授乳女教師
Tsuka:作

■ 苦悩と戸惑い9

「…………。」
「黙らないで」
「……はい、そうです」
「やっぱり、そうなの…。」
先生は暫く目を閉じ、そして肩で深く息をつく。
「牧野君、よく聞いてちょうだい。先生があんな事を言った訳はね、厳しい態度を取らないと牧野君の為にならないと思ったからなのよ。だって先生と生徒なんだから…」
「…………。」
「確かに先生も言葉が残酷過ぎたと思う。今は反省してるの。それは素直に謝るわ…。先生も本当に牧野君の事が嫌いな訳ではないのよ」
「…………。」
「ただ、お互いに距離を置かないと大変な事になるのよ、分かってくれるわね?」
「…はい…」
先生は安心した様子だった。
「そう…分かってくれて嬉しいわ。それなら、今後は元の牧野君に戻ってくれるわね?」
再び返事に窮した。元に戻れる訳がない。先生への恋情は何ら変わりはないからだ。先生と生徒の関係なんて百も承知だった。しかし抑えても抑えても恋情は募るばかりなのだ。
「どうしたの?」
「…………。」
俺は黙って首を小さく横に振る。
先生は安心した表情から一転、曇った表情になる。今日の川上先生は感情がめまぐるしく変化する。
「なんで…? どうしてなの…?」
「それは……」
「それは……何なの?」
「…………」
「始めに約束したでしょう? 隠さずに正直に話すって…」
「……はい、…約束しました」
「だったら…お願いよ。先生に隠し事しないで。正直に話して、嘘はつかないで」
先生は俺の心の最も奥深く…核心的な部分をえぐり出そうとしている。
(これを言ってしまったら…自分で自分に歯止めが利かなくなる……積もりに積もった感情が吹き出て、とても収拾がつかなくなる…)
この前の体育祭の時などとは、感情的に全く異なるのは容易に判断できた。それこそ先生を襲わんばかりの感情の吹き荒れ方になるだろう。
もう直ぐにでも声が出そうだ。俺の口は金魚みたいにパクパクしていた。

「何か言いたそうね……先生に関係する事なの?」
川上先生はジッと俺を見つめる。問い詰め方は、きついものが感じられるが、普段のようなクールさや厳しさが全く感じられない。むしろ包み込むような暖かささえ感じた。
(これが、……これが先生が本来持ち合わせている優しさ……なのか?)
俺を見つめる視線も、いつもの突き刺すような冷たさではなく、何処となく母性を匂わせる暖かさがある。
(……そんな、そんな目で見つめられたら…俺はどうすればいいんだよ!)
先生は更に身をこちらに乗り出すようにして問い掛けてくる。
「牧野君が思い詰めてるのって……先生についての事なの?」
川上先生は、強くて真剣な眼差しを真っ直ぐ俺に送り続ける。その視線がレーザー光線のようで、俺は体を居抜かれる感覚に襲われる。
机の端に両手を付いて身を乗り出した為に、お互いの距離がより縮まっていた。そのお陰で直ぐ目の前で大きすぎる乳房が下を向き、ボーリングの球を二つ並べたような形がブラウスに浮き上がってしまっている。
先生が着るブラウスはいつも胸が窮屈そうで、沢山の横皺が出来ていた。何を着ても101センチの爆乳は目立ってしまう。
先生は誘惑する意思が全く無いだけに余計色気を感じてしまう。その魅惑のJカップバストに圧倒されつつも、俺の頭は様々な想いが駆け巡っていた。

(そうだよ…! 先生の言う通りなんだ! 俺は先生が…先生が…!)
先生を想う気持ちは何ら変わりはない。いや、むしろ強くなっている。
(あのおっきなミルクおっぱい…それだけじゃない、腰つきもお尻も、何もかもが眩い…。俺がこれだけ想っているのに先生は……)
苦しくてたまらなかった。また涙腺が緩みそうになる。
先生への慕情を塞き止める心のダムはもはや決壊寸前なのだ。いや、塞き止めるのも限界だ。もはや堪えられない。決壊は免れない。
(ここまで問い詰められたなら、もうどうなっても構わない! 全身全霊で先生にぶつかっていくんだ!)
俺は腹をくくって声を、そして鬱積した感情を露に出した。

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