転校生
二次元世界の調教師:作
■ 3
もう駄目だ。俺は自分のうかつさを後悔したが、今さら取り返しは付きそうもない。ふと気付くと俺達の剣呑な雰囲気を察してか、教室内は2人だけだった。もしかすると、どうなる事かと外で聞き耳を立てている悪趣味な連中がいるかも知れないが、俺はこうなりゃ毒喰わば皿まで、とばかりにやけくそのような行動を取ってしまった。武市さんがミーコだと気付いてから、どうしてもやってみたいと強い衝動を覚えた行為を。
「そう言うなよ、ミーコ。
お前しばらく見ない間に、ずいぶんキレイになったな。」
俺がお世辞でなく本心から賛辞を述べても、ミーコのパッチリした大きな目は睨み付けるようで笑ってはいない。何か言えよ、ミーコ。お前がそんな目で見るから、俺は……
「こんな事までしてやった仲だろ……」
ああ。俺は何と言うバカな男だろう。武市さんの長めのスカートをバッとめくると、彼女がちゃんとパンチラ防止の黒いものをはいていたので、なぜかホッとする。と思ったら、彼女は声を上げるでもなく、しかし烈火のごとき強烈なビンタを俺の頬に見舞っていた。
「最低ですね。
私今日用事があるんで、これで……」
スカートをめくってやると、必ずキャーッと大きな声を上げて、もう、やめてよ〜、と泣きそうな表情で嫌がってくれたミーコと、まるで無感情の機械みたいに冷静な武市さんは、本当に同一人物なのだろうか?
(痛ってえ……)
小柄な彼女が全体重を預けたかのようなビンタの威力は本物で、俺が痛いやら情けないやらで叩かれた頬を手で撫でながら椅子に座っていると、やはり外で見張ってたらしいマサコがやって来た。
「バ〜ッカ!」
「そう言うなよ……」
「あんな事しなけりゃ、ミーコちゃん案内に乗ってくれたのに。」
「そりゃないだろ。」
「だからはアンタは彼女が出来ないのよ。
あそこでうまくもう一押しすればいけたって!」
「そう言うもんか?」
「そう言うものよ。
ミーコちゃん、アンタの事好きだったんだし。」
うーん、女心は難しい。俺はさらに自暴自棄な気持ちになっていた。
「マサコ、俺をなぐさめてくれ。
スカートをめくりたいんだ。」
と言いながら立ち上がり、有無を言わせずマサコの武市さんよりずっと短いスカートをめくり上げると、キャー! もう、やめてよ〜、と俺の期待した女の子らしい反応が返って来た。
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