SMごっこ
二次元世界の調教師:作

■ SMごっこ2-2

「めぐ姉のケリを喰らうのも、これで最後なんだね」

「んな事わかるかっ!
 いつまでもお前がメソメソしてたら、いつでも帰って来て、きついケリを入れてやる!」

「めぐ姉っ!」

 翔は男らしく私を押し倒して来た。

「中出しは許さないからな」

「わかってるよ。
 だから、口で……」

 いつものように私だけセーラー服を着たままのえっちだった。全裸になった翔は、ヒョロッともやしみたいだった体が今ではいっぱしの筋肉が付き、ほれぼれするような肉体美だ。甘いマスクもあってジャニーズで売り出せば、多くの女の子達をキャーキャー言わせる事が出来るだろう。もっとも逞しいのは外見だけで、中身は相変わらず根性無しのコイツに厳しい芸能界が務まるわけはないのだが。

 そして私のお目当ては、甘いマスクでも肉体美でもなく、股間に隆々とそそり立つ翔の素晴らしい宝物である。仰向けに寝そべった翔の股間にひざまづいた私は、これが最後と口一杯に含んだシンボルを味わい尽くすように、くちゅくちゅとタップリ時間を掛けて舐めしゃぶった。

「め、めぐ姉!
 僕、もう出ちゃうよお……」

 ズキン! 高三にもなって、何て甘ったれた情けないない声を出すんだ、コイツは。

(いいのよ、翔。
 タップリお出しなさい……)

 私はまるで翔の母親になったかのような優しい気持ちになって、彼のブラブラしてるふぐりをゆっくり揉みほぐし、尻穴にまで指を入れてあげた。そうして大量に放出した翔の生命の源を貪り尽くすがごとく、丁寧に一滴もこぼさぬよう熱くて苦いザーメンを飲み干した。

「め、めぐ姉、僕、まだ……」

 人生で最も性欲が盛んな時期の翔は、もちろん一度射精したくらいでペニスを萎えさせる事はない。だが私はいたずらっ子をたしなめるように、ダメよ、と指でその弾力ある逸物を弾き、翔から避妊用のサックを受け取ると口で装着してやった。

 そうして仰向けになった私のスカートをめくり上げ、太股までずり下ろした白いショーツはそのままに翔が覆い被さって来ると、私ももうてらいを捨て、激情のままに最愛の弟の最後の愛を受け入れた。私の中に入って来た翔の情熱の証を、今夜限りと体の記憶に刻み込むべく力の限り締め上げた私。

 私は馬鹿だ。本当は忘れなくてはいけないのに。私達は卒業を機に、二度と体を合わせない事を互いに約束したのだ。これは若き日の、ただ一瞬の気の迷い。だって一生こんな道ならぬ関係が続けられるわけがないではないか。

 ああ、だけど。私の中の歓びを覚える箇所のすみずみにまでピタリとフィットして、まるで痒い所に手が届くような素晴らしい快感をもたらしてくれる相性抜群のこの男根を、私は本当に忘れる事が出来るのだろうか。

 ほとんど夜を徹してむつみ合った後、私は翔にきっぱりと決別の言葉を述べた。これが本当に最後の夜で、今度二度と再び彼に抱かれる事はない、と言う事を。

 大きな体で駄々っ子のようにイヤだイヤだと私に翻意を促す翔をなだめるため、私は彼とある賭けをする事にした。そう、まるであの時テストの点数を掛けて、勝った翔に「SMごっこ」のご褒美を与えたように。

 ルールは次の通り。お互いに別れた先で、出来るだけ早く新しいパートナーを作り、えっちしてしまう事。次に会った時報告し合って、勝った方は何でも好きな事を相手に要求する事が出来るのだ。もちろんこれは翔への道ならぬ思いを断ち切るためのもの。

 こうして始まった新生活。空手で進学した大学だけに、やはり私の生活の中心は毎日の厳しい空手の稽古だった。1年生で既に女子の中ではほぼ敵なしの力を持っていた私は、男子部員に稽古を付けてもらう事が多かった。中で最も好感が持てた先輩と交際を始めたのも自然の成り行きだったろう。それは決して恋と呼べる代物ではなかったのだが。

 翔を忘るために、そして2人で約束した賭けに勝つために、私は自分でも驚く程積極的な女の子になって彼を誘い、夏前には待望の肉体関係を持つに至った。盆に初めて里帰りする予定だったが、これならきっとアイツとの賭けに勝ったに違いない。そしたらアイツのおごりで、思い出の甘味処へ足を運ぼうか。私はあえて選んだ翔とタイプが全く違う、まるで熊のような巨漢に組み敷かれながら、心の中ではそんな事を考えていた。

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