桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 5

「あ……あの娘、ヤバくね?」
「転校生が女の子でめちゃくちゃ可愛いってだけで最高なのに……」

二年生の教室、そこは男子たちの異様な興奮で包まれていた。

「ボタン閉まってなかったじゃん! 谷間ヤバイくらい出てたよ!」
「ああ、あんなの大人でもいねぇよ!」

興奮の話題は、男子しかいなかったこの教室に転入してきた巨乳、
いや爆乳の美少女だ。

「ぱ……パットじゃないのか!? あれはデカすぎるだろ!」

男子たちはいまだに、あの胸の大きさを信じられずにいる。

「いや、あの弾み様は生乳だ……でもメロンくらいあるな」

「何にせよ僕らサイコーじゃん……へへへ」

「なんて名前だっけ……」

「確か……桜怜ちゃんだ」

「桜怜か……珍しい名前だな」

「どこ行ったんだろ……こっそり写メ撮ってやるぜ」

そう言った男がおもむろに携帯を取り出す。

「俺はムービーだな……あの揺れは動画じゃねーと」

そう言い、別の男も携帯を取り出す。

「何にせよ当分オカズには困らないな……」

「爆乳の桜怜ちゃんがいるからな……」

「へへへ……」

男しかいなかった日常を崩したセクシーな少女に、男子たちの欲望は向いていた。



「はぁ……」

昼休み、桜怜はグランドの誰もいない隅にたたずんでいた。

「やっぱり男の子って……エッチなんだ……」

呟く。コートを脱いだ時の男たちの視線は卑猥極まるものがあった。

「おっぱい見られるのやだなぁ……」

幸い授業の進度の違いから、夏休みまでの間、桜怜は教師とマンツーマンでの授業になった。
さらにもう短縮授業になっているため、学校にいる時間はそう長くない。
しかし唯一、ホームルームの時間だけは、その豊満なカラダを見られることになる。

「でもガマンしなきゃ……大丈夫だから……」

桜怜は自分に言い聞かせる。桜怜が感じたクラスの印象は、陰気な男が多いということだった。

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