奥さまはマゾ
二次元世界の調教師:作

■ 12

「ああ、もうそろそろ出ちゃいますけど、いいですか?」

――イヤっ! ……あ、あ、そんなっ!

「ちゃんと飲ませて頂きなさい」

 私がさすがに嫌がって口の動きを止めようとすると、新山さんがとうとうアソコの中のペニス型を動かして来ました。これも加減してるのでしょう、ずいぶん緩やかな動きでしたが、私の女の部分がキュウッと気持ち良く振動棒を喰い締めてしまい、主人とのセックスでは覚えたことのない絶頂に向けて押し上げられて行くのがわかりました。そして本能的に店長さんにも一緒にイッてもらおうと口の動きが再び盛んになってしまったのです。

――ヒイーッ!

 そして忘れていた羞ずかしいアナルの中の小バイブが動いたのがとどめでした。私はとうとう何もかも忘れて素晴らしい絶頂を極めてしまい、店長さんも同時に口の中でスパークしました。羞じらいも慎みも失った私は、もちろんングングと口を動かしてキレイに舐め取った店長さんの精液をゴックンしてあげます。するとそんな私の崩れぶりを見ていた新山さんが信じられない言葉を発するのでした。

「他の方も一発彼女の口で抜きませんか? マゾの綾子に、ぜひ皆さんのミルクをあげて下さい」

 店長さんが皆の前で淫らな行為をされたことで、ためらっていたお客さんたちも次々に私の口唇奉仕を望んで下半身を露出させ、私の前に行列を作り始めました。とんでもない事態の成り行きでしたが、新山さんがリモコンを操って私の淫情が冷めないようえっちな刺激を加えて来るので、目の前に見知らぬ男性のギンギンに勃起したシンボルを突き出された私は従順にくわえてクチュクチュと口を動かしてしまうのでした。

「待っている方のおちんちんを両手に握らせてもらいなさい」

 さらに首輪の左右で拘束された両手に、順番待ちの男性の熱い劣情の塊を握らされると、その手もなぜか言われもしないのにシコシコとしごく動きを見せてしまいます。私はもはや慎ましい社長令嬢で新婚の若妻だと言う仮面を脱ぎ捨て、大勢の飢えた男性に喜んでえっちなご奉仕をする、浅ましい性の奴隷に成り下がっていました。

――トモヤ君!

 何人の男性の生臭い精液を飲まされた後だったでしょう。私の前にビクビクと脈動する肉棒を差し出した、まだ若い男性を見た私は、息が止まりそうなくらい驚きました。顔を隠すためかサングラスを掛けていた彼は、母の妹さんの息子、すなわち私にとってはイトコで、まだ高校生のトモヤ君だったのです。私とよく似た大人しい羞ずかしがり屋の男の子で最近はほとんど言葉を交わすこともありませんが、私が中高生の頃はまだ小学生だった彼とよく遊んだことがあるのです。トモヤ君は目をおおって半分顔を隠した若い女性が私であるとは思いもしないでしょうが、照れ臭そうに頭を掻きながら、フェラチオを所望して十分成長した立派なおちんちんの包茎の皮を自分で剥いて突き付けて来ました。

――トモヤ君にこんなことするなんて……

 でも親戚の高校生男子の登場に私がためらっていたのも束の間で、乳首とクリ○リスを責めるバイブがジーッと振動を再開すると、どうしようもない快感にウットリとだらしなく表情を緩めた私は、トモヤ君の若い力に満ちたおちんちんにも優しく唇を被せて舌を絡ませ、ネットリと濃厚な「ご奉仕」をしてあげたのでした。

「奥さま、堪能して頂けましたか?」
「新山さん……
 ああ、もう、もう……」

 アダルトショップでえっちな下着に数限りなくイカされながら、沢山の男性のザーメンを飲まされた私は、途中からあまりに強烈な興奮状態に陥って何が何だかわからなくなり、完全に自分を見失っていました。そして気が付くと私は新山さんに首輪を引かれ、もう暮れてしまってライトに照らされた街路を歩かされていたのです。もう、許して下さい、と言おうとした私の声は甘くかすれて自分でも嫌になるくらい悩ましく、切なく慄えてしまってそれ以上言葉に出来ませんでした。そして相変わらずジーッと弱い振動が続いているリモコンバイブから絶え間なく込み上げる快感が募って来た私は、またもや感極まって歩けなくなりウッとしゃがみ込んでしまいます。

 そこはもうすっかり繁華街のまっただ中で多くの人が行き交っていましたが、一目でいかがわしいプレイ中とわかるミニスカテニスウェアに首輪と手枷と言う私の格好を見て、助けてくれる人は現れそうにありません。恐らく男性の方は好色な視線、女性の方は蔑みの視線を、路上で大胆に肌を晒しながら崩れ落ちている私に送って来ていたことでしょう。

「奥さま、気持ち良かったら何度気をやってもいいのですよ。そうやって自分がど変態のマゾであることを体に叩き込むのです」
「ああ……い、イヤ、又、イク、イキますっ!」
「奥さまのイキ顔は最高にステキですよ」

――ああ、そんな、ひどい……

 気が付くといつの間にか私の顔を隠していたキャッツアイが外され、素顔を晒しているではありませんか。

「ひどい人……」
「奥さまのお美しい顔を見て、怒る人はいませんよ」

 全く助け起こそうともせず、リモコンを見せ付けながら操っている新山さんに恨み言を述べながら、私は歯を食い縛って間断なく襲い掛かる性悦をこらえ、何とか立ち上がります。顔まで晒されてしまった今、一刻も早くこの「散歩」から帰宅したいと言う一心でした。でも睨み付けたつもりでも新山さんを見る目は潤み切って小鼻が膨らみ、おっぱいとお尻を悩ましくくねらせてしまうのが止まらない私は、体ばかりか心まで自分がマゾであるという自覚がしっかりと刻み込まれつつあったのです。そしてこの人からは絶対に逃げられないんだと思うと、諦めの心境と同時におぞましくも甘美な屈服の歓びを覚えていたのでした。

「いや、いい買い物でした。百ウン十万円使っちゃいましたからね。これからあさってまで、まだまだコッテリと奥さまをかわいがって差し上げますよ」

 どうやら新山さんはアダルトショップでさらに高額のいかがわしい買い物をされたようです。完全にマゾに目覚めた私は、この人にもっとイジめてもらえるんだと思って胸がときめき、ますます体を熱く疼かせてしまう有様になっていました。しかしそんな理性の崩壊し掛けた私にとっても、続く新山さんの言葉は信じがたいものでした。

「これが全部会社の経費だって言うんだから、いい世の中ですよ。ははは……」

――この人、狂ってる……

 私は正直にそう思いました。自暴自棄になって会社の不正を暴き、ついでに会社のお金を使い込んでしまうつもりなのでしょうか? だとすれば父の会社を救うため自分の身を投げ出した私だけがバカを見たことになるではありませんか。でもすっかりマゾに目覚め新山さんの奴隷に成り下がりつつある私には、もう引き返す道はなかったのです。

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