ダイエットモニター
二次元世界の調教師:作

■ 6

――私、いつの間にこんなえっちな子になっちゃったんだろう?

 そう。淫らな行為を予想しながら嫌がりもせず、それどころか心の中ではそれを期待して体を熱く濡らしながら堂々と全裸を晒してしまうなんて、以前の内気で男の子とお付き合いしたことさえない私からは考えられない成り行きでした。でも約1週間毎日ダイエット自転車のイボイボサドルに乗り、トレーニング中の他の女の人の目を気にしながら、5回も6回も素晴らしく気持ち良い天国に昇り詰めてしまう浅ましい歓びに夢中になっていた私は、いつの間にかえっちが大好きなはしたない女の子になってしまっていたのです。

――や、ヤダ、先生。ゴム手袋なんかしてる……

 マコト先生はまるで手術に臨む外科医のように白い手袋を両手にはめました。薄くて弾力に富んだその素材は、この1週間トレーニング中私の全身にピタリと密着して楽しませてくれた生ゴムに違いありません。ベリベリと言う音が聞こえて、先生が手にはめる様子を見ただけで全身がワナワナと慄え、快楽の予感で体中の嫌らしい血が熱くざわめく気がしました。
 
「あ、あの、どうして……」

 ふと見るとお姉ちゃんも白いゴム手袋をはめていました。そして先生と2人で、私の手脚を黒いベルトで椅子に縛り付けて来たんです。

「どうして縛るのか、ですって?
 ふふふ、その答は久美ちゃんの体がよくわかってるでしょ」

 マコト先生より、次の陽子お姉ちゃんの言葉の方が直接的でショッキングでした。

「久美はどMなんでしょ。縛られるとドキドキして興奮するよね?」
「な、何を……」
 
 バカな、と言おうとした私の口は、マコト先生の白い手袋で塞がれてしまいました。ああ、この感触! そしてこの匂い! 私はウッと目を閉じるとだらしなく表情を緩めてしまいました。

「先生、久美ったら私よりもえっちなんです。スカートを短くするの嫌がるフリしながら、ホントはいつもパンツを見せるのが嬉しくて、すぐ濡らしちゃうんですよ」
「ふふふ、そうだね。何しろ自転車の上で気をやるのがクセになって、どんどんイッチャうイケない子だから。昨日は新記録で6回イッタよね、久美ちゃん?」

――バレてたんだ……

 先生が顔を撫で回し、お姉ちゃんが黒ベルトの拘束をしっかりと確かめながら、そう話し掛けて来ました。自転車アクメは私だけの秘密で、超ミニスカのスリルを楽しんでしまっていたのも隠していたつもりでしたが、2人には全てお見通しだったのです。

「へえ凄いじゃない、久美。私なんか初めは3回イクのがやっとだったのに。それでも死ぬかと思ったわよ」
「思った通り久美ちゃんはお姉ちゃんに輪を掛けたマゾっ娘さんだね。マゾの女の子はたいてい生ゴムが病み付きになっちゃうんだよ、ふふふ……」 

 先生がイヤらしく顔中に生ゴムの感触を這わせて来ると、私はそれだけで意識がボウッと桃色にかすむ気がしましたが、ここで精一杯の抵抗を口にしました。だって私まだ処女なのに、そんなヘンタイのマゾだなんて、とても認めたくはありませんでしたから。

「違います!」
「あら、素直じゃないのね」
「先生、嘘つきさんにはお仕置きが必要です」

 お姉ちゃんがそんなひどいことを言いました。なのに私と来たら「お仕置き」という言葉にも、ゾクリと背筋をおぞましい興奮が這い上がって来るのを感じてしまうんです。

「そうね。じゃ陽子ちゃん、素直じゃない妹さんに目隠ししてあげなさい」
「や、やめて……」

 お姉ちゃんが黒いゴーグルみたいな本格的な目隠しを持ち出して見せたので、私の声は不安で慄えました。

「Mの子は目隠しされると、すごくえっちに感じちゃうのよ」

 お姉ちゃんがそんなことを言いながら、頑丈な目隠しをはめてしまうと目の前が真っ暗になり、それと同時に私の中で捨て鉢みたいなアブない気持ちが頭をもたげて来ちゃいました。

――ああ、もうダメ。どうなってもいいから、メチャクチャにして……

 これがマゾであるってことでしょうか?

「山下久美さん、あなたは自分がマゾであることを認めますか?」
「……はい」

 これ以上意地を張って「お仕置き」を追加されるのが怖かった私は、聞かれるままにはしたない告白を口にしてしまいます。

「縛られると興奮するのね?」
「はい」
「生ゴムで興奮するのね?」
「はい」
「目隠しされると興奮するのね?」
「はい」
「わかったわ。素直ないい子ね。ご褒美にオクチも塞いであげるわ」
「そんな……」

――せっかく正直に言ったのに……

 抗議を口にしようとした私は、鼻を摘まれると無様に口を開いてしまいます。すると柔らかいボールみたいな物が詰め込まれて、口も利けなくなってしまいました。

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