走狗
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■ 第6章 転章4

 そして徳田は、香織を横抱きにすると、下半身を俺に晒し、それを説明し始めた。
「ほら、見てみろ。涼子は、乳房にオ○ンコを作らせたが、こいつは足の付根に付いている。しかもこれは、こいつの細胞を培養した、本物の性器だ。ちゃんと子宮にも繋がっているんだ」
 そう言って両足の付根にあるオ○ンコに、指を突っ込んで穿る。
 忽ち、徳田の指は、香織の愛液でビショビショに成る。
 徳田が指を抜いて、香織の口元に指を持って行くと、香織が舌を出してそれを絡め取る。
 香織の舌は、先端から10p程の長さで、二本に分かれていた。
 その舌を左右から器用に絡めて、徳田の指を舐め上げる。
 俺は、2人を見詰めて、有る事に気が付いた、それは2人が凌辱を受けていた頃と、同じ顔立ちをしている事だった。
「老化抑制剤を…、2人に使ったのか…」
 俺の絞り出すような声に
「ああ…使っているよ。しかも、最新の奴をね…。最新の奴はね、以前のように直ぐにバラバラに成らないんだ。崩壊は、じっくり1日掛けて起きる」
 徳田が嬉しそうに、俺に話す。

 俺の中に、言い知れない憎悪が頭をもたげ、俺の雰囲気がガラリと変わる。
 すると、由木が俺の前に現れ
「叶様…。それは、組織のルールを破る行為に成られますが」
 俺に注意を促したが、俺は構わなかった。
 足に力を入れ、立ち上がろうとした時、俺の首筋にとてつもなく嫌な感触が触れた。
 俺は、後ろを振り返ると、そこには真っ黒い衣装を身に纏った、霧崎がジッと俺を見詰めていた。
 達人クラスに前と後ろを、挟まれた事になり、俺は歯噛みをし、力を抜いてソファーに座り込む。

 俺の変化を見て取った、由木が下がると、徳田はテーブルに乗ってオナニーをする涼子の髪を引っぱり、床に引き摺り下ろし、香織をソファーから放り投げる。
 涼子は、いきなり斜め後ろに髪を引っ張られたため、オ○ンコに咥え込んだ杖が深々と刺さって、後頭部から床に落ち、香織は受け身を取る手足が無く、そのまま顔面から床に叩き付けられた。
 徳田は、身を乗り出して、俺の顔を覗き込み
「君は、新藤とのゲームで本当に上手く動いてくれた。感謝して居るんだ、私はね…。だから、格別の計らいで、ここに呼んだんだよ…」
 徳田はそう言って、自分の身体をソファーに凭せ掛けると、ブランデーを口に運び、両足をソファーの外に大きく拡げる。
 すると、涼子はオ○ンコに杖を差したまま這いつくばって、拡げた足に這い寄り、香織も身体全体を使って、芋虫のように徳田の足に向かって這い寄ってくる。
「君が、私の思い通り動いてくれたお陰で、私はこうやって意中のオモチャを手に入れ、新藤を破滅させ、序列を上げる事が出来た。そして、偶然とはいえ、後継者まで見つかった」
 俺は、徳田の言葉に、3っつ気になる事が有った。
 その一つを質問した。
「ちょっと待て…。意中のオモチャと言う事は、あんた初めから涼子を狙ってたのか…?」
 俺は、徳田を見詰めて聞いた。

「そう、君の良い所は、理解力と洞察力の凄さだ。だが、少し違う…。私が欲しかったのは、両方だよ…この2匹共だ」
 徳田は、両手で涼子と香織を指し示した。
「だから、凌辱させたのか…?佐織を使って、2人を陥れた…。そうなんだろ…?あの爆発も、2人の身元を判別させないためだったんだな…」
 俺は、やっとの思いで声を絞り出す。
「そう、その通り。あそこで死んだのは、利用価値のないゴミ素体だ…。君は、毎年そのゴミに手を合わせて泣いていたね?それが、どれだけ私を笑わせたか…。毎年、君が墓参りに行く日は、ここで私の友人達に、犯されながら、君の事を嘲笑っていたんだよ、こいつ等はね」
 徳田は、俺に向かって、大声で笑いながら話を続ける。
「美加園を送ったのは。あれは、単純な男だから、君を救おうと動く事を見越してだ。思った通り色々動いてた、そして、新藤を探し出す手掛かりを、偶然とは言え君に提示し。君は、見事新藤を突き止めた」
 徳田の満足顔に俺は歯がみしながら
「つまり。俺は、お前に操られ続けて、お前のために新藤を追いつめたって事か…」
 俺は、徳田に事実を知らされて、自分に腹が立って来た。
「そうだ。そして、君は私に、後継者まで与えてくれた。彼は良いよ…面白い…発想がね、実に独創的でそれで居て、相手の精神に致命傷を負わせる」
 徳田はニコニコと笑いながら、俺に話をする。

 俺は、徳田の話を聞きながら、首筋にピリピリと嫌な予感が、走り出す。
「君は、知っている筈だが、今の彼は、マテリアルで更に成長した。彼が私の後継者だ」
 徳田がそう言うと、由木に連れられて、少年が姿を現す。
「お久しぶりです。あの館では、随分お世話になりましたね。どうでも良い事ですが、父と母の分も、きっちりお礼させて頂きますよ」
 そう言って現れたのは、全一だった。
 しかし、目の前の全一は、牢から消えた時とは、打って変わった雰囲気を醸し出している。
 自信に満ちた表情、眼鏡の奥に光る瞳、薄く笑った唇の端に、何処か毒蛇を思わせる、雰囲気を漂わせていた。
「彼が相応しい年齢に達したら、私の全てを譲ろうと考えている。勿論、こいつらもだ」
 徳田はそう言うと、涼子と香織を足で小突く。
「そうなれば、こいつらがどう言う風に扱われるか…。私的には、楽しみなんだが、君もそれで良いのか?」
 徳田は、睨め付けるような視線で、俺を見詰める。
 俺は、口を開いてしまえば、怒声を上げ、直ぐにでも後先考えず、こいつらを屠ってしまいそうだった。
「僕は、僕のオモチャを返して貰いたいだけだから、余り無茶はしたくないけど…。あんたには、しっかり苦汁を舐めて欲しいな…」
 薄笑いを浮かべ、全一が俺に言った。
「私が所有している間は、全一君にはこいつらを使わせない。だが、それもそう長くは無い、2年程の話だ…」
 徳田は、俺の顔を覗き込み、可笑しくて堪らないと言った表情で俺に言った。
「2年で私の所まで、来れるかな?下位の者が、私達にゲームを挑むのに必要な1500Pを2年で貯めて、私に勝たなければ。この2人は想像を絶する、苦痛の中で凄惨な姿に成るだろうね…」
 徳田は、そこ迄言うと、ニヤリと笑って
「今のままで、1500P貯めようと思ったら、100年は掛かるよ…。だから、私が提案して上げるんだ」
 大げさに手を振って、俺に告げた。

 俺が無言で居ると、徳田は肩を竦めて話を続ける。
「そんな君に、私がゲームを斡旋して上げよう。なに、私の取り分は、2割で良いよ。そして、私を精々楽しませてくれ」
 そう言って、俺の答えを待った。
「そうそう、こいつらが主人を認識できる、記憶の書き換えは後1回が限度だ…。君用に面白い仕掛けもされている。私のオーダーでね…。なんだと思う?」
 徳田がニヤニヤ笑いながら付け加え、俺に質問して来た。
 俺が答えきれずにいると
「在るキーワードで、記憶が全て戻る様にして有るんだ…。君との過去も、陵辱の記憶も、肉体改造の経過も、今に至る調教もね…。だから、時間を掛けて気が狂わないように。過去を忘れないように。手間暇を掛けたんだ…」
 徳田は、楽しそうに俺の顔をのぞき込み
「そうだ、全一君に引き渡す時にも解いてやろう…。そうすれば、君の事を理解しながら、全一君に責め殺される…。面白いだろ?」
 大声で笑いながら、俺に告げた。
 俺には、この申し出を受け入れるしか、手が無かった。

 承諾して立ち上がる俺の背中に、徳田は言葉を投げ掛ける。
「君は、本当に良い猟犬だよ、本名とは字が違うけどなハハハハッ」
 俺の背中に馬鹿笑いを、浴びせかける。
 俺は、こうして徳田の猟犬にされた。
 あいつの猟を手伝い、楽しませる走狗に成り果てた。
 しかし、この事件が始まって、俺はずっとそうだったのかも知れない。
 見えない手に誘導され、獲物を追いつめる、只の猟犬だった。
 俺は、狂おしい程の、狂気が再び自分の中で、暴れ始めるのを感じながら、ビルを出て夜の雑踏を歩いた。

[走狗]END


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