奥さまはマゾ
二次元世界の調教師:作

■ 6

「お、奥さま! 出しますよ、いいですか?」

――えっ!?

 口で男性のモノを受け入れた経験のなかった私はすぐにはその意味がわかりませんでしたが、次の瞬間「一発抜く」と下品な表現をされたのはこのことかと気付き、慌てて口を外そうとしました。しかし私のためらいを予測した新山さんが後頭部に手を回して許してくれず、口内にネバネバした液体が大量に注ぎ込まれて来たのです。とても生臭い粘液が喉を塞ぎ、私は苦しくてむせてしまいました。

「ごっくんするのですよ、奥さま」

――こんな、ひどい……

 主人と違う男性のザーメンを飲まされるのはひどい屈辱でしたが、新山さんが頭を離してくれないので、仕方なく私はその反吐が出そうな苦い液体を飲んでしまいました。すると何だか奥深いところからどうしようもなく込み上げて来るおぞましい興奮が一段と高まって、私は、もうダメ、と観念したような気分に陥ってしまいました。これが、私がマゾだと言う事実の証明でしょうか。気が付くと私は、新山さんの肉棒に舌を絡ませザーメンを残さず飲み取ろうとしゃぶるような、はしたない行動まで取っていたのです。

「ありがとうございました、奥さま」

 首輪と手かせを嵌めて自由を奪い、頭を抱え込んで男性自身から放出された精液を飲ませると言うひどい仕打ちを加えたと言うのに、口からペニスを引き抜いた新山さんは私に向かって深々とお辞儀をしていました。彼の真剣な眼差しと態度はその言葉が心からのものであることを示しているようで、私は思わず(いいのよ、新山さん)と言いそうになりハッとしました。

――この人、こんなに私とえっちしたかったんだ……

 こんな卑劣な男性なのに、彼を許してしまうような気分になってしまうなんてどうかしています。でも、彼が引き上げたシンボルが全く勢いを失わずギンギンに勃起したままである様子が目に映ると、どうしても新山さんを憎悪する気持ちが薄れてしまうのでした。比べてはいけないと思っても、私の中で果ててしまうとすぐに萎えてしまう主人のことが頭に浮かびました。

「奥さまっ!」
「イヤッ!」

 興奮冷めやらぬと言った様子の新山さんが、相変わらずはしたなくM字に投げ出していた私の脚の付け根に手を伸ばして来ました。

「おもらしでもしたみたいにビショビショではありませんか。こんなものをはいていてはいけません。私が脱がせて差し上げましょう」

――ああ、やっぱりえっちされちゃうんだわ

 新山さんが一度出しても全く元気なままであることから、散歩なんか行かずにここで犯されるのだろうと思った私は諦めて脚を投げ出し、彼がひどく濡れてしまったショーツを抜き取るのに任せていました。太股に当たる冷たい感触が何とも惨めで、こんな淫らな私だから罰を受けて夫以外の男性に犯されてしまうんだわ、などと思ってしまいました。

「これが奥さまの匂いが染み付いたおパンツですか。う〜ん、素晴らしい、まるで夢のようです。私の宝物として大事にしまっておきますよ」

 新山さんはわざわざそのグショ濡れのショーツを顔の前で広げると、クンクン匂いをかいでそんなことを言うのです。ふと見るとベットリと私の分泌してしまった染みが納豆のような糸まで引いていて、私は顔が熱くなってしまいました。穴があったら入りたいとはこのことでしょう。いよいよえっちされるんだ、と下着まで奪われた私は覚悟を決めました。ところがここで新山さんの取った行動は全く予想外でした。

「奥さま、ノーパンでは外に出ることが出来ませんね。ちょうどいい、1枚お借りしますよ」

 新山さんは私が取り入れたばかりの洗濯物の山から、とんでもないデザインのショーツを探し当ててしまいました。ピンクのとても小さな股当布の両サイドにヒモが付いただけのタイプで、パッと見たらノーパンに見えてしまうような破廉恥なヒモパンです。新山さんは私を立たせると、わざわざそれをはかせて来たのです。

「おしとやかな奥さまが、こんなきわどいおパンツをはいておられるなんて、想像しただけで鼻血が出てしまいそうですよ。ああ、部長が羨ましいです……」

 選りに選って一番羞ずかしい下着が洗濯物で転がっていた不運を、私は嘆きました。それは新婚の私が昇さんを喜ばせようと、精一杯背伸びをしネットで取り寄せたセクシー下着なのです。もちろんヒモパンなどを着用するのは生まれて初めてでした。

「奥さま、ムダ毛の処理が不十分です」
「ごめんなさい」

 その小さ過ぎる布地からハミ毛が出てしまうのを新山さんが指摘すると、私はなぜか謝っていました。

「でもこれはこれでとても興奮いたします。後で剃って差し上げますから、取りあえずこれで散歩に参りましょう」

――う、ウソ! こんな格好で……

 彼に犯されるのものだとばかり覚悟を決めていた私は、パンチラ必至の超ミニテニスウェアにえっちなヒモパンと言う凄まじい格好で散歩に連れ出されることに、顔から火が出そうな羞恥を覚えました。ここで新山さんに抱かれる方がどんなにか気が楽です。ですがまさか私の口から、抱いて下さいと申し出るわけにもいきません。脚が竦んで立ち尽くしていると、新山さんは何と首輪に鎖のリードを付けて、犬のように私の首を引っ張りました。

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