真梨子
羽佐間 修:作

■ 第2章 目覚め17

「羽佐間さん!おはよう」
 真後ろから声を掛ける。

「ひっ!」
 翔太が追いかけてきたのかと思い、驚いて振り返る。

「あ、秋山さん・・・」
「おはよっ」

「あっ、お、おはようございます い、今の電車だったんですか?」
「ああ、そうだよ」
 ――まさか、見られてたんじゃ……

「どうしたんですか、今日は?」
「キャピトル藤急で朝食会があったんで、議事堂前から乗ったんだよ」

「そうですか・・・朝早くからご苦労様です そうだ、久美ちゃんのお父様の話、聞かれました?」
「ああ。大変だね。パリだってね」
「ええ。 今日、飲み会どうします?」
「そうだな。 プロジェクトの仲間っていっても吉野さんはクライアントの方だし、大の真梨子FANだからなぁ 中止したら怒るだろうなあ〜 不謹慎だが、まだ亡くなられたわけでもないし、予定通りやったほうが良いでしょ?!」
「そうですねぇ…」

「それより羽佐間さん、素敵だね」
「えっ な、何が ・・・ ですか?・・・」

「何って その髪型! そうやって髪を下ろしていると凄く女性っぽくて素敵だよ」
「あっ、ありがとうございます・・・」

「これからもそうすればいいのに」
「い、いいえ 私は髪を後ろに束ねると、よ〜し、やるぞ!って仕事モードになれるので、やっぱりこの方が」
 真梨子は、歩きながらバレッタで髪を留めた。

「それはそうと、熱でもあるんじゃないのかい? 顔が少し赤いよ?」
「そ、そうですかあ? おかしいなぁ すこぶる元気ですよ」
「そう。ならいいけど」

 秋山は真梨子と並んで歩きながら、ほんの数分前、目の当たりにした真梨子の逝く様を思い出していた。
 ――パイパンでピアスが飾られたオマ○コかぁ ふふ

 右手の指には、真梨子の白濁した淫汁がベットリ付着し、指を擦り合わせると、その滑る感触がなんとも卑猥だ。
 ――糸を引くところを見せてあげようか? 真梨子
 秋山にとって”聖女 真梨子”は、今や究極の陵辱対象となった。

「そうだ!羽佐間さん。会社に行ったら直ぐに作って欲しい資料があるんだけど、いいかな?」
「はい。もちろん」
「ありがとう。助かるよ。じゃ急ごう!」
 ――ふふ コンビニにパンツを買いに行かせてあげないよ。 ノーパンのお姉さん
ポケットの中の真梨子から奪ったショーツを握り締めながら、真梨子とオフィスへの道を急いだ。

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