった。誤魔化そうとしても、痛みは容赦なく襲ってきた。頭がぼうっとして、意識が飛びそうになった。
 やがて、指が一番奥に突き当たった。
「あっ……んぐぅ、いぃ……」
 とても嫌な感触だった。気を失いかけていたけれど、それでちょっと目が覚めた。
 その時、尿が出ていく感覚があった。失禁していることに気づいたけれど、まだ意識が朦朧として……もう恥ずかしいという気持ちさえ消えていた。
 目線を下の方に向けると、指を挿入された股間は濡れていた。透明な粘液と尿に混じって……初潮を迎えた時のような血の筋が、太腿を伝っていた。
 それを見た時、初めて自分が何をされたのか理解した。
「いやあぁぁ……!」
 部屋中に響く声で、わたしは悲鳴を上げた。

〜完〜

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