桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 66

「ま、桜怜ちゃんも頑張ってくれたし追加罰ゲームはゆるめにしといてあげるよ」
「もうそんな水着姿見せてくれてるだけでたまんねぇ〜しな!」
男子達が口々に言う。

「もう…! バツゲームならやるから…! 見ないで…! 恥ずかしい…!」
なけなしの気丈さも失ってしまった桜怜が汗が滴る爆乳を庇いながら力なく言う。

「へへ…! じゃあね、今まで桜怜ちゃんが俺らと遊んだ中で恥ずかしかったことを三つ言いなさい!」
男子が言う。

「え…!? 恥ずかしかったこと…?」
意外な内容に桜怜が戸惑い、聞き返す。

「そ。結構俺ら桜怜ちゃんと絡んだじゃん。でもやっぱさ〜、そんなスゴいおっぱいしてるから俺らもついちょっとエッチな遊びしちゃったじゃん。どれが印象に残ったか教えてほしいなって」

「簡単でしょ? 三つ言うだけだよ」
男子達が言う。

「あ…遊びって…! あんなの全部ただのセクハラじゃない…!」
全く悪びれない男子達を桜怜が軽くにらむ。
「っていうか…普通に服着てる姿見られるのも恥ずかしいんだから…!」

何かされるわけでなくても、制服や体操着でその爆乳が強調されているだけで充分恥ずかしいのだ。
「でもこれくらいなら…」
今まで受けたセクハラの内容を自分の口で言わされるのはかなりの屈辱だが、せめてもの抵抗として、堂々と言い放ってやろうと決心した。

「わかったわ。三つでいいのね? じゃ言います」
桜怜はきっぱり言い、さらにオッパイを庇っていた腕を後ろで組んだ。
男子達が小さく歓声を上げる。

「一つ目は更衣室で水着に着替えるトコを見られたこと、二つ目は水着で万歩計を揺らされたこと、最後はブラジャー汚されたこと、この三つです。」
桜怜は目を閉じながら言い切った。

「へへ、なんで万歩計が恥ずかしかったの?」
男子が意地悪く質問してくる。

「っ……おっぱいが揺れたからです…!」
桜怜が何とか気丈に言い返す。

「ブラジャー汚されたって、どうやって?」
なおも桜怜のプライドを引き裂くような質問をしてくる。

「…っ!」
桜怜はキッ、と質問した男子を一睨みし、
「…オシッコを引っ掛けられたから!」
せめてもの抵抗と、思い切り男子に言ってやる。

「や〜、俺の小便まみれのブラジャーでそのデカパイ包んでると思うとたまんねぇよ!」
そんな桜怜の意も解さず、男子の1人が言う。

「っ…ヘンタイ…!」
桜怜が唇をかみ締め、呟く。本当は大声で罵ってやりたいが、それをやるにはもう桜怜は弱みを握られすぎていた。
何よりこんな水着姿でそんなことを言っても男子達は全く聞く耳持たないだろう。

「よし、桜怜ちゃん、よく言えました」
「さっそく次のゲームといきたいとこだけどね、もう夕方になっちまったから日を改めるってことでいいかな?」
男子達が言う。

「え…あ…もうこんな時間…」
桜怜が呟く。気づかなかったがもう夕暮れに近付いていた。
「え…日を改めるって…またこんな事しなきゃダメなの…?」
今日はもう帰れるようで少し安堵した桜怜だったが、また男子達と会わなくてはいけないのか。
(パンツだったらもうあげるから…)

「ん? 今更パンツあげるから勘弁して、なんて情けないこと言わないよね?」
男子が挑発してくる。

「んっ…!」
桜怜が顔をゆがめる。やはり悔しい。
「やっぱりダメ…! もうこんなのにいいようにされたくない!」
桜怜が歯を食いしばる。少しでも見返してやりたい。

「わ、わかったわよ! 次はゼッタイ返してもらうから!」
男子達に毅然と言い放つ。

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