虜〜露出に目覚める女たち〜
パーラメント:作

■ 第1章12

夜───
10時を過ぎ、里奈からメールが来た。

「どうなったかな〜? っと」

メールを開くと、オッケーをもらえた旨が書いてあった。時間も夕方の5時に待ち合わせで決まったらしい。
トイレで話したサービス的なことの内容だが、下着を目の前で脱いでプレゼントする、というので決まったらしい。以前、下着を売買していた里奈にとっては慣れた商売だろう。

とにかく、当日が楽しみになってきた。と同時に、中間テストの重圧も大きくなってきた。適度に勉強を済ませ、寝ることにした。



そしていよいよ試験当日。試験期間中は半日授業になるため、休み時間は午後の予定の話題で持ちきりだ。この日は4科目の試験で、お昼をまわる頃には下校時間となった。
里奈は制服のままという指定があったようで、外で時間をつぶしているらしい。俺は一度家に帰り私服に着替える。昼飯を適当に済ませ、あるモノを探しにでかけた。

そして、待ち合わせの時間になった。場所は前に里奈を見かけたファーストフード店の前ということになっており、早めに用事が済んだ俺は待機している。

“相手の人について何も聞いてないな。どんな人が来るんだろ”

得体の知れない相手にドキドキしながら待っていると、里奈が姿を現した。

「ごめんね、待った?」

笑顔で手を振る里奈の横で、辺りを気にしながら立っているスーツ姿の男。おそらく、一緒に里奈を買うことになる男だろう。俺が言うのも何だが、ベルトの上に肉が乗っかる程の巨漢に、頭は薄毛でメガネをかけており、興奮しているのか肥満漢特有の呼吸の荒さが目立つ。汗もじっとりかいており、まさに絵に描いたような中年サラリーマンだ。

「じゃあ揃ったところで、紹介するね。こちら、ウチのホムペの常連のタツさん。よろしくね♪」

里奈にタツさんと紹介された男は、小さくお辞儀をしながらハンカチで額の汗を拭った。

“ちょっと待て、俺のことはどう紹介する気だ?”

まさか、同級生と言えるはずもないし、心配していたが…

「えっと、こちらの方は前に一回買ってくれた翔太さん。久しぶりに連絡もらったから、今日は二人と一緒に楽しみたいと思いま〜す♪」

うまく誤魔化してくれた里奈に感謝しつつ、会場となるネットカフェ─この前の場所─へ移動する。
ビルの階段を上がる途中、段取りを説明される。まず俺と里奈がペア席に入り、後からタツさんが適当な席を取ってこちらの部屋へ来る。その後は…言わなくても分かるだろう。
よく事情を知らない俺のために、ウリに関するルールも説明してくれた。それはこうだ。

・事前の打ち合せで約束したこと以外はしない

・お金は始める前に支払う

・外部にバレないよう、騒がない

説明が終わる頃、ネットカフェのある階に到着し、先に里奈と二人で入っていく。ここの常連である俺が、人目につきにくい席をチョイスして、少しでも安心して行為に臨めるようセッティングをする。受け付けのある階の一つ上の階にあるペア席に入ったところで、里奈がタツさんに部屋番号をメールで知らせる。
今から受け付けをすると返事があったところで、里奈に話しかけた。

「なんかすごいな、慣れてるっていうか」

「あれ位しないと、身内だってバレちゃうからね。でも何あのオッサン。ハァハァ言っちゃってキモかった〜」

里奈の思わぬ本音で和んでいると、今から向かうとメールが入った。里奈の指示で間をおいて座っていると、静かにドアが開きタツさんが入ってきた。

「いらっしゃい、それじゃあ始めますね」

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