梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第11章 海岸4

2人の指の動きが止まった。お互いに攻め疲れた―――というのもあるが、
「もう……駄目。一緒に……だよ……」
「うん……。私ももうイキそう。でも一緒に……ね。梨華子」
という気持ちを確かめる為でもあった。それから少し呼吸を整えて、
「ラスト行くよ」
「思い切りね」
と言って亜矢子がスッと息を吸い込んで梨華子の膣の中から指を少し抜いたのを合図に、2人は激しく攻めの応酬をした。ただ激しくではなく、きっちりと相手の快感のツボをおさえていた―――。
「あっ、んくっ!んあっ、亜矢子……!」
「ああああっ!あっあっ!ああん!」
梨華子も亜矢子も声を上げ、乳房を擦り合わせながら上体を反らした。
2人の指は互いの膣内を激しくかつ優しく掻き回し、膣からはドロリと更に膣分泌液が出て来た。時々親指がクリトリスに触れ、それも快感になり、腰をうねらせたりしていたが、
「あっっ!!―――んぐっ」
「ああああん!!ああっ、あああ―――」
2人は限界まで背中を反らし梨華子は足を張る様に伸ばし、指先まで力が入ってきた。亜矢子は梨華子の体に足を絡み付け腰を密着させた。その為お互いの指が押し付けられ少しだけ膣内に深く入った。それから意識が飛びそうな中で右手の指に何とか意識を持って行き、最後にお互いの膣内で指を細かく動かした―――。

「―――!」
抱き締めてる腕からも、足からも、そして愛撫していた指からも身体中から力が抜け、それから痙攣が襲って来た。
「ハァハァ……ハァハァ……」
梨華子は亜矢子と向き合う姿勢から仰向けに砂の上に大の字になった。ゆっくりと亜矢子の指が膣から抜けパンティから出て、糸を引きながら亜矢子のポロシャツの上に落ちた。
亜矢子は梨華子の最後の指攻めで、抱き締めた腕や絡み付けていた足が硬直し、梨華子をより強く抱き締めた―――というより締め付けた感覚だった。そして顎を上げ顔は向こうをむいていた。その状態から一気に力が抜けると同時に激しい痙攣が襲ってきた。
亜矢子は梨華子と同じ様にゴロンと仰向けになり、
「ハァハァ……あっあっ……ハァハァ」
と息を切らせながら、痙攣に合わせるように小さく声を出していた。梨華子の指は亜矢子の膣から抜け、亜矢子が仰向けになるのに合わせて腹の上をなぞり、亜矢子のポロシャツの上に落ちた。

梨華子の膣からはこれでもかと言うほど愛液が溢れた。それが既にグチャグチャに濡れているパンティから溢れ、表面を伝わる様にゆっくりと地面に落ちた―――。
梨華子は目を閉じて、余韻を楽しんだ。体の痙攣はまだ止まらなかったが、息が整ってくると、
「亜矢子……凄く良かった」
とゆっくりと目を開けながら言った。亜矢子は、
「うん……アリガト」
と答えて笑った。

梨華子は後ろ手について体を起こした。髪や背中についていた砂が一部サラサラと落ちた。それからゆっくりと立ち上がり、
「泳ごうか」
と言った。元々そのつもりで海に来たのである。下着姿になりたかったのだが、自分の部屋ではあまり意味がない。誰か───大介または亜矢子に見て貰いたい願望があったので海に来たのだが、当初の予定とは違いブラジャーは外されて乳房丸出しで更にはパンティから太股の内側は愛液でグッショリと濡れ滴らせていた。これも想定範囲内───。
梨華子は波打ち際まで来て足を海水に浸した。30度を超えて暑かったとはいえまだ4月、海は冬から少し醒めた程度で海水は冷たかった。
「亜矢子」
梨華子は亜矢子を呼んだ。亜矢子が梨華子の所に行くと、梨華子が軽く亜矢子に海水を掛けた。
「やっ!」
亜矢子が声を上げた。
そして亜矢子も海に入り梨華子に水を掛け返した。すると梨華子は、
「つ、つめたっ」
と言いながらバシャバシャと沖に走り、腰位の水深の所でしゃがんで肩までつかり愛液を洗い落とし、それから海面から頭だけ出して泳いだ。それをみて亜矢子も同じ様に肩まで海につかり、パンティの中に手を入れて愛液を丁寧に洗った。
それから梨華子と亜矢子は二人で並んで顔を出したまま泳いだ。小さいうねりに揺られながら底に足が届く範囲で海岸沿いに右へ左へと暫く泳いでいた。

「上がろうか」
梨華子はそう言って底に足をついて立って言った。亜矢子は、
「うん、少し冷えたし」
と答えた。
二人は砂浜に上がり濡れた髪を絞ったり両手を振ったり、パンティを少し引っ張って軽く絞った。それから服が置いてある───いや、脱ぎ捨てられてると表現した方がいいような状態になっているが───所に戻った。
「少し洗わないと……」
亜矢子は愛液で濡れたスカートとシャツを手に取って苦笑いしながら呟いた。梨華子はブラジャーを拾って砂を払ってから着けて、グシャグシャになっていたポロシャツとスカートを手に取って愛液等で汚れている所を確認した後、その部分を海水で洗った。
亜矢子はスカートを洗おうとしたがかなり愛液まみれになっていたので全部洗った。固く絞ってバタバタやろうとしたが胸が揺れるのが気になった。胸サイズは平均的なのだが揺れると気になるのでブラジャーを着けた。見ると梨華子は既に着けていた。それからスカートをバタバタやった。スカートを穿き、ポロシャツも同じ様にやった。シャツが体についてひんやりしたが海から出た後からだが火照っていたので丁度良かった。

二人は服を着た後、岩に腰掛けて体温と風で服と髪を乾かした。塩が浮いてきていたので叩き、服が乾いたのを見計らって、
「帰ろうか」
と梨華子が言うと、亜矢子はコクリと頷いて、
「うん」
と答えて二人は海岸を後にした。来た時と同じ様に波の音が響いていた───。
疲れてしまったので、電車の中では二人は肩を寄せ合って眠って帰って行った。安らかな夢を見ながら。

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